2月14日は「ふんどしの日」! 3日間ふんどしを履いて“ふんどし女子生活”を送ってみた

ふんどし体験記。

» 2015年02月13日 20時15分 公開
[朝井麻由美,ねとらぼ]
画像 力士が着用するのはふんどしの一種「まわし」である(写真はニコニコ超会議の一場面)

 バレンタインだチョコだと騒がしい昨今だが、一つ忘れてはいけないことがある。2月14日は、「バレンタインデー」でありつつも、同時に「ふんどしの日」でもあるのだ。2011年12月に、日本記念日協会で正式認定され、翌2012年の2月14日から、この日は華々しく「ふんどしの日」としてデビュー。「一般社団法人 日本ふんどし協会」はこの3年間ずっと、「2月14日は愛する人にふんどしをプレゼントする日です!」と声高に喧伝し続けている。また、同協会によると、これに伴い3月14日は必然的に「ふんどし返しの日」になるという。

advertisement

 しかし、残念ながら現状世の中では、ふんどしはメジャーな衣類とは言い難い。チョコレートのおいしさは誰もが知っていても、ふんどしの良さを知っている人はおそらくほとんどいないだろう。これは、“愛する人に贈るプレゼント”としては少々問題なのではないだろうか。ふんどしが良いものなのかどうなのかも知らずに無責任に贈るとは由々しき事態。ならばだ。2月14日の「ふんどしの日」に先立って、ふんどしの着心地を体感してみるべきではないだろうか。こうして、3日間に渡る私のふんどし生活が始まった。

ふんどし生活初日。ふんどし履いてスタバへ

 1日目。ネットショップで購入した女性用の「越中ふんどし」を開封。


画像 これからこれを履きます(真顔)

 紐を結んで布を紐にくぐらせて、布の折れた部分を微調整して……、普段2秒で履ける下着と比べて、なんとも時間のかかることか。ありていに言うと、面倒くさい。

 履き終わり、朝ご飯を済ませた私は、とりあえずスタバへ向かった。せっかくふんどしを着用しているからには、ふんどしが似つかわしくなさそうな場所へ行きたかったのだ。


画像 おしゃれなノマドワーカーを気取っていますが、履いているのはふんどしです

 普段スタバで仕事など滅多にしないが、何しろ今日はふんどし生活の初日。おしゃれにふんどしを履きこなした気持ちになって1日を過ごしたい。履き心地としては、スースーしてなんとなく心許ない気がするが、仕事は問題なく終わった。ふんどしの履き心地が気になって気になって仕事どころじゃない、といったことは特にない。

ふんどし生活2日目。「ふんどしの日フェア」に行ってみた

 2日目。昨日、強いて言えばふんどしを履いたときに少し気になったのが、「越中ふんどし」の前に垂れている布の部分。いわゆる“ふんどし”を想像するときにイメージする、あの前掛けのような布だ。あれがタイツの中でクシャッとなるため、生活する上で少し気が散ると言えば散る。おそらく、男性がふんどしの上からジーンズ等を履いたときも、同様の悩みを抱くことだろう。そこでこの日は、よりよいふんどしを求めて、期間限定の「ふんどしの日フェア」へ行ってみた。新宿の小田急百貨店2階にて、2月18日まで開催されている。


画像 小田急百貨店2階「ふんどしの日フェア」

 そこで店員さんから勧められたのが、「もっこふんどし」。前掛けのような部分がないふんどしである。あの前掛け的なものがないと、せっかくの“ふんどし感”が減るような気がしてならないが、背に腹は代えられない。店員さんの「普段使いにどうぞ」との言葉を信じて、「もっこふんどし」を購入してみた。


画像 これが「もっこふんどし」

 ちなみに、購入者は女性が多いらしく、それも男性へのプレゼント用がほとんどだという。やはり「ふんどしの日」の影響で? と問うと、「ふんどしの日のことを知らずに買って行かれる方が多いですね。単に、バレンタインのギフトとして」(店員さん)だそう。「ふんどしの日」という口実も無しにバレンタインに突然ふんどしを贈るのは相当勇気が要ると思うのだが……。世の中は不思議なことでいっぱいだ。


画像 チョコもいいけど、ふんどしもいいよね!

 フェアはほかにも、芸能人の誰さん愛用のふんどしだの、ふんどし界の自己啓発書のようなものだの、あらゆる角度からふんどしの魅力を伝えようとしてくる。


画像画像 「天野ひろゆき愛用のふんどし」というまあまあ要らない情報に詳しくなれる

 さらには、いったいなんのためにあるのか、顔はめパネルに、ふんどしのガチャガチャまで。


画像 顔はめしてみた

画像 「絶対に負けられない」と書かれたミニふんどしをゲット

 ちょっとした、ふんどしのテーマパークのようだった。

ふんどし生活最終日。“ふんどしの聖地”へ向かう

 3日目。ふんどしにも慣れてきた。このふんどし生活の集大成として、あそこに行こうと思う。ふんどしを普段から愛用している力士たちの聖地・両国国技館へ。力士たちの身に付けている“まわし”も、ふんどしの一種なのである。私がふんどし生活の初日に履いた「越中ふんどし」、2日目に購入した「もっこふんどし」、そして相撲で有名な「まわし」、これらの総称が「ふんどし」なのだ。この3日間で、すっかりふんどしに詳しくなってしまった。なお、今日は昨日手に入れた「もっこふんどし」を着用。形も履き心地も、普通の下着と大差ない。なるほどこれなら難なく普段使いできそうだ。


