国立劇場版「PPAP」動画を出演の演奏家本人が解説 見せ場やフレーズ、さらに「ヅラ疑惑」についても

動画に込められた願いについても述べています。

» 2017年01月18日 09時00分 公開
[宮原れいねとらぼ]

 国立劇場が演奏・投稿し話題になった「PPAP」をアレンジした動画ですが(関連記事)、公開後に出演者の一人である笛演奏家の藤舎推峰(とうしゃ・すいほう)さんが自身のFacebookにて内容を解説していました。



 藤舎推峰さんはまず動画の目的について、伝統芸能への注目度上昇と国立劇場のゆるキャラ「くろごちゃん」の知名度アップが目的だったと明かしています。国立劇場が企画し、年末に招集され収録。曲のセレクトについては担当者が“(時期的に)遅いスタート”を認識・心配していたそうで、先を越される形で新年にアップされたさだまさしさんによる「和風PPAP」(関連記事)についても言及しています。


動画が取得できませんでした
国立劇場版PPAP/「PNSP(Pen-Nurisampo-Sampo-Pen)」

国立劇場 PPAP PNSP 演奏 解説 藤舎推峰 国立劇場版では筆と三方を使った「ペンヌリサンポーサンポーペン!」

 曲のアレンジは、三味線の東音塚原勝利さんや小鼓の藤舎呂英さんらリーダー格を中心に1時間半ほどの打ち合わせで仕上げたとのこと。さらにイントロ部分や見せ場についても、


能楽由来の登場手法〈出端〉で始まり、長唄『元禄風花見踊(1878年、三世杵屋正治郎作曲)』や『老松(1820年、四代目杵屋六三郎作曲)』などの代表的なフレーズを取り入れ、『二人椀久』などにある「踊り地」という三味線、大小鼓の見せ場などを作ってまとめました。


 ――と、改めて見たくなるような細かい説明がされています。また刺す際のかけ声が「んん〜」など唄にも特徴的なアレンジがされていましたが、これらについては「長唄の発声法、言葉運びに近くなるよう、杵屋佐喜さんが考えてらっしゃいましたよ」としています。ちなみに実際の演奏収録と撮影収録は別だったそうで、動画での違和感のない再現性の高さに驚かされます。


国立劇場 PPAP PNSP 演奏 解説 藤舎推峰 見事な演奏再現度……!

 またメディア等の記事で“国立劇場が本気を出した?”と書かれたことについて「個人的に気になっていますが笑」と藤舎推峰さん。「普段やっている古典の舞台への本気度や難しさ、面白さとは…もちろん比べられません…」と述べつつ、面白さを若い世代へ伝えるため今回のような活動も必要だと感じているとしています。さらに“超真顔なのが面白い”という意見に対しては、「不真面目は超真顔、これは鉄則ですね」とも。

 最後は意見として見かけたという藤舎推峰さんへの「ヅラ疑惑」について触れ、メガネによるクセと軽めのツーブロックのせいだと説明。「安心して下さい。生えてます笑」とユーモアのある言葉で締めています。

 「これを機に伝統芸能の懐の深さ、誇るべき日本固有の芸術文化にも目を向けてもらえれば」という願いが込められたPPAP動画。もし興味が出たら、藤舎推峰さんが参加する音楽ユニット「竜馬四重奏」や、開場50周年を迎えた国立劇場をチェックしてみるといいかもしれません。



(宮原れい)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/28/news195.jpg 岡田紗佳、一連の騒動を生中継で謝罪 頭を深く下げ「申し訳ございませんでした」
  2. /nl/articles/2501/28/news155.jpg がん闘病の森永卓郎、容態急変後にモルヒネ投与で“結構厳しい状況” スタジオ出られず弱々しい声で「そう長く持たないかもしれない」「本格的に転移が始まったよう」
  3. /nl/articles/2501/29/news045.jpg 新潟のお葬式で香典返しにもらった“謎の白い物体” パッケージにも情報なし「これなんだかわかりますか?」
  4. /nl/articles/2501/26/news053.jpg 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  5. /nl/articles/2501/29/news086.jpg 鮮魚店で売れ残ったタコを水槽に入れたら、数週間後まさかの展開が…… 胸を打つ光景に「目が腫れるくらい泣いてます」
  6. /nl/articles/2501/28/news034.jpg 大人なら5秒で解きたい!「9+0÷2−3」の答えは?【算数クイズ】
  7. /nl/articles/2501/29/news058.jpg 「うちの祖父(81)わけてほしいわこのセンス……」 衝撃的な私服コーデに驚きの声「本物のイケジイ」「目標にします!!」
  8. /nl/articles/2501/29/news023.jpg 買ったばかりの家の風呂場に”ありえない欠陥” 信じられない状況に「そんなことある?」「取り付けた業者……」
  9. /nl/articles/2501/27/news073.jpg 「昔はモテた」と自慢げな父→娘は“絶対ウソやん”と思っていたけど…… 当時の姿に「ハハハ冗談だろ?」【海外】
  10. /nl/articles/2501/29/news122.jpg 正方形のスカーフ1枚→切ってゴムを縫い付けるだけで…… 魅力的な完成品に「デザインがきれい」「簡単に作れました」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  2. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  3. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議
  4. スーパーで買った半玉キャベツの芯を植え、5カ月育てたら…… 農家も驚く想像以上の結末が1300万再生「凄い」「感動した」
  5. 東京藝大卒業生が油性マジックでサンタを描いたら? 10分で完成したとんでもない力作に「脱帽です」「本当にすごい人」
  6. 定年退職の日、妻に感謝のライン → 返ってきた“言葉”が約200万表示 大反響から7カ月たった“現在の生活”を聞いた
  7. 【ヤフオク】“3万円”で購入した100枚の着物帯 →現役着付師が開封すると…… “まさかの中身”に驚き
  8. 「立体的に円柱を描きなさい」→中1の“斜め上の解答”に反響「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」 投稿者に話を聞いた
  9. 「すんごい笑った」 “干支を覚えにくい原因”を視覚化したイラストが勢いありすぎで1700万表示の人気 「確かにリズム全然違う!」
  10. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」