なぜブーム再来? “拡張子”の枠を飛び越える「GIFアニメ」
短いループに広がるドラマ。
2014年12月、GIFアニメコンテスト「theGIFs -Award of GIF Creator-」の表彰式が行われました。主催はGIF作品投稿・共有サービス「GIFMAGAZINE」とAdobe。応募総数は全238作品。審査員にはアニメーション作家の水江未来さん、CGアニメーターのダイノサトウさん、デイリーポータルZ編集長の林雄司さん……など豪華な面々がそろい、最優秀賞1作品、優秀賞6作品が決定しました。
多くの作品の中から最優秀賞に輝いたのは、若井麻奈美さんの「言わなくてもいいことを言った人」です。
その他優秀作品、審査員賞受賞作品も見応えのある作品ばかり。審査会では、GIFの特性である「ループすること」と「短編的であること」をうまく生かした作品が高評価となったそうです。
ところでなんで今「GIF」なの?
実はこの「TheGIFs」は今回が初開催。どうして今GIFのコンテストを始めたのでしょうか? GIFってちょっと前に流行ったイメージのような……。GIFMAGAZINEを運営するcreativebox取締役・大野 謙介さんにお話を伺いました。
―― なぜ今GIFにまつわるサービスやコンテストの運営を始めたのですか?
大野さん Flash誕生以降、GIFの需要は下がってしまったというのが通説だと思います。Googleの検索ボリュームで見ても「GIF」というワードの検索数は2004年を境にがくっと落ちていくんですね。ですが、グラフを見るとちょうどスマホが普及してきた2010年頃からV字回復していくんです。
スマホの登場によってトイレでの1分間や、電車での短い移動時間などでもコンテンツを楽しめるようになりました。そういった「より短い時間」でコンテンツを消費するとなると、20分の短編アニメでも重く感じてしまいます。
GIFの良いところは短く、クリックレスで、記事の中に差し込んでも読み込み画面を見ることなく表示できる手軽さ。そんなGIFの特性ってモバイルと親和性が高いのではないか? と考えて立ち上げたのが「GIFMAGAZINE」というサービスです。
―― 実際立ち上げての反応はいかがでしたか?
大野さん 立ち上げたのが2014年の1月で、12月には月間投稿数が1万2000を超えました。ハイレベルな作品から、いい意味でチープな(笑)作品まであったりして……。運営していく中で、せっかくいろんな方が創造性を発揮する場所がGIFMAGAZINEにあるなら、この場からお仕事につながるような場所を設けて、クリエイターの方を支援したいなと思い始めました。
そこで開催したのが今回のコンテストで、「この受賞を期にアニメーターとして活躍できるようになりました」と受賞者の方に言ってもらえるよう、来年以降も続けて行きたいです。
「もはや拡張子の話ではない」――GIFは新たなステージへ
―― 一方で「GIFってもういいのでは?」という説もあると思うのですが。
大野さん もちろん、GIFには欠点もあります。長いループだと重くなってしまったり……。それは受け止めなければいけないんですが、今後フォーマットは変わって行くと思うんですよ。例えばmp4だったり、xngだったり。
僕らの立場からすると、仮にGIF以外に移っても全然良くて、GIFという言葉自体が「短編でループして、クリックレスなモバイルに適した素材」という認識に移っていくと考えています。GIFMAGAZINEは、そういった単なる拡張子の話をしたいのではなく、「短編のコンテンツ」として学校の休み時間に見るとか、日常に溢れたコンテンツの消費体験として寄り添っていくことを目標にしています。
なぜGIFアニメを作るのか? 受賞者に聞いてみた
大野さんのお話から、“GIF=超短編のコンテンツ”として需要が高まっていることが分かりました。では、コンテンツの作り手であるクリエイターの皆さんは、なぜGIFアニメ作品を作るのでしょうか? 最優秀賞を受賞された若井さんにお聞きしました。
―― 元々お仕事でアニメを制作されているのでしょうか?
若井さん そうですね。いまはフリーのアニメーション作家という形でなんですけど、今年の3月に大学院を出たばっかりで。あんまりその仕事らしい仕事っていうのはなく……いま駆け出しの段階ですね。
―― GIFアニメはよく作成されますか?
若井さん いや、コンテストに向けて作ったものは1つもありません。私が作っているアニメーションは10分前後のものですが、制作に1年ほどかかってしまうんですね。そんな中、Twitterでイラストレーターの方々がどんどん作品をアップしているのをみて、ちょっと悲しかったというか。「自分はまだアップできない……」みたいな(笑)。そんな隙間を埋めるためにGIFアニメを2〜3時間で制作して、「私もまだいるよ!」というアピールをしています。
―― アニメを作るときと、GIFアニメを作るときに違いはありますか?
