舞台「死刑執行中脱獄進行中」キービジュアル公開 重なる森山未來で永遠の恐怖や荒木飛呂彦ワールドを表現

構成では荒木さんのほかの短編「ドルチ」の要素も織り交ぜるとのこと。

» 2015年08月13日 12時18分 公開
[ねとらぼ]

 森山未來さん主演での舞台化が5月に発表された、マンガ家・荒木飛呂彦さんの短編「死刑執行中脱獄進行中」(関連記事)。このたび公演のキービジュアルとともに、作品概要やスタッフ、日程や会場など詳細が公開されました。

画像 舞台「死刑執行中脱獄進行中」キービジュアル

 「死刑執行中脱獄進行中」は1995年に「スーパージャンプ」に掲載され、1999年発売の同タイトルの短編集に収録された読み切り作品。今回の舞台は荒木さんの許諾を得た上で、「死刑宣告を受けた男が監獄からの逃避行を試みるサスペンス」というプロットを下敷きに、同じ短編集の収録作「ドルチ 〜ダイ・ハード・ザ・キャット〜」の要素を織り交ぜた構成となります。構成・演出・振付は劇団「冨士山アネット」の長谷川寧さんです。

画像 原作:「死刑執行中脱獄進行中」荒木飛呂彦(集英社文庫<コミック版>刊)(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS

 キービジュアルは、森山さんの複数の写真が合わせ鏡のように奥へと重なり続いていく奇妙なデザイン。作成にあたっては、長谷川さんが舞台の衣装プランナーやフライヤー制作チームと「死刑と脱獄、繰り返される現象と感情の描写」といったイメージで話し合い、永遠に続くかのような恐怖を、ビジュアルの繰り返しと奥行きで表現したとのこと。配色やバランスも荒木飛呂彦作品の世界観を意識したそうです。森山さん本人も、肉体のつながり方などビジュアルの加工についてアイデアを出しました。

 日程は11月20日〜29日に「天王洲 銀河劇場」(東京都品川区)で公演した後、12月に仙台・広島・札幌・富山・大阪を周る全国ツアーを実施。チケットは8月12日よりぴあで、13日より劇場で抽選先行販売を行い、9月12日より一般販売がスタート。荒木さんも「作品が舞台化されるのは初めてなので、予測できない期待感と楽しみがあります」とコメントを寄せています。

森山未來コメント

画像 森山未來さん

 荒木飛呂彦さんの持つ唯一無二の様式美を、身体、テキスト、音楽、照明、映像、衣装など、現代の舞台芸術が持ち得るかぎりの要素を総動員して、演出家、ダンサーをはじめとする素敵なクリエイター達と有機的に具現化していくつもりです。この舞台が演劇なのか、ダンスパフォーマンスなのか、ジャンルレスなインスタレーションなのか。それは観劇後のあなたの選択にお委ねします。

長谷川寧コメント

画像 長谷川寧さん

 “荒木飛呂彦”と言えば、私達世代はリアルタイムで[ジョジョの奇妙な冒険]と隣り合わせで生きていたと言っても過言ではない。其処から派生し、過去作品を読むに付け、徹底して描かれている「賢明さ至上主義」ともいうべき思想に惹かれていた。

 そんな中今回、作品を上演させて頂く機会を得た。だが荒木飛呂彦作品を舞台化するにはある種の超越が必須。この作品を舞台化するに辺り、どうすれば良いか。

 まず原作の短編集の中の表題[死刑執行中脱獄進行中]に於ける、主人公が監獄の中で処刑されて行くというミニマルな状況、このサスペンスに焦点を当て箱庭的な世界を多角的に表現したい、と考えた。舞台化に於いてはある種、突出したアナログさやある種のプリミティブさを身体の中に取入れて行く事が必要だ。そこで初めて荒木作品に於けるあの感覚・身体性を宿せる、と考えている。

 更にその上で、この短編集が持つ極限状況をより凝縮する為、本作の短編[ドルチ 〜ダイ・ハード・ザ・キャット〜]を織込んだ。この2つの世界観を敢えて織込む事で、この短編集の持つ世界観の足掛かりとした。

 荒木飛呂彦作品では、“人間讃歌”をテーマに登場人物達はいずれも生に執着を持つ。その生きる力を媒介に、この作品を強靭な身体を用いて立上げたいと考えている。

 そして“男”を演じて貰うにあたり、森山未來に話をした。彼は今映像でも活躍している俳優の中でも、身体能力・表現共に群を抜いた俳優の一人だと思う。彼ならば一見突飛の無いこの舞台化作品に肉体を持ってリアリティを付加出来ると考えている。

 パフォーマー、そして多彩なクリエイター陣と共に、私達にしか出来ない現在の表現として作品に昇華させていければと考えています。周囲の環境を捻じ曲げ、時空をも歪め、その超越に手を伸ばす。そんな作品です。願わくばこれを持って国内外何処にでも、世界で戦える作品づくりを目指しています。

公演概要

原作

荒木飛呂彦/短編集「死刑執行中脱獄進行中」(集英社)

スタッフ

構成・演出・振付:長谷川寧(冨士山アネット)

共同振付:森山未來

音楽監督:蔡 忠浩(bonobos)

衣裳:山本亜須香(FUGAHUM)

美術:杉山 至

照明:奥田賢太(colore)

音響:天野高志

演出助手:河内 崇、矢本翼子

振付助手:高谷 楓、傳川光留

舞台監督:谷澤拓巳、高橋大輔

宣伝アートディレクション:三嶋章義

宣伝写真:生井秀樹

宣伝美術:太田 創

出演

森山未來、いいむろなおき、江戸川萬時、大宮大奨、笹本龍史、宮河愛一郎、森川弘和、and more

演奏

蔡 忠浩、吉田省念、田中佑司

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた