キレイな花なのに、なぜこの名前? 植物につけられた名前の不思議
きれいな花なのに「オオイヌノフグリ」、地味なのに「ヒメオドリコソウ」……名付けの理由は?
陽あしは伸びてきて、花の季節にもあともう少し。そんな頃に街中の道端や野原でもよく見られる代表的な野草、オオイヌノフグリは、目の醒めるような濃い瑠璃色の花が印象的です。早春から初夏にかけて、空き地の陽だまりなどに群生して青い星のような花が咲かせます。こんなきれいな花をめぐって、愛好家達は積年のバトルをくりひろげてきたのです。
こんな名前はふさわしくない? 名づけをめぐってバトル勃発
原因はその名前。「オオイヌノフグリ」の「フグリ」とは、陰嚢の古語なのです。「こんなにきれいな花なのにひどい!」「名前を呼ぶのが恥ずかしい!」「子供に意味を教えにくい!」という声が多数上がり、「もっとふさわしい名前にしよう」と改名運動が起きたのです。
名前の由来はといえば、明治の中ごろ東京御茶ノ水で植物学者牧野富太郎博士が自生しているのを発見した帰化植物で、日本の在来種イヌノフグリと同じ種で大型の花をつけるので「オオイヌノフグリ」と命名されました。在来種イヌノフグリはといえば、実が犬の陰嚢に似ているからなのですが、オオイヌノフグリの実はそれほど似ているわけではないので改名派はなおのこと気に入らない。
実際「星の瞳」「天人唐草」などの別名もあり、そちらを積極的に普及させよう! というわけです。けれども、かたや改名に反対する声も多く、「味わい深い名前だしふさわしいと思う」「星の瞳とかの方が恥ずかしい」という意見があり、かなり激しい争いが続いてきたのです。
結局この論争は決着がついていないのですが、未だにほとんどの場合オオイヌノフグリと呼ばれていて、改名運動は不発のようです。
多分、春の野原ののどかな空気には、このちょっととぼけた名前のほうがぴったりくるからでしょうか。
さて、それとは逆に、とてもかわいらしく詩的な名前をもらったヒメオドリコソウ。どんなにきれいな花なのでしょうか。
キラキラネームの地味な奴
「ヒメオドリコソウ」と聞いて、皆さんはどんな花を思い浮かべますか?
さぞかわいらしいメルヘンチックなイメージが浮かぶのでは。何しろ「姫」で「踊り子」。きらきらです。さっそくさがしてみましょう。
よく目立つオオイヌノフグリを見つけたら、近づいてよく周囲をながめてみてください。たいていすぐそばに交じり合うように、くすんだ苔のような葉色で薄いピンクの小さな花をつけた野草が見つかるはずです。それがヒメオドリコソウ。でもぱっと見、小指の爪ほどの小さな葉はしょんぼりしたように縮こまり、花も豆粒のように地味で、とても踊り子のようには見えません。なぜこれがこんな名前に?
実はこの花も帰化植物なのですが、同じシソ科でGWごろに咲く在来種のオドリコソウに似ていて、ずっと小型なので「姫」と名づけられたのです。本家のオドリコソウの方はすそをなびかせて踊るように見える華やかな野草ですが、ヒメの方は、「滅相もございません」とでも言いたいように申し訳なさげです。多くの人は名前から連想したイメージと違ってがっかりしてしまうかも。でも、日当たりや養分などの環境がいい場所では大きく葉を張って茎を伸ばし、なるほど小ぶりなオドリコソウだなと思わせる姿を見せることもあるのです。
植物の名前は情報の宝庫
現代人は植物というと花にばかり注目しがちですが、植物との関わりが深かった昔の人は、花だけではなく実や葉、根や効能や味、振る舞いなど色々なものを観察して豊かな想像力で名をつけています。
最初はぴんと来なくてもその植物をよく知るようになると、なるほどそれでこういう名前なんだ、と腑に落ちることが多くあるのです。
詩的だったり、グロテスクだったりユーモラスだったり、面白い名前の植物はまだまだ沢山ありますよ。
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