若井さん アニメーションを作る時はやっぱ「1年かかる!」と思うと悩んじゃって……このネタに自分が1年付き合えるかどうかみたいなところをすごい考えて、頑張って調べたりとか、本を読んだりしたりとかして作るんですけど。GIFアニメは本当にその場の思いつきで(笑)。本当に落ち込んだ時に、気分を晴らすために……みたいな動機で作っています。
今回の受賞作もそんな経緯で作りました。アニメーションを作ってるとずっと地中に潜っているような感覚になるのでそういうときにGIFアニメで表現できる場所が増えてきたのはすごくうれしいです。
新たな表現形態として広がるGIF
合同主催者であるAdobeの轟啓介さんにもお話をお聞きしたところ、「はじめはなぜ今更GIF? と思ったのですが、映像作家の方がポートフォリオに使うことも多いと聞いて、今回の大会を楽しみにしていました」とのこと。実際に審査を通して、GIFの可能性に驚いたそうです。
開催リポートによると、応募者の66%が美術学生、クリエイターで占められたそう。作り手と消費者、両方に求められているGIFは今後さらなるステージへ飛躍していくのかもしれません。
関連記事
Twitterが動画投稿に正式対応 2015年前半には実装へ
これまではYouTubeやVineを埋め込むことでしかTwitterでは動画を閲覧できなかったが、直接のアップが可能に。最短1分! URLに「gif」と書き足すだけでYouTube動画をGIF化できるサービス「gifyoutube」がすっごい便利
「gifyoutube」を使えば、ブラウザ上でポチッとやるだけ!簡単操作でイラストがぬるぬる動くよ! 2Dキャラアニメ作成ツール「えもふり」公開
あなたの描いたキャラクターがにっこり笑ったり、目をぱちぱちしたり!pixivに動くイラスト投稿できる「うごイラ」登場
アニメーションGIFにも対応した。TwitterがGIFアニメをサポート! 面白GIF投稿が盛り上がるなこれは……!
動くぞ!よっしゃ動くぞおおおおおお! Twitter上でgifアニメが動かせるWebサービスが誕生
タイムラインがにぎやかになりそう!紙ではできない! キャラが動く“GIFマンガ”が斬新
実はバンドのイベントの告知でした。東京23区の区章をgifアニメで表現 ポップでなんかイイ感じ
堅苦しい印象が一切なくなっています。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
「これが生えたら庭終了」 プロも降参する“何をやっても全部ムダな最恐雑草”の正体が400万再生「ほんとこれ厄介」「土ごと変えないと不可能」
イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
夜、山中の側溝をのぞいてみたら…… 思わず声がもれる“あらぬ生物”の姿に「ヤバいw」「生で見てみたい」
水槽の中で卵を発見→慎重に見守って1カ月後…… 小さな命の誕生に飼い主も視聴者もメロメロ「まじで可愛すぎるほんとに可愛い」
「お父さんはママのオタクだった」 母親が「元・おニャン子」のタレント、アイドルとオタクが“つながっちゃいけない理由”を問いかける
「立体的に円柱を描きなさい」 中1の“斜め上の解答”に「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」
スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
工藤静香、15歳の愛犬が天国へ 感謝の言葉つづるも……「泣いてばかり」「心が追いつかない」と悲痛な思い
外国人が来日して“3年後”…… マクドナルドの“オーダーの変化”に「胃袋が日本人のそれなんよw」とツッコミ
- プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
- 6年間外につながれっぱなしだったワンコ、保護準備をするため帰ろうとすると…… 思いが伝わるラストに涙が止まらない
- 「お釣りで新紙幣来た!!!!!と思ったら……」 “まさかの正体”に「吹き出してしまった」「逆に……」
- 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
- ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
- 「これ最初に考えた人、まじ天才」 ダイソーグッズの“じゃない”使い方が「目から鱗すぎ」と反響
- もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
- アジサイを挿し木から育て、4年後…… 息を飲む圧巻の花付きに「何回見ても素晴らしい」「こんな風に育ててみたい!」
- スズメの首は、実は……? 「心臓止まりそうでした」「これは……びっくり!」“真実の姿”に驚愕の声
- 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
- 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
- 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
- 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
- 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
- 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
- かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
- 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
- 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
- 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
- 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」