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「わんだふるぷりきゅあ!」“肉弾戦なし”でも売上好調 新変身アイテムは「キッズコスメ」で展開サラリーマン、プリキュアを語る(1/2 ページ)

わんぷりの「肉弾戦を描かない作風」は、売り上げに影響があったのでしょうか?

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 わんだふるぷりきゅあ!

 異色の「戦わないプリキュア」は、玩具や関連商品の売上に影響があったのでしょうか? 決算数値から見ていきたいと思います。


ついに変身した「キュアニャミー」

kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。

 「わんだふるぷりきゅあ!」(以降「わんぷり」)の放送開始から3カ月。引き続きの盛り上がりを見せています。

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 5月19日の放送では「クレヨンしんちゃん」とのコラボも話題となり、26日の放送ではようやく3人目「キュアニャミー」の変身シーンも初披露。変身バンク職人、板岡錦氏が原画を手掛けた「キュアニャミー」の変身シーンは本当にすごいものでした。この先「キュアリリアン」の登場も楽しみですね。

「クレヨンしんちゃん」とのコラボも話題になりました

 さて、わんぷりは「みんな なかよし! わんだふる~!」のキャッチコピーの通り「パンチやキックなどの肉弾戦をしない」作風が特徴の一つです。

 「肉弾戦」をせずにどうやって戦闘シーンを描いているかというと、凶暴になったガルガルを「捕まえてギュっと抱きしめて」浄化しニコガーデンへ帰す、といういわば保護活動的で平和な戦闘スタイルとなっています(※3人目「キュアニャミー」は普通に肉弾戦をしていますが、それはあくまで本作の「戦わない」スタイルを逆説的に強調するためだと思われます)。


ネコのユキちゃんがキュアニャミーに変身しました

 さて。そんな「わんぷり」の肉弾戦がない作風は、「玩具、関連商品」の売上に影響は出ているのでしょうか? 「変身なりきり玩具」はプリキュアが戦うシーンがあるからこそ子どもが憧れ、購買につながっているのではないでしょうか?

 玩具業界誌および2024年5月に発表されたバンダイナムコHD、東映アニメーションの決算短信から見ていきたいと思います。

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「わんぷり」玩具は好調に推移

 玩具業界誌では「わんぷり玩具」の好調が報じられています。

 前作の初動を上回る勢いで「変身ワンダフルパクト」が売れているようです。

2月に入って特に好調なのが「わんだふるぷりきゅあ」関連で、前作の初動を超える勢い。メイン商品の「変身ワンダフルパクト」が単品、スペシャルセットともによく売れている。
『月刊トイジャーナル2024年3月号』(東京玩具人形協同協会)P54

 前作「ひろがるスカイ!プリキュア」も好調だったことを思えば、それ以上の勢いで変身玩具が売れていることは、かなりの好調であることがうかがえます。

 「変身ワンダフルパクト」は、プリキュアでは鉄板人気のコンパクト型アイテム。造形のかわいさもあり、子どもに受け入れられているようです。


「前作の初動を超える勢い」と評された変身ワンダフルパクト(出典:Amazon.co.jp

バンダイナムコのトイホビーは昨年同様

 さらに、バンダイナムコHDの決算の数字を見てみると、2024年4Q(1~3月)のプリキュアのトイホビー売上は21億円。

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トイホビーは前年と同じ数字に

 これは「昨年同期と全く同じ数字」となっています。上がっているわけではないけど、下がっているわけでもない。むしろ昨年がプリキュア20周年で大きく盛り上がっていたことを考えると、昨年と同じ数字というのは大健闘の部類だと思われます。

 プリキュアが「戦わない」ことは、玩具や関連商品を含めたトイホビーの売上に大きな影響がなかったことがうかがえます。

東映アニメ国内版権は昨対131%と絶好調

 一方、同じく5月に発表された東映アニメーションの決算数値では、プリキュアの2024年4Q(1~3月)の「国内版権売上」は2億2500万円でした。これは昨年同期の1億7200万円から131%と大幅なアップとなっています。


「国内版権売上」は大幅なアップに

 「国内版権売上」が好調、ということはキャラクターグッズなどの関連商品が好調であることもうかがえます。

 このように、バンダイナムコおよび東映アニメの数字から見ると、プリキュアに「肉弾戦」「格闘」がないことは、玩具の売上に大きな影響が出ないばかりか、むしろ「キャラクター商品」の売上に貢献している傾向もうかがえます。

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 それを裏付けるかのように玩具業界誌でも、わんぷりは「キャラクター自体の人気が高いこと」が報じられています。

一方で2月にスタートしたプリキュアは初動の好調が継続している。玩具だけでなくステーショナリー関連も好調なことから、キャラクター自体の人気の高さがうかがえる。
『月刊トイジャーナル2024年4月号』(東京玩具人形協同協会)P68

 挑戦的かと思われた、わんぷりの「肉弾戦を描かない」という作風は、開始3カ月の数字を見る限りは成功を納めているようです(子どもたちは「プリキュアになりたい」のであって「戦いたい」わけではないということなのでしょうか)。


この先仲間になる「キュアニャミー(左)とキュアリリアン(右)」(出典:Amazon.co.jp
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