ニュース
» 2015年05月23日 11時30分 公開

セガールは水戸黄門? 放送時間が拡大した「午後のロードショー」、その番組構成の工夫を聞いてみた

熱狂的なファンも多い番組です。

[チナスキー,ねとらぼ]

 今年4月でめでたく20年目突入となり、「木曜日は“巨大生物”!!」「今月のセガール!!!」といった独自の特集で、話題と人気を集めるテレビ東京系「午後のロードショー」(午後ロー)。20年目となったのを記念し(?)、4月からは毎週月〜木曜に加え金曜日の放送も開始となり、現在、平日は毎日「午後ロー」の世界へ浸れることになっている。奇想天外なパニックムービーから時に良質なドラマ作品まで、その世界はいかに作られているのか。番組を手掛けるテレビ東京「午後のロードショー」プロデューサー・夏目健太郎さんに聞いた。


画像画像 プロデューサー・夏目さん(写真左)/マッドマックス (C) Warner Bros. Entertainment, Inc.

 夏目さんが「午後ロー」担当になったのは2009年7月、間もなく就任6年となるが、最初は苦戦が続いたと振り返る。

「以前は海外ドラマをやっていて、BSジャパンの中国ドラマだったり韓流ドラマの購入と放送を担当していました。『午後のロードショー』では担当になった当初から色を出して、月・火・水あるいは月から木での特集っていうのを毎週作ってそれを2年近く続けたんです。そういうくくりを作れば、視聴者にイメージしてもらって映画自体に入りやすいかなと思って。それまで特集は月に1、2回だったのを毎週特集を組んでやったんですけど、ちょっと組み過ぎたのか(苦笑)、スペシャル感が出なくなったり、アピールや差別化という意味では機能しなかったみたいで。そこで方向を切り替え直して、今やってる曜日での特集(「木曜日は○○」など)を2012年の4月から始めました」(夏目)


画像画像画像 マッドマックス2 (c) Warner Bros. Entertainment, Inc./アルマゲドン2011 (c)2009 Meteor Storm Productions Ltd/マッドマックス サンダードーム (c) Warner Bros. Entertainment, Inc.

 14年10月以降の6カ月間を振り返っても、「10月の木曜日は“筋肉”!!」「11月の木曜日は“ランボー”!!」「12月の木曜日は“バッド・クリスマス!!”」「1月の木曜日は“オオカミ”!?」「2月の木曜日は“S・キング”!!」「3月の木曜日は“ワニ”!!」と、思わず食指が動く(チャンネルを合わせたくなる)魅惑の特集が並んでいる。はたしてこれらの特集はどのように考えられているのだろう。

「サメ特集だったりワニ特集っていうのは意図して集めましたけど、あとは購入できる作品のリストをジッと見て、何ができるか、どんなくくりができるかなって考えて作るのが半分ぐらいです。例えば『激突』(スピルバーグの初監督作)を使いたい、放送で盛り上げたいっていう形で、『激突』は追いかけ回される映画なので同じように追いかけ回される映画ってどれがあるだろうってリストをにらんで、その中から『“逃げろ”!!』(14年5月)っていう特集を発想したり。そうやって組んでいく特集が半数以上です」(夏目)

 こうした特集の好評・好調さが、春から始まった金曜日の放送にも繋がった訳だが、過去には、「コマンドー」(13年8月)の放送がネットで盛り上がりを見せるなど、編成する側が意図していなかった現象も起きている。これに関し夏目さんは次のように言う。

「なんかスゴいですよね。よく分かっていない部分はあるんですけど、『(天空の城)ラピュタ』の言葉みたいな感じで、熱狂的なファンを中心にインターネットで同時進行で中継されて楽しまれてるよっていう話を聞いて、やっぱりそうやって映画の中でもカリスマを持った作品があるんだよなって思いました。今度6月にやる『マッド・マックス』もそうですし。でも、ファンから愛されて、映画として考えたらすごく幸せなことだし、担当としても胸が温かくなるような気持ちになりました」(夏目)


画像画像 DENGEKI 電撃 (c) Warner Bros. Entertainment, Inc./デイアフター2020・首都大凍結・前編 (c)2010 Pure Films Limited and Ice Features Limited

 放送時間が会社や学校のある平日午後の1時35分からということもあり、最もターゲットとしているのは「男性の高齢者」。毎週の特集から曜日での特集へと切り替え、試行錯誤を繰り返す中でパニックものや巨大生物ものが好まれ、反対にコメディやドラマ系の作品は反響が少ないといった傾向も見えてきたという。そして気になっていた「今月のセガール!!!」として定期的に放送され、「午後ロー」イチオシであるスティーブン・セガールについても聞いてみた。

