盆栽ティラミスに苔パフェ 「盆栽カフェ」で“わび・さび”を堪能してきた
ティラミスの上でカイワレが芽吹いているぞ。
渋谷で今、“盆栽”が食べられる。東急ハンズで期間限定オープン中の「BONSAI CAFE(盆栽カフェ)」のメニューである。苔や土をイメージしたスイーツを、スコップのような形のスプーンでザクザク掘り、“わび・さび”を感じながら食べるのだという。それだけでは何がわびさびなんだかよく分からないが、さっそく食べに行ってみた。
注文したのは、「BONSAI ティラミス 〜芽吹き〜」(490円)、「苔 〜BONSAI〜 パフェ」(490円)、「抹茶ラテ 〜BONSAI〜」(480円)の3つ。
まずはティラミス。植木鉢のような容器の真ん中で芽吹いているのは、なんとカイワレだ。
近くで見ると、どう見ても土。
表面の土は、砕いたオレオクッキーが使われており、スコップスプーンで掘り進めていくと、クリームやチョコレートスポンジが出現する。味はあっさり甘さ控えめ。甘すぎず、重すぎず、主張しすぎず。わびさびである。
そして、苔パフェ。こちらは想像した以上に苔だった。パフェというより、苔。
近くで見ると……、苔だ!
苔の部分は抹茶のスポンジを細かくしてふりかけられている。スプーンを入れると、粉雪のようにふわふわさらさら崩れてゆく。雑に手を動かして食べ始めたため、堂々たる苔然とした表面はあっけなく崩壊してしまった。表面がさらさらしすぎていて少々食べにくい、という感想を抱いたのだが、要はしとやかにスプーンを動かさねばならないということだ。わびさびである。ちなみに、中身はあずきや栗入りの抹茶プリンになっている。
盆栽ティラミスと苔パフェと比べたら、やや派手さに欠けるが、抹茶ラテには盆栽のラテアートが施されている。埼玉の大宮盆栽美術館にある「五葉松 銘 千代の松」をかたどっているらしい。
もちろんカフェ内で楽しめるのは、盆栽スイーツだけではない。盆栽に詳しくなれるパネルが店内のそこかしこに展示され、ミニチュア盆栽なんかもある。
実際に購入できる盆栽コーナーを覗くと、寒くて葉をつけていない慎ましやかな盆栽が並んでいた。
中でも、ひときわ目を惹いたのは、苔盆栽。
先ほど食べた苔パフェと比べてみると、わりと一致。
赤や黄色などの華やかな色味は一切なく、懸命に土や苔の擬態をするスイーツ。そして東急ハンズの通常の商品に混じってさりげなく置かれている盆栽グッズ。実にわびさびな盆栽カフェなのであった。開催は2015年4月5日まで。日本のわびさびがそこにある。
朝井麻由美(@moyomoyomoyo)。フリーライター・編集者・コラムニスト。ジャンルは、女子カルチャー/サブカルチャーなど。ROLa、日刊サイゾー、マイナビ、COLOR、ぐるなび、等コラム連載多数。一風変わったスポットに潜入&体験する体当たり取材が得意。近著に『ひとりっ子の頭ん中』(KADOKAWA中経出版)。構成書籍に『女子校ルール』(中経出版)。ゲーム音楽と人狼とコスプレが好き。
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盆栽の聖地・大宮がご当地サイダー「大宮盆栽だー!!」を発表。盆栽の持つ「素朴さ」と「純粋さ」を“味”で表現したという。
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