3Dメガネ不要! iPhoneで裸眼立体視が楽しめるアプリ「i3D」日々是遊戯

特殊なメガネも、モニタも必要とせず、なおかつリアルな「立体感」を体験することができる技術が、フランスの技術開発チームによって開発されました。

» 2011年05月25日 10時25分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

ホントに立体に見えます

 少しずつ一般家庭への普及も進んできたとはいえ、まだまだ敷居の高さはぬぐえない「3Dテレビ」。そんな中、フランスのジョゼフ・フーリエ大学のある技術開発チームが、「特殊なメガネやモニタを必要としない立体視技術」を開発し、iPhone/iPod touch/iPad用のデモアプリをリリースし話題となっています。

 この技術は、「Head-Coupled Perspective(HCP)」と呼ばれ、特殊なメガネやモニタを使わず、代わりにiPhoneやiPad2の「フロントカメラ」を利用している点が特徴。利用者の顔をカメラで検知し、「どの方向からのぞき込んでいるか」を映像に反映させることで、擬似的に奥行きや立体感を感じさせる仕組みとなっています。

 よく分からん! という方は同チームがYouTubeに投稿したデモンストレーション動画をどうぞ。こちらは4月はじめに投稿されたもので、現在までに全世界で160万回以上にわたって再生されています。


 今回リリースされたアプリは「i3D」という名称で、基本的な機能は上記デモとほぼ同じ。空中に浮かぶ水色の立方体や、たくさんのMiiが貼り付けられた角柱など、5種類の立体映像を楽しむことが可能となっています。3Dテレビのように「視差」で奥行きを表現しているわけではないため、iPhoneを動かさなければただの平面ですが、顔を動かしたり、iPhoneを傾けたりすることで、立体を様々な方向からのぞき込むことが可能。実際に試してみると、そのリアルな「立体感」に驚くのではないでしょうか。

 この技術が面白いのは、カメラさえあればどんなデバイスにも応用が可能という点。例えばWebカメラのついたノートPCはもちろんのこと、PlayStation MoveやKinectセンサーのカメラを使えば、家庭用ゲームに同様のシステムを組み込むことも不可能ではありません。未来のゲームではもしかすると、壁の向こうをぐるっとのぞき込んだり、キャラクターをいろんな角度から眺めたりといったことが、普通にできるようになる……かもしれません。

フロントカメラで使用者の「顔」を検知しているところ。顔を動かすと、赤枠で囲まれた部分もいっしょに移動します
収録されている立体映像のひとつ。iPhoneを傾けたり、顔を動かしたりすることで、様々な方向から立方体をのぞき込むことができます
これも収録されている立体映像のひとつ。なぜMiiが貼り付けられているのかは謎ですが、確かに立体的には見えます

 ちなみに、以前この連載で紹介した「HoloToy」というアプリも、「i3D」と同様、iPhoneを傾けることで擬似的な立体視を実現しているアプリでした。ただしこの2つは、技術的には似て非なるアプリで、「i3D」がフロントカメラを使っていたのに対し、「HoloToy」では傾きセンサーを使って「どの方向からのぞき込んでいるか」を検知していたのが特徴。

 今回あらためて両方の形式を比べてみたのですが、傾きセンサーを利用している「Holotoy」の方が、動き自体はスムーズ。「i3D」の方は顔で認識しているため、若干処理がカクつくのと、また顔がカメラの範囲外に出てしまうと動きが止まってしまうといった問題があり、精度では「Holotoy」の方に軍配が上がります。

 ただし「Holotoy」の場合、本体を手で持って使用するのが前提で、例えばiPhoneやiPadを床に置いてしまうと、「のぞき込む」ことは不可能。一方、「i3D」の方はあくまで「顔」で検知しているため、本体やモニタが固定されていても問題ありません。このため前述のとおり、PCのモニタや、据え置きゲームなどにも利用できる点がメリットとなっています。

 どちらも一長一短といったところですが、いずれにしても、得られる立体感はかなりのもの。使い方次第では、今後の「3Dゲーム」にも大きな影響を与える技術と言えるのではないでしょうか。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/31/news019.jpg “部屋が汚すぎて”彼氏に振られた女性→1人孤独に片付けを続け、600日後…… まさかの光景に「感動しました」
  2. /nl/articles/2501/29/news009.jpg 高校生のときに出会った“同級生カップル”→「親に頼らん!」と必死に貯金して…… 19年後、現在の姿に反響
  3. /nl/articles/2502/01/news088.jpg 「痩せた」 大谷翔平、“最新ショット”に驚きの声 “寝ぐせ”にツッコミも……「うわ凄い絞ってる」
  4. /nl/articles/2501/28/news188.jpg 「やられたな」 ベトナムで「FUJITSU」だと思って購入した家電→“衝撃の正体”に思わず戦慄
  5. /nl/articles/2502/01/news039.jpg 生え際後退で老けて見える25歳男性、プロが大胆カットしたら…… 「不可能を可能にした」「35歳から15歳に」大変身が740万再生【海外】
  6. /nl/articles/2501/30/news026.jpg 普通の折り紙1枚を、パタパタ折っていくと…… プレゼントにぴったりな美しいアイテム完成に「すげぇつくりたい」「かわいい」
  7. /nl/articles/2501/31/news041.jpg 水道検針員から直筆の手紙、確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生→大反響から1年たった“現在の様子”を聞いた
  8. /nl/articles/2502/01/news008.jpg 【ハギレ活用】「もう最高……」 着物のハギレをリメイク→わずか30分で“すてきなアイテム”が完成! 「私にもできそう」
  9. /nl/articles/2502/01/news047.jpg 【編み物】彼氏のために、緑と黄緑の毛糸を正方形に編んでつなげると…… 圧巻のおしゃれな大作完成に「息をのむほどすばらしいよ」
  10. /nl/articles/2501/31/news215.jpg 「こういうの大好き」 ユニクロ“3990円パジャマ”が発売前から話題騒然 「最高」「シンプルで良い」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  2. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  3. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  4. スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
  5. 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  6. 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
  7. 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  8. 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  9. 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
  10. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議