エンブレム最終候補作の見せ方は不適切? 旧審査委の平野氏「A案ありきのプレゼンテーション」と分析
どういうことなの?
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は4月8日に発表した五輪エンブレムの最終候補4作品について、白紙撤回となった旧エンブレムの審査委員を務めたグラフィックデザイナーの平野敬子氏が自身のブログで、「『A案』ありきのプレゼンテーション」だと指摘している。
公開された4つのデザイン案を見て「デザインの特徴から『A案』と『BCD案』という1対3の構図に見えました。4案の中で1案を選ぶという方法論において、先頭に配置された1案だけが際立つ見え方は不適切」と平野氏。その理由として「色彩」「基本形状」「造形モチーフ」「コンセプト」の面から「A案」が差別化されているという。
また、「記号の順列が心理に影響を及ぼし調査結果に影響する」ことから、「A・B・C・D」や「1・2・3・4」という順列を示す記号は用いることはないと説明。例えば「K・G・l・M」といった「ランダムな相互の関係性に意味が生じない記号を用いることが適切とされている」とのこと。「今回の五輪エンブレム4案発表の構図を見る限りにおいては、デザインとしての良し悪しの問題以前のこととして、比較論として『A案』が選ばれやすい状況が整っている」と、こちらも「A案」に特別な優位性が与えられた不平等な発表形式ではないかと述べている。
平野氏は「4案の中のどれが良いかという論議には参加いたしません」としながらも、「A案」がオリンピックに相応しいデザインかどうかは別として「専門的な見知としては、エンブレム委員のグラフィックデザイン専門家が『BCD案』を押すということは考えづらい」と分析している。
1万5000件近くの応募から絞り込んだ最終候補4作品は、4月17日までネットとはがきで意見を募集、25日に最終審査を行われる。募集した意見は最終審査の参考にするとのこと(関連記事)。この点についても平野氏は、「結果的にエンブレム委員会が選ぶ以上、今回コンペも国民の総意ではないということだけは見誤らないようにしなければなりません」と注意を促している。
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訴訟があったから取り下げるのではなく、あくまで「国民の理解を得られなくなった」のが大きな理由としています。
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