読書の秋は本屋に住む 倍率1000倍ジュンク堂宿泊ツアーに潜入
11月1日〜11月2日にわたって、ジュンク堂書店プレスセンター店で開催された宿泊ツアー「ジュンク堂に住んでみる」の様子をお届けする。
世の本好き、とりわけ紙の本が好きな人にとって本屋とは楽園ともいうべき魅力が詰まった空間だ。
中には、立ち読みや座り読みでは飽き足らず、本屋に泊まりたいと公言する者まで現れているという。本屋に泊まる? そんなことできるわけがない、第一そんなことをやって本屋に何の利益があるというのだ。ね、そうですよね?
ジュンク堂書店「できますよ」
え?
ジュンク堂書店「ジュンク堂書店で宿泊ツアーやります」
ま、まじですか……?
なんと3連休の土日を使って、千代田区内幸町にあるジュンク堂書店プレスセンター店にて、「ジュンク堂に住んでみる」と題したモニターツアーが開催された。ここはジュンク堂書店としては珍しく、店舗面積は125坪と小規模で、1階の1フロアのみ。棚に並んでいる本は15万冊ほど。
ジュンク堂書店は、兵庫県神戸市に本社を持つ大手書店チェーンで、その特徴はなんといっても、店舗面積の広さと充実した本のラインアップ。
大きい店舗では1000坪を超え、池袋本店や梅田本店、福岡店なんかでは2000坪を超える。2000坪というと、だいたいサッカーのコートぐらいの広さだ。その広い店内の本棚には、さまざまなジャンルの良書が並ぶ。
きっかけは、Twitterで見かけた「泊まりたい」の声
今回の企画のきっかけは、Twitterで見かけた「ジュンク堂書店に泊まってみたい」というツイート。実は6月ごろにスタッフ4人が事前に泊まってみて、宿泊ツアーを実施できそうか調査したらしい。その際には、空調が使えないこともあり店内は大変暑く、涼しい時期に開催しようという話になった(それでも取材当日は結構暑かった)。
9月25日〜9月30日にかけて実施された参加者募集だが、たった5日間の募集期間にも関わらず、3000組近くの応募があったという。当選したのは3組だから倍率は1000倍にもなる。
この反響について、同店の店長であり、丸善&ジュンク堂ネットストア代表取締役社長の工藤淳也さんは「出版不況と言われてはいるが、需要はあると感じた」と語る。ちなみに今回はモニターとしての募集で、次回も開催するかどうかはこの結果にかかっている。その重要なモニターとして選ばれたのは、夫婦・親子・友達同士の3組。工藤さんは開催に際して「本屋という空間を楽しんでほしい」「いつもは小説を読むけど、これも読んでみようかなという本が見つかれば」と語った。
イベントは11月1日の午後5時〜11月2日の午前8時までの15時間。午後6時に店を訪れると、参加者がキングジムから提供されたエアーマットをふくらませているところだった。このエアーマットは、寝るときにオフトゥン(これもキングジムから提供されたもの、着たままで歩くことができる寝袋)の下に敷くだけでなく、通路で座って読書する際にも大活躍していた。
宿泊イベントでは、キングジムのほかにも地元の銭湯「金春湯」や佐賀県庁が協力。佐賀県庁とは「ほんのひととき」という、本に合う佐賀県の名産品をギフトとして販売するコラボ企画を実施していることもあり、今回のツアーでもお茶やお菓子を提供。本を読んでいると、お茶やちょっとしたお菓子が欲しくなるもの。参加者にも好評だったようだ。
翌朝は5時過ぎに起き始めたという参加者たち。中には起きてすぐに本棚に向かい本を手にする人もいたという。さすが泊まりたいと思う人は気迫が違う。
午前7時ごろからは、ツアーに関する意見の交換会が実施された。
参加者からは、「もっと時間が欲しかった」「東京だけじゃなく他県でも開催して欲しい(3組中2組が兵庫県や山口県などの遠方からの参加だった)」「着替えのスペースが欲しかった」などの要望のほか、「3組という規模感がよかった」「普段は気づかないような、下の段の本も気になった」「自分が手に取った本の分だけ本棚にスペースが生まれて、いつもは書店員さんが直してくれているんだなと感じた」といった、新たな発見や肯定的な意見がでた。さらに、次回も開催するとしたら参加したいかという質問には、全員が手を上げた。
また、今回ペアでなければ参加できなかったことについて、多くの人から疑問に思う声が挙がったという。たしかに読書は1人でするものかもしれないが、ツアーの参加者からは、「遠方からは1人だったら怖くて参加しようと思わなかった」「娘を1人で行かせるのは心配」「1人で参加したらひたすら本を読んでいたと思うが、ペアだったからほかの人と話しながら過ごせたのが楽しかった」など、ペアのメリットも多数聞くことができた。
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