むむむ、何かにおうぞ…… シロアリ探知犬の訓練を見てきた:働くわんわんお(2/2 ページ)
探知犬ならではのメリットとは?
ノアはアメリカ(フロリダ州)で生まれて訓練を受けた後、2006年7月20日にアサンテにやってきた日本初のシロアリ探知犬。今年で職歴5年になるベテランで、シロアリだけでなくトコジラミ(南京虫)も探知できるスーパードッグだ。
2010年にはシロアリ探知犬のキラと、トコジラミ探知犬のサムソンが加わり、アサンテには現在3頭の探知犬がいる。3頭とも犬種はビーグルだが、ビーグルしか探知犬になれないわけではない。アメリカではラブラドール・レトリーバーなどの大型犬やミニチュア・ピンシャーなどの小型犬まで、さまざまな種類の犬が探知犬として働いているという。アサンテでは日本の住宅に合った体格と嗅覚の能力、そして人懐っこい性格が適していると判断して、ビーグルを選んでいる。
宮本記者もハンドラーを体験させてもらった
同社がシロアリの探知に犬の助けを借りるのは、調査の際に壁や床を壊さずに済み、広い範囲を調べられるという2つのメリットがあるため。住宅によっては床下に人が入れない構造のものもあるが、探知犬なら床下に入らなくてもにおいでシロアリの有無を調べることができる。シロアリが床下から2階3階、屋根裏へと広がっているような場合でも探知犬なら短時間で広範囲を調べられ、人間に比べて素早い探知が可能だ。気になるのは探知犬の調査が正確かどうかだが、見学した訓練では迷うことなく全問正解。現場でも確かな結果を出しているという。
また最近はトコジラミ探知の仕事も増えている。トコジラミの被害は1960年代以降下火になっていたが、ここ3〜4年、海外からの旅行者の増加に伴い、宿泊施設での発生が多くなってきている。調査にかかる時間は、一般的なホテルの客室の広さなら1〜3分で、部屋を1周するだけ。人間の目視による発見率は30%にとどまるが、探知犬なら90%を超える。
シロアリ探知犬は仮の姿……?
ノアのハンドラー、丸山さんはアサンテ法人営業部の係長。アサンテではノアを語り手とした「しろあり犬BLOG」を公開しており、丸山さんは丸ちゃんの愛称でたびたび登場している。ノアにとってはお父さん的存在のようだ。ペットは飼い主に似ると言われるが、丸山さんとノアも……似ている気がする。
もっとも、ノアは丸山さんのペットではないので、常に一緒にいるというわけではない。普段はほかの探知犬たちと一緒に八王子のドッグスクールで訓練を受けながら暮らしていて、仕事が入ると丸山さんと合流して現場へ向かう。現場へ向かう車の助手席には「ノア専用車」のシールが貼られている。
現場でお客さんに記念写真を頼まれることもあるという人気者のノアだが、探知犬としての仕事もこなす一方で、アサンテのPR犬としても活躍する。内定式や研修会などの社内イベントや、社外でのイベントにも参加して訓練の様子を実演したり、ハンドラーの体験会を行っている。
りりしい顔つきに数々の実績。スーパードッグを記者たちが絶賛していると、丸山さんが、それは仮の姿だと教えてくれた。ユニフォームを脱ぐと、普通の犬と変わらない。ごろんごろん床を転がり始め、遠吠えをしたりあお向けになってお腹をなでてもらったり、想像以上のリラックスモードだった。
ユニフォームを脱いでリラックス!
日本での探知犬普及を目指して
日本でもどんどん活躍してもらいたいシロアリ探知犬。アサンテのほかには熊本の会社が1頭導入しているが、トコジラミ探知犬を合わせても、日本にいる探知犬は数頭だけ。数百頭の探知犬が働いているアメリカに比べると圧倒的に少ない。
この差は法律の違いが大きく関係している。アメリカでは中古物件を売買する際、シロアリがいないという証明が必要な州がある。そういった証明に探知犬の調査が認められているため、探知犬が広く普及する要因となっている。
日本では中古物件を売買する際にシロアリ調査は必須ではないため、調査が行われるのはシロアリ被害が出てからが多い。被害箇所、つまりシロアリの居場所が分かっているため、アメリカほど探知犬の必要性が高くなく、普及が進んでいないというのが現状だ。
しかし最近は海外からの旅行者の増加に伴いトコジラミの被害も増えており、アサンテではこれまでつちかった探知犬の育成ノウハウを生かし、探知犬の国内育成に力を入れている。今年6月には3頭の候補犬が加わり、合計6頭の「アサンテ探知犬チーム くんくんズ」を結成。シロアリ対策やトコジラミ対策のPRに力を入れていくという。
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