「ソースはねとらぼ」と言われたい 月星食品と“ねとらぼソース”を作ってみたほんとに作ったよ(2/3 ページ)

» 2011年12月28日 08時00分 公開
[笹山美波,ITmedia]

我々もソース作りにチャレンジ!

 次に編集部でソースの味を考えることにした。お好みソースやウスターソースなど種類があるなか、多数決でとんかつソースに照準を絞る。味については皆ド素人だが「自分たちに厳しく、読者には甘い」編集部となることを願って、ちょっと甘めなソースを目指すことにした。だがそれだけではつまらない気も……。もうひとひねり欲しいところだが一体どうすればいいんだ。アイデアに煮詰まり、長沼社長に電話で泣きついた。

 すると「まだ製品化してないですが、糖蜜仕立てでちょっと甘めのソースに、カレー粉を加えたスパイシーなとんかつソースを企画したことがあります。それならイケるかもしれません」とのこと。それってつまり、辛そうで辛くない少し辛いってことか!? どこぞの食べるラー油みたいじゃないか。「それだ!」「おいしそう」と編集部が盛り上がる。「どうなるか分かりませんが、まあやってみましょう」と、少し不安げな長沼社長の声が電話の奥で聞こえてきたが、作ってみることになった。

画像 ソースを試作する長沼社長

 ソース作りは、玉ねぎ、トマト、りんごなどの野菜と果物を粉砕し、8時間じっくり煮込むところから始まる。それを裏ごししたものに、調味料や約20種類のスパイスを合わせ、さらに3時間人の手で絶えずかき混ぜながら加熱する。この後もう1度裏ごしし、口当たりをなめらかに。これでソース自体は完成だが、出荷の前には金属探知機にかけたり、殺菌したり、梱包作業が必要になる。

 製作期間は通常2、3カ月かかり、長いと半年以上に及ぶこともあるそうだが、気の短い我々はできるだけ早くソースを手に入れたい。そこでちょっとイレギュラーな方法ではあるが、ベースとなるとんかつソースには既存の商品を使い、そこに調味料やスパイスを加えて作ることにした。さあ、ソース工場へ乗り込む時がきた。2時間電車に揺られていざ足利市へ。

 工場に到着したら白い作業服に身を包み、全身を殺菌消毒して中へ。「さあ、作りましょうか」と長沼社長が鍋に火をかける。ベースとなる糖蜜仕立てのとんかつソースは甘くてコクがあり、これだけでもおいしい。そこへあらかじめ調合した「秘密のスパイス」を投入した。ソースの色が徐々にカレーっぽく変化してきたぞ。スパイシーな匂いも漂っている。記者の腹もぎゅるるっと鳴る。

 一方、長沼社長は怪訝な表情で「少しとろみが強すぎるかなぁ」「カレーの香りが弱い」と首をかしげ、何度も味見をしながら微調整している。記者もひと口味見。おおお、うまい! 少しドロッとしているが、カレーととんかつソースの中間のような味がする。試作品の味に大満足だ。だが長沼社長は「どうですかねー、これでいってみますか?」とどこか不満気な表情。「もう少し改良が必要だなぁ……」ともこぼしていたが、取材時間に限りがあるので、とりあえず今日はここまで。アツアツの試作品を瓶に詰め、編集部へ戻った。


画像 これがソースの材料だ
画像 カレー粉などを調合した「秘密のスパイス」を加えて煮込む
画像 それを1度裏ごししてなめらかにする


画像 瓶に詰め込み
画像 専用の機械で封をして
画像 完成だ!


画像 通常はこんな大きな鍋でソースを煮込む
画像 ソースの貯蔵庫


画像 月星食品の外観。ソース工場と事務所が一体になっている
画像 こちらは倉庫と直販場
画像 工場の周りに高いビルはない。はるばる遠くへ来たもんだ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」