ギャルブーム時代にタイムスリップしたみたい!? ガングロ店員だらけのガングロカフェに行ってきた

絶滅したかと思われたガングロギャルはまだ存在していた!

» 2015年06月01日 11時00分 公開
[姫野ケイねとらぼ]

 1990年代後半に姿を現したガングロギャル。顔や体を黒く焼き、金髪や蛍光色などの髪色に、濃いメイクを施した、一般人からするとギョッとするような風貌のギャルたちだ。そんなガングロギャルたちは既に絶滅したと思っている方も多いだろう。しかし、今でも生き残りのガングロギャルが存在しており、しかもガングロギャルが接客するガングロカフェなるものが今年の1月にオープンしたそうだ。天然記念物級のガングロギャルを見に行くしかない!

 ギャルの聖地、渋谷駅から徒歩10分ほど。渋谷109の前を通り過ぎ、ひたすら歩いた先の雑居ビルの一室がガングロカフェだ。

ビルの5階にある。英語の案内板も

 エレベーターで5階に上がると、黒い扉に「CAFE&BAR GANGURO」の張り紙が。おそるおそる扉を開けてみる。

 う、うぉお。ガングロギャルのみなさんがお出迎え! 肌は黒、大きく盛られた髪の毛や服は蛍光色。目がくらくらするような配色のギャルたちだ。

頭にトラついてる子いるんですけど……

 普通に生活していれば関わらないであろうガングロギャルたちに囲まれ、一瞬、自分がどこにいるのかが分からなくなった。そうだった、ここはガングロカフェだ。ガングロギャルたちに案内され、席に着いて飲み物をオーダーする。

 普段は3〜4で店を回しているそうだが、この日は取材のために7人ものガングロギャルが集まってくれた。実は記者はヴィジュアル系バンドが好きで、バンドマンのカラフルな色の髪の毛は見慣れているので、ギャルたちの髪の毛にはまだ耐性があった。しかし、彼女たちのネイルには驚きを隠せず、会って最初に突っ込んでしまった。ぐでたまとペコちゃんを爪の先に載せているのはえりもっこりちゃん。指を動かすたびにカチャカチャ音がする。これで殴られたら超痛そう。

 漫画やアニメが大好きだというあゆたま。ちゃんは痛ネイル。「東京喰種」「神様はじめました」というアニメのキャラでネイルを飾っていた。長さは15センチはありそうで、もはや武器の域だ。

あゆたま。ちゃんは、中学2年生で漢字検定1級に合格したギャルとして最近テレビで話題になった
他の子たちのネイルもすごい

 日常生活を全て放棄したようなネイルだが、どうやって生活しているのだろうか。

記者 そのネイルでカラコンはどうやってつけるの?

ガングロギャル えっ、こうやって(指の腹を押し付けるような仕草)

記者 頭はどうやって洗うの?

ガングロギャル エクステの間をぬうようにして指を入れる!

記者 ……

 どうやら、主に指の腹を使って生活をしているようだが、慣れていない一般人がこのネイルで日常生活を送るのは訓練を必要としそうだ。記者もネイルをして行ったのだが、ギャルたちに比べるとはるかに地味。それに対して「お姉さんのネイル、超清潔感がある〜!」という感想が。基本的にネイルは男性ウケや年配の方ウケもあまりよろしくないし、清潔感があると言われたのも初めてだったので、ギャルたちとの感覚に違いに驚いた。

地味にしか見えない記者のネイル

 飲み物は頼んだし、ここはフードも頼んでおこう。メニューにはみそ汁やおにぎり、だんごなど、カフェらしくないメニューもある。これらは、外国人のお客さんウケを狙ったメニューとのこと。

メニューは日本語版と英語メニューがある

 「最近、日本の漫画やアニメ、きゃりーぱみゅぱみゅさんのようなファッションといったカワイイ文化が外国でも人気です。ガングロギャルも外国人の方からすると衝撃的でして、外国人のお客様もみえます。カワイイ文化のように、ギャル文化も外国で人気になってほしいですね」そう語ってくれたのは、ガングロカフェを運営するシエヴァの浅野毅さん。 

 一番の人気メニューはガングロボール(600円)。注文してみると、このみちゃんとぽみたんちゃんがカウンターに立ち、何やら準備を始めた。

左:ぽみたんちゃん 右:このみちゃん

 このみちゃんがかき混ぜているボールの中には、生コンのようなグレーの液体が……。一体何ができあがるのだろう。

 たこ焼き器にグレーの液体を注ぎ、慣れた手つきで調理を進める2人。だんだんといい匂いが漂ってきた。完成したのは、ガングロの肌の色をイメージしたイカスミ入りたこ焼きのガングロボール。具はタコではなくウィンナーとチーズだ。真っ黒いボールにケチャップとマヨネーズの赤と白が際立つ。果たしてお味はいかがだろうか。

 口に入れると、ウィンナーとチーズの香ばしい香りが広がった。意外とイカスミの味がしないと思ったところ、後からうっすらとイカスミの風味がやってきた。ちょっと不気味なビジュアルだが、お酒のおつまみにもよさそうだ。

 ガングロボールを食べながら、彼女たちがなぜガングロギャルになったのかを聞いてみた。漫画が大好きなあゆたまちゃんは、1998年から2002年まで「りぼん」で連載されていた藤井みほなさんの漫画「GALS!」を読んでギャルに憧れたという。このみちゃんは外国人が好きで、外国人のファッションを真似しているうちにガングロギャルにたどり着いたのだとか。頭にトラをくっつけているみゆぴょんちゃんは、地黒のコンプレックスがあったものの、ガングロに出会い、コンプレックスをファッションとして楽しむようになったそうだ。みんな、週1〜3回の頻度で日焼けサロンに通っているという。