画像画像 着いた。駅のホームから見えるあれがふんどしのサンクチュアリだ

 ふんどしを3日も履けば、だいぶ板についてくる。せっかくのこの状態で相撲の1つや2つ、観戦できればよかったのだが……。よく考えたら2月は相撲、やってなかった。嗚呼。締まらない。


画像 ふんどし履いて相撲観たかったな

 で、結局、そもそもの目的だった“ふんどしの良さ”とはどこにあるのか。意外だったのが、ふんどしのイメージ的に、履くと豪快な気分になるのかと思いきや、実際は真逆だった。日中ふんどしの紐がうっかりほどけたら困るため、普段よりも動きがしとやかになったのだ。健康面では、ゴムの締め付けがない分、使っているうちに血流が良くなるという。紳士淑女のしとやかな振る舞いになれるばかりか、健康にも良いふんどし。贈り物としては申し分ないと言えるのではなかろうか。かくして、百点満点の結論とともに、私のふんどし生活は幕を閉じた。

advertisement

 とはいえ。最後にこの3日間を台無しにする一言を添えるとしたら、いくらふんどしが魅力的な商品であるといえど、チョコよりもふんどしを贈られるほうがうれしい人は、そうそういないだろう。なにしろ、チョコである。相手が悪すぎる。2月14日が「愛する人にふんどしをプレゼントする日」に成り代わられることは、きっと無い。この地球が続く限り(たぶん)。

朝井麻由美(@moyomoyomoyo)。フリーライター・編集者・コラムニスト。ジャンルは、女子カルチャー/サブカルチャーなど。ROLa、日刊サイゾー、マイナビ、COLOR、ぐるなび、等コラム連載多数。一風変わったスポットに潜入&体験する体当たり取材が得意。近著に『ひとりっ子の頭ん中』(KADOKAWA中経出版)。構成書籍に『女子校ルール』(中経出版)。ゲーム音楽と人狼とコスプレが好き。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/29/news087.jpg 皇后さま、服から靴まで「ロイヤルブルー」 天皇陛下のネクタイとの“おそろいコーデ”
  2. /nl/articles/2503/29/news054.jpg 「全てが完璧」 無印良品の“1990円バッグ”に称賛続出 「やっぱりこれ」「文句なし」「使い勝手抜群」
  3. /nl/articles/2503/27/news056.jpg 福袋に入ってた“定価3万円”の高級魚を大事に育てたら…… 「やりやがったな」涙する結果に「すごい」「ほんと感動」
  4. /nl/articles/2503/28/news058.jpg 「昔はかなりモテた」と話す母→ウソかと思いきや…… 100万再生された“当時の姿”に娘も驚き「なんてこった!!」【海外】
  5. /nl/articles/2503/29/news026.jpg 養子に迎えた娘を溺愛していたお父さん、その26年後には…… まさかの展開に感動の声 「泣いた」「美しすぎる」【米】
  6. /nl/articles/2503/25/news065.jpg パパに抱っこされる娘→30年後…… 同じポーズで撮影した“現在の姿”に驚き「私もお父さんが恋しくなった」【海外】
  7. /nl/articles/2503/29/news066.jpg 「この値段では考えられない」 ワークマンの新作“1900円アウター”が品切れ続出の反響ぶり 「コスパ良し!」
  8. /nl/articles/2503/29/news067.jpg 「こんな安くていいのか」 ワークマン新作“1500円パンツ”が売り切れラッシュの大人気 「何の文句もない」
  9. /nl/articles/2503/27/news039.jpg 【着物】たんすに眠っていた帯→“斜め上の発想”でリメイク 完成したアイテムに「何て素敵なんでしょ」「挑戦してみます」
  10. /nl/articles/2503/28/news169.jpg “有吉弘行も大ファン”の「伝説の女装愛好家」が死去 亡くなる2日前に「志半ばにして逝きますが燃え尽きる思い」とメッセージ
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  2. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  3. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  4. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが550万再生「凄すぎて笑うしかないw」「チーズが、、、」 話題になった作者に話を聞いた
  5. ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
  6. ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
  7. 水族館のイカに“指でハート”をしてみたら… “まさかのお返し”が190万表示「こ、こんなことあるのか」
  8. 「ひどすぎ」 東京ディズニーランドで“約100人のドジャースファン”が一斉に“迷惑行為” 「やめてほしい」と物議
  9. 19万8000円で購入した超高級魚を、4年間育てたら…… ド肝を抜く“大変化”に「どんどん色が」「すごい」
  10. 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に