「このマンガがすごい!」にランクインしなかったけどすごい! 2014――を選んでみました:虚構新聞・社主UKのウソだと思って読んでみろ!第11回(1/4 ページ)
虚構新聞・社主UKのウソだと思って読んでみろ!第11回は今年お気に入りだったマンガベスト10を発表します。1万字以上の渾身のレビュー(長いっ!)です。
ねとらぼ読者のみなさん、こんにちは。虚構新聞の社主UKです。
月日が経つのは早いもので、「虚構抜きで書いてるの?」と疑われながら始まった本連載も、日を追うごとに「おい、どうやらマジメに書いているらしいぞ」とささやかれ、いつの間にやら11回目を迎えました。これもひとえに、社主の類まれなる選別眼読者のみなさんからのご声援のおかげです。あ、あと最近「ねとらぼ」記事では芸人顔負けに体を張っている敏腕美人編集M女史にも大変お世話になりました。
何だか少女マンガの「あとがき&スペシャルサンクス」みたいな書き出しですが、ともあれこれが今年最後の連載です。
年末だから今年のマンガを振り返ろう
さて、毎年年末ともなるとマンガ界隈はにわかに盛り上がりを見せはじめます。というのも、「ダ・ヴィンチ」「オトナファミ」など、書評を掲載する雑誌が毎年恒例の年末企画として、この1年で面白かったマンガのランキングを次々と発表するのです。そしてマンガ読みはその結果に一喜一憂し、「これは順当」「あれは過大評価」など、あれこれ議論を交わしながら年を越します。
これら「年間マンガランキング」に入賞したマンガというのは、さっそく帯に「第○位獲得!」と載りますし、書店での扱いも破格のものとなります。それまで知名度の低かったマンガが入賞を機に一気にスターダムにかけ上る様子は、まさにマンガ界の「M−1グランプリ」といった様相。すでに大手書店では各種ランキング結果がダイレクトに反映されたレイアウトになっているはずなので、ぜひ一度お近くのマンガコーナーをのぞいてみてください。
影響力大の「このマンガがすごい!」
そんなランキング企画は数あれど、現在最も影響力を持っているのは何と言っても宝島社の「このマンガがすごい!」です。同誌のあり方には賛否両論ありますが、上位作品は確かに面白い。去年までの3年間選者として参加した社主も同誌を新しくマンガを買うときの参考にしていますし、総合ランクだけでなく、自分と趣味の似通った選者が挙げた未読作品を読んでみるという使い方もできます。ちなみに社主と最も趣味の近い選者は毎年「京都大学漫画研究部」で、今年もハトポポコ先生の別作品「けんもほろろ」(竹書房)をしっかり入選させているあたり、さすがだなと思いました。
これ1冊あれば、とりあえず面白いマンガ選びには困らない「このマンガ〜」ですが、それでもやはりフォローしきれない良作は多々あります。例えば本連載で取り上げた「僕らはみんな河合荘」「青春しょんぼりクラブ」「ひまわりさん」は、実際読んでみた人からはとても評価が高いにもかかわらず、残念ながらいずれもランク外。本連載で紹介した中で入賞を果たしたのは、渡辺カナ先生の「花と落雷」のみでした。
虚構新聞・社主UKが選ぶ「このマンガがすごい!」にランクインしなかったけどすごい! 2014
そこで今年最後の今回は「このマンガ〜」では入賞を逃したものの、社主が「すごい!」と思った10作品(男女区別なし)をランキング形式で紹介していきます。対象は今年発売のマンガで、「このマンガ〜」の男女編各50位(計100作品)に含まれず、また過去本連載で紹介していない作品です。
それではさっそく「虚構新聞社主が選ぶ『このマンガがすごい!』にランクインしなかったけどすごい! 2014」ランキング発表です。どうぞ!
- 【第1位】「事件記者トトコ!」(丸山薫)
- 【第2位】「彼とカレット。」(tugeneko)
- 【第3位】「満ちても欠けても」(水谷フーカ)
- 【第4位】「放課後カルテ」(日生マユ)
- 【第5位】「向ヒ兎堂日記」(鷹野久)
- 【第6位】「つらつらわらじ」(オノ・ナツメ)
- 【第7位】「なりひらばし電器商店」(岩岡ヒサエ)
- 【第8位】「千歳ヲチコチ」(D・キッサン)
- 【第9位】「のぼさんとカノジョ?」(モリコロス)
- 【第10位】「椿荘101号室」(ウラモトユウコ)
ぜ、全部知らない?
今、このランキングを眺めているみなさんの心の声が手に取るように聞こえてきますよ。
「知らない……」
ですよねー。できるだけ「このマンガ〜」と重複しないことを念頭に厳選した結果、このようなランキングになりました。逆に言えば、同誌がどれほどメジャー作品を広く網羅しているかということの裏返しでもあります。
しかし、あなどるなかれ! この10作品は本当ならそのどれもがこの連載で1つ1つ個別に取り上げ、その面白さをゆっくり紹介したいのを、断腸の思いで泣く泣くリストアップした次第です。この場での紹介だけで終わらせてしまうのが本当にもったいない。
それでは、やや駆け足気味ですが、入選作を順に紹介していきます。
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