 ここで驚いたのは、どのギャルも「シミやシワができたら嫌だから」と、顔だけは焼かず、黒いファンデーションを塗っていること。きちんと、将来のお肌のことを考えているようだ。

 ガングロカフェに出勤してくるガングロギャルたちは、Black Diamondというギャルサークルのメンバー。現在、総メンバー数は約150人。ガングロカフェに来るお客さんは、ギャル好きの男性や、ギャルに憧れる女子中高生が主だという。

 一時期は渋谷109がギャルの聖地だったが、今はギャル服ブランドも少なくなり、記者のような普通のアラサー女性でも入りやすいファッションビルになっている。この時代、ギャルたちはどこで服を買っているのかを聞くと、ネットやBlack DiamondがプロデュースするGALEOブランドのものが多く、派手なギャル服を探すのに苦労しているようだ。服探しに困ることからも分かるよう、ガングロギャルが激減しているのになぜ続けているのだろうか。

 「私は好きな格好をやっているだけ。もし、何か別に好きな格好ができたらギャルはやめると思う。一生ギャルってことはないかな。さすがに子どもができたら卒業するかも」と語るぽみたんの横で、「私、6歳の子どもいるんだけどな」とぼそっとつぶやいたのはまみぴぃちゃん。写メを見せてもらうと、まみぴぃちゃんの娘さんもしっかりチビギャルだった。

 買い物をする場所に関して話したときに「新宿とか池袋って治安が悪いよね〜」と言われ、ド派手な格好で治安について語るギャルが、一般的なギャルのイメージとはかけ離れていて面食らってしまった。「私たち、格好はこんなですけど、きちんと一般常識はあるんですよ!」とぽみたんちゃん。失礼いたしました。

 ガングロカフェでは、パラパラのショータイムもある。この日はBlack Diamondの曲を踊ってくれた。ガングロギャルによるパラパラを生で見るのは初めてだ。

それぞれのポジションにつき、ポージング

 曲がスタートすると、みんな黙々と真顔で踊り始めた。横ステップとキレのある腕の動きが特徴的だ。パラパラショーのほか、ガングロメイク体験も7000円(ドリンク・フード・おみやげ付き)で体験できる。

 ガングロブーム時代にタイムスリップしたかのように感じてしまったガングロカフェ。東京の新たな観光スポットとなるかもしれない。最後にガングロギャルたちと記念撮影。

ギャル特有の下向きポーズ。下を向くと顔があまり見えなくなるため、かえって「盛れる」写真が撮れるのだとか。

店鋪情報

CAFE&BAR GANGURO

東京都渋谷区宇田川町34-6 M&Iビル 5A

営業時間 午前11時〜午後7時

定休日 月水金


姫野ケイ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/25/news108.jpg 「ふざけてる」「作品を知らないのになぜ?」と怒りの声 マクドナルドと「HUNTER×HUNTER」コラボの“PR施策”が物議【台湾】
  2. /nl/articles/2410/26/news025.jpg 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた
  3. /nl/articles/2410/22/news162.jpg たった築8年で“ぶっ壊れた”マイホームのリアル おそろしい戸建て事情に「声出た」「我が家もそうでした」
  4. /nl/articles/2410/24/news052.jpg 大家に「好きにしていいよ」と言われて薄暗い部屋をDIY改装したら…… あまりの変貌に仰天「すっげえええ」 投稿者に話を聞いた
  5. /nl/articles/2410/25/news019.jpg 【今日の計算】「3+3÷3−3」を計算せよ
  6. /nl/articles/2410/13/news082.jpg 荒れ放題の“悪夢の庭”をたった1人で11時間掃除したら…… あっぱれすぎる働きぶりに「あなたはヒーロー」と称賛
  7. /nl/articles/2410/25/news207.jpg 一度も髪を切ったことがない女性が、髪をほどくと…… 美容師も驚がくのスーパーロングヘアに470万いいね「リアルラプンツェル!」【海外】
  8. /nl/articles/2410/26/news028.jpg 生後0日→1歳10カ月の赤ちゃん成長ビフォーアフターが衝撃の700万再生 それから2年たった現在は…… さらに驚く姿に反響
  9. /nl/articles/2410/26/news023.jpg 2歳娘が一時保育に行ってる隙に“空き巣”が…… まさかの正体に「留守を狙ったんですね」「かくほしちゃうぞ」
  10. /nl/articles/2410/23/news154.jpg 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫が、1年後…… まさかまさかの“現在”に「うわあ!よかったねえ!」「お幸せに」と100万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  3. 「Snow Man」の映像が中国で物議→公開停止 所属会社「歴史的事象に対する配慮に欠けた」と中国語と日本語で謝罪
  4. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  5. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  6. 「かわいいってこういうこと」 生後1カ月の子猫が暖をとる場所は……幸せしかない姿に「この角度から見るのが最幸」
  7. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  8. 「ボットン便所を簡易水洗にしたい」→「どれどれ……」 建設会社スタッフが驚がくした“歴史的遺物”に大反響 「相当貴重なもの」
  9. 「その手があったか!」 ほぼ卵焼きだけの弁当?→“まさかのサプライズ”が800万再生 「天才すぎて泣いた」
  10. 飛行機で傷口が感染し「身体の一部を切除」 133万フォロワーの元アイドル「痛みで涙が止まらない」悲痛の現状報告
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声