“艦娘”ともっと戦いたい「艦これ」提督のための「日本海軍ウォーゲームガイド」:矢尽き刀折れるまで一緒に奮戦しよー!(1/4 ページ)
提督諸君、敬礼! 艦娘たちは元気かな。 諸君は彼女たちの「本当の姿」を知りたくないか? なに! 知りたいか! ならば“こっちの世界”にいらっしゃい。さあさあさあさあ!
諸君! これは本格的な艦隊編成ウォーゲームなのだ
いやー、おじさんは非常にうれしい! 「艦隊これくしょん」のおかげで、日本海軍とその艨艟(もうどう)に興味をもってくれた提督が、いまや、30万人……、え、なに、もう、40万人、だっ、て……、とにかく、凄まじい勢いで増え続けているという。
これまで誰も興味を示さなかった「軍艦うんちく」も、「同じ高雄級なのに、高雄と愛宕、摩耶と鳥海で衣装が異なるのは、高雄と愛宕が大改装を受けて艦容と兵装を新造時から大きく変えたのに、摩耶と鳥海は改装を受けないまま最後まで新造時のままだったんだからだぜー」とか「さらに、高雄と摩耶がショートカットヘアで愛宕と鳥海がロングヘアなのは、愛宕と鳥海に艦隊司令部関連施設を用意しているからなんだね、きっと」とか、社内で口にしても「ほうほう、それでそれで」とついてきてくれる世の中になった。う、う、う、うれしいよおぉぉぉぉおおう!
そんなこんなで、戦車や航空機、果ては、ガンダムというミリタリーのメジャージャンルと比べて、いまひとつ相手にされていなかった軍艦好きのおじさんも救済してくれた艦隊これくしょんは、娘育成ゲームとしてのインパクトが強烈で、敵軍の設定がファンタジーであったり時間と距離の設定がアブストラクトであったりするが、意外と(というと失礼かもしれないが)、ウォーゲームとしての設定も史実に近くなるようにデザインしていたりする。
艦娘のスペックでは、火力、装甲、速力、そして、回避などなど、ウォーゲームとしては一通りの項目をそろえている。戦闘解決では、航空戦が攻撃隊の制空隊と上空直衛機の戦闘から始まり、艦艇側の対空射撃を生きのびて急降下爆撃や雷撃を行う。水上戦闘では射程の長い艦から先制の砲撃が行う一方で、夜戦になると射程に関係なく駆逐艦でも必殺の雷撃で先制できる。これは、空母戦や水上戦を再現する本格的なボードウォーゲームと共通するフローだ。さらに、“艦これ”提督たちの分析によると、陣形や(ランダムに決定するらしいが)彼我の会敵位置関係が戦闘結果に影響するという。
艦隊の編成では、出撃する艦を動かすだけの燃料と資材を用意しなければならず、残っている燃料と資材によってはベストメンバーで艦隊を構成できないジレンマに陥ることになる。損傷した艦の修理も資材がないとままならない。これは太平洋戦争を扱うウォーゲームでは必須の「燃料と物資の不足で思うように動けない連合艦隊の苦しみ」を再現している。
かように、多くの提督たちが娘たちの育成に夢中になりながらも、知らず知らずのうちに海軍作戦の仕組みと日本海軍と同じ苦しみを体験し、日本にかつて存在した多くの艨艟にまつわる逸話を知ることになった。「ああ、あのとき、サマール沖で栗田艦隊の生き残りとハルゼーが派遣したリーのTF.34が会敵していたら、大和も思い残すことはなかったろうに」と思う提督もいるかもしれない。
さらに、自動で処理が進む空母戦や水上戦、そして、夜戦で、自分で艦娘……、いや、軍艦を指揮して、単縦陣や輪型陣の効果や同航戦と反航戦の違い、丁字を喰らったときにどれだけ不利なのかを具体的に知りたくなるはずだ。そして、何より、自分が愛する艦娘たちが、実際はどれだけの実力を持つのかも気になるだろう。
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