ついに出ちゃった、声優・原田ひとみさんの「はじめてのノベルゲーム」正規版はやっぱりカオスで、ちょっぴり泣けた:ねとらぼレビュー
なんかいろいろ卑怯なのでレビューします。
以前紹介した原田ひとみさん原案・原作・シナリオ・企画・演出・宣伝・美術監督・音響監督・主題歌・ヒロイン役・プロデューサーなどなど担当のカオスゲー「はじめてのノベルゲーム」が、夏コミで頒布されました。現在通販と委託販売の予約が始まっており、発売は9月21日。ステラワース、ゲーマーズ、とらのあなで取り扱います。
声優に、水島大宙さん、平川大輔さん、金元寿子さん、丹下桜さんなどなどが集結し、システム制作はゲーム会社のminori。個人製作にしてはあまりにも豪華すぎる。
もともとは原田ひとみさんが骨折して入院中に、フリーのscriptと素材だけで作ったゲーム。どえらい混沌とした作品でした(関連記事:骨折で入院中の声優・原田ひとみさんの作ったゲームがカオスでかつ感動作だと話題に)。
元のバージョンはフリー素材でつくられたもので、なんとなくギャルゲーかな、と分かりやすかったんですよ。ところが完成作品のキャラ絵は、意外にも女性向けゲーム寄り。
これ男性向けなの? 女性層ねらい? 気になったので(あと元のフリーゲームが面白かったので)買ってやってみたんですが、うん、ごめん、どっちでもない別物だわ。
「フラットな気持でプレイするといい」、と言いたいところですが、ある程度先入観持ってやった方が(例:声優さんの作ったゲームだ、下ネタが多いらしい、丹下桜さんなんの役なの、などなど)、いい意味で裏切られて楽しいと思います。
カオスなままだった
元のゲームの混沌としたノリは、一切削られていません。
主人公のひとしの前に「マリアンヌ?」(?までが名前です)というシスターが登場。わけも分からぬまま異世界に飛ばされてしまう、という物語。ひとしが世界観のいびつさに、常時ツッコミを入れながら話は進みます。
とんがったパロディもそのまんま。このへんが個人製作のいいところ。商業でやったら多分怒られる。
原田シナリオの持ち味は、隠さない下ネタの乱発。次から次に声優さんたちが、真剣に下ネタを畳み掛けてくる波状攻撃。これもやっぱり商業でやったら場所によっては怒られる。でも下ネタがないと、はじノベは成立しないってくらい重要。
やっぱり、アニメ好きなら誰もが聞いたことありそうな声優さんを並べたのはずるいな! めちゃくちゃテンポよく掛け合いを重ねてくるので、フリーゲーム版の方をプレイ済みでも全然飽きません。漫才を聞いているかのよう。特に水島大宙さんのツッコミが冴えまくっているため、もともとの高いテンションが何倍にも跳ね上がっています。
幾度と無く「これはひどい」と褒め言葉のツッコミを入れたくなるシーンの連続。ところが後半に行くにしたがって、急激にシリアス展開に。そして分岐エンディングはどれもこれも、ガチなものばかり。めちゃくちゃにすら見えた、広げまくった伏線が一気に回収されていくのは、ちょっとゾワッとします。
「はじめてのノベルゲーム」のタイトルへのこだわり
そもそもタイトルが「はじめてのノベルゲーム」ってなんだよ、って話ですよ。確かに最初のフリーゲームは、付け足し付け足し作ったそうなので、そのタイトルは分かります。けれどもリブートで豪華キャスティングで作って、そのタイトルのまま?
……と、最初は思っていたのですが、一通りクリアすると「はじめてのノベルゲーム」じゃないとダメだと理解しました。
「物語」が分かるようなタイトルでは全くない。でもこの作品の場合、作者には物語だけが重要なのではない。自分のはじめての経験そのものや、はじめてだから思いっきり詰め込んだ好きなもの全てを見てほしい、という方向にプレイヤーの目線を向けさせるには、このタイトルが的確。
ゲーム制作の事実と体験。声優さんたちの声。イラスト。キャラクター。会話の内容。物語のパーツ。パロディ。パロディ元作品。そしてもともとのフリー素材。ひとつひとつ全てを、等しく価値のある大事な素材にしたいという思いが、作中の会話でほのめかされていて、納得。
内輪受けじゃない、ちゃんとしたゲームにしちゃったこと自体も、ネタであり、欠かせない素材のひとつじゃないかな。
メタを重ねたメタ視点ゲー
最初に、男性向けでも女性向けでもない、と言ったのは、このゲームが「メタ視点ゲー」だからです。常時デッドプールが口を挟んでくるような感じ。
主役であるひとしとマリアンヌ?が、ゲームの構造やストーリーのありかたに、もりもりツッコミを入れてくる。時々原田さんのセリフにすらなる。「男性向けゲームならこれはお約束」「女性向けだとこんなシチュあるよね」「ノベルゲーって、こんな選択肢あるある」というのがどんどん出てくる。
例えば「マリアンヌ?」という名前の「?」は、外部から見てわかる符号であって、本来ありえない。ところがこの名前の意味が、物語を解く鍵になっています。声優さんたちが「マリアンヌ?」をちゃんと疑問形にして読み上げて、混沌とした世界観を一発でわかるようにしちゃっているのは、今回声がついたからこその面白さ。ストーリーの作り方としてはだいぶ変化球。
オタク文化あるあるネタも、下ネタも、もりだくさん。髪の毛の色ピンクだから淫乱なネタ言っていい、と割り切る豪快さ、好きです。メタ的に歌詞などを使って「そういう冗談です」とツッコミを入れる。この冗談が集まって、気づいたらストーリー化。途中からどんどんバランスが取れて、冗談が事実になり、きっちりエンディングに向かっていく。「はじノベ」が「カオス」と言われるゆえんであり、最大の個性だと思う。
といっても、序盤は本当に適当に作ったらしく、最終的な整合性は全部後付けとのこと(ゲームの小冊子より)。逆にすごいわ。
おまけ要素満載でした、あとリコッタかわいいです
最後に。リコッタかわいいです。
登場したとき、ぼくのテンションがマックスに。「イカ娘だ!」「カチューシャだ!」「金元寿子さんだ!!」
この純粋少女に金元寿子さんの声は卑怯だよ! そんなのかわいいに決まってるじゃん! 元のゲームやったときより印象だいぶピュア化してるよ! 原田さんのセクシーボイスと対比できちゃうからえらいこっちゃよ。
この子掛け値なしにめっちゃいい子で、話を追っていくとムニャムニャなので、最後まで見ると良いです。
おまけ……というにはボリュームが多いものとして、それぞれのキャラのスペシャルドラマ(後日談)と、パラレルワールドの「はじノベ学園」が入っています。
プロの人がプロ力を結集して、商業ではない場所で、思いっきり羽を伸ばした作品を出す、というのは同人即売会の面白さ。夏コミだと西川貴教兄貴も同人誌を出していて(関連記事)、話題になりました。今後も増えていきそう。
原田さん、次は百合ゲー楽しみにしています。
(たまごまご)
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メガネを掛けた人が好きなのではない。メガネが好きなのだ。女の子がみんな正方形 好感度が上がると女の子の解像度も上がっていく恋愛ゲーム「どとこい」がおれたちを試している
二次元萌えですらない。
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