イギリスで26歳の性転換女性が男性刑務所へ収監 女性刑務所へ送るためのネット署名が10万件以上集まる

性転換女性が男性刑務所に送られると性的暴力を受ける確率が13倍に上がる研究例もあるとのこと。

» 2015年10月30日 14時30分 公開
[黒木 貴啓ねとらぼ]

 男性から女性へ性転換した26歳イギリス人が男性刑務所へ収監されたことについて、彼女を女性刑務所へ送るための署名活動が、10月27日よりインターネット署名サイト「Change.org」で展開されています


 収監されたのはメーキャップアーティストとして活動するタラ・ハドソンさん。英国バースで大人になってからの人生すべてを女性として過ごしており、性転換の診察も6年受け続けています。英国紙「Mail Online」によると、タラさんはバーで暴行事件を起こしたことで懲役12週間の刑に。しかしパスポートでまだ法律上は男性であることが確認されたため、英国ブリストルにある男性刑務所へ送られました。

性転換 タラさんの収監を報じる「Mail Online」記事

 Change.orgではタラさんの母親の許可のもと、署名ページ「女性に性転換したタラ・ハドソンがブリストルの男性刑務所に送られているのを止めよう」をバース在住のCeri Caramélさんが作成。バースの治安判事と英国の司法制度に対し、タラさんが女性刑務所に送られる内容へ判決を修正するよう呼びかけるため、署名を募っています。

 性転換女性が男性刑務所に送られた場合、性的暴力を受ける可能性が13倍になるという研究例や、彼女がホルモン治療やうつ病治療を受けていることなど、ページ説明ではタラさんの状況の危険性を示すポイントを列挙。「この判決は彼女の人権の侵害であり、虐待や性的暴力、最悪には死の危険に彼女をさらすものだと考えています」と訴えています。

 署名は目標の15万件に対し、3日間で約12万件集まっています。Mail Onlineによると刑務所の担当者はタラさんの収監について、「犯罪者は法律上の性別にしたがって収監する方針を長くとっています。しかし刑務所のガイドラインにも裁量の余地はあり、そうなったときは対象者の感情を良好的に保護するため、彼女のいる環境を医療専門家によく調べてもらうことになるでしょう」とコメントしているそうです。

黒木貴啓


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