「セガール作品は前から結構やっていて、こちらもカリスマ性があるというか、強いし絶対負けない、ある意味『水戸黄門』なのかもしれないです。そういうところで人気はあったんですけど、多用し過ぎて数字が下降気味になった時がありまして。それでセガールを放送するのをちょっと様子を見た時期がありました。でも、その後で放送を再開したら、また視聴者が観てくれるようになって、これはあんまり特集でやるものじゃなく(笑)、月に1本ずつでいいんじゃないか、そうすれば嫌いな人でも何となく観てくれるし、ファンの人も毎月の楽しみにしてくれてエアチェックもしやすいかなって考えて、14年の1月から『今月のセガール!!!』を始めたんです」(夏目)

 やたら作品名に「沈黙〜」が付いたり、何かとツッコミどころの多いセガールだが、そんなセガールを夏目さんは「ある意味“愛されキャラ”なんだと思います」と言う。完全無比ではないけれど、それがゆえに愛される。これは何だか、「午後ロー」にも通じて思われる。

「最近はテレビも規制が強まったり、世の中にも大らかさが無くなってきている気がしますが、映画は映画として、娯楽なのでリラックスして大らかに楽しんでほしいと担当としては思います」(夏目)

 地上波映画放送の守り神である「午後ロー」に敬意を表しつつ、平日昼下がりはテレビ東京にチャンネルを合わせるべし!

(チナスキー)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10

  1. 鳥取砂丘から古い「ファンタグレープ」の空き缶が出土 → 情報を募った結果とても貴重なものと判明 ファンタ公式も反応
  2. 「モンストのせいで彼氏と別れました」→ 運営からの回答が“神対応”と反響 思いやりに満ちた言葉に「強く生きようと思う」と前向きに
  3. 「この抜き型、何ですか……?」 家で見つけた“謎のディズニーグッズ”にさまざまな推察、そして意外な正体が判明
  4. 人間に助けを求めてきた母犬、外を探すと…… びしょ濡れになったうまれたての子犬たちを保護
  5. 幼なじみと5年ぶりに再会したら…… 陸上選手から人間ではない何かに変わっていく姿を見てしまう漫画が切ない
  6. ブルボンの“公式擬人化”ついにラスト「ホワイトロリータ」公開 イメージ通り過ぎて満点のデザイン
  7. 「幸せな風景すぎて涙出ました」 じいちゃんの台車に乗って散歩するワンコのほのぼのとした関係に癒やされる
  8. 「遺伝ってすごい」「足長っ!」 仲村トオルの“美人娘”ミオがデビュー、両親譲りのスタイルに驚きの声
  9. 猫「飼い主、大丈夫か……?」 毎日の“お風呂の見守り”を欠かさない3匹の猫ちゃんたちがかわいい
  10. 天才科学者2人が最強最高のロボを作成するが…… 高性能過ぎて2人の秘密がバラされちゃう漫画に頬が緩む

先月の総合アクセスTOP10

  1. 「訃報」「愛猫」「手風琴」って読める? 常用漢字表に掲載されている“難読漢字”
  2. 痩せたらこんなに変わるのか 丸山桂里奈、現役時代の姿が別人過ぎて「誰かわからん」の声殺到
  3. 保護した子ネコに「寂しくないように」とあげたヌイグルミ お留守番後に見せた子ネコの姿に涙が出る
  4. セーラーサターンの変身シーン、四半世紀を経てアニメ初公開にネット湧く 「ついに公式が」「感謝しかない」
  5. 「髪型体型全て違う」 丸山桂里奈、引退直後のセルフ写真にツッコミ 4年前のスレンダーな姿に「今も輝いててかわいい」の声も
  6. 鳥取砂丘から古い「ファンタグレープ」の空き缶が出土 → 情報を募った結果とても貴重なものと判明 ファンタ公式も反応
  7. 「マジで助けてくれ」 試験中止で教授に“リスのさんすうノート”を提出することになった大学生に爆笑
  8. 「140秒とは思えない満足感」「なぜこれだけの傑作が埋もれているのか」 崩壊した日本を旅する“最後の動画配信者”のショートフィルムが話題
  9. 「化粧! 今すぐ落としてこい!」 男性教師に怒鳴られる生徒をかばう女性教師を描いた漫画に納得と感謝の声
  10. 畠山愛理、いま着たらピチピチなレオタードを公開 「とんでもなく可愛い」「見惚れてしまいました」と反響