本当にうさぎだらけだった! うさぎの楽園、大久野島探訪記:フォトリポート(3/3 ページ)
現在は「うさぎ島」としてリゾートアイランドになっている大久野島ですが、実は少し前まで、「毒ガス島」という名前のほうが有名でした。島には戦前に作られた毒ガス貯蔵庫や毒ガス製造のために建設された発電所が残されています。
大久野島に毒ガス製造所が建設されたのは1929年のこと。最盛期には約5000人が働き、年間約1200トンもの毒ガスが製造されていました。国際社会では第1次世界大戦後に戦争での毒ガス使用を禁止する動きが出ていたため(ジュネーブ議定書)毒ガスの製造は極秘に行われており、大久野島は戦後まで地図から消されていました。
戦時中の製造作業や戦後の処理作業で被毒した方も多く、亡くなったり、後遺症に悩まされた方も多くいたそうです。そういった大久野島の負の歴史は「大久野島毒ガス資料館」で知ることができます。島に訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
大久野島にうさぎがたくさんいるのは、実験に使われていたうさぎが自然繁殖したからではと思った人もいるかもしれません。しかし、毒ガスの実験にうさぎは使われていましたが、戦後の処理作業で処分されてしまったそうで、このときの子孫は残っていません。
では、なぜ大久野島に300羽ものうさぎがいるのか。それは、1971年に島外の小学校で飼いきれなくなった8羽を放したのがきっかけと言われています。キツネやタカなどの天敵がいなかったのが幸いし、40年のうちに30倍以上に増えたわけです。
展望台付近にいたうさぎさん。瀬戸内海の景色がきれいです
島には親子連れから女子大生のグループやお年寄りまで、老若男女が(おそらく)うさぎさん目当てに訪れていました。国内で非日常が味わえる貴重な場所。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
※記者の個人ブログ「やまとぴblog」で詳しい行き方や近くの観光地についても紹介しています。また、記事で紹介しきれなかった写真と動画をねとらぼのFacebookページで公開しています。ぜひ、こちらもご覧ください。
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