再配達の負担を減らすため「宅配ボックス」を自作した人が登場 でもマンション廊下への設置は法律上問題アリ? 関係省庁に聞いてみた

気軽に設置できれば便利なんですが……。

» 2017年03月03日 00時10分 公開
[福田瑠千代ねとらぼ]

 宅配業者の再配達の負担を無くすため、宅配ボックスを自作し作り方を公開したブロガーが注目を集めています。


 宅配ボックスを自作したのは、ブロガーの能登たわしさん。既製品の宅配ボックスは安価なものであれば数千円で購入することもできますが、ブログ記事ではわずか2000円程度の材料費で制作。能登さんは大家さんに許可を取って廊下に設置し、見事不在時に荷物を受け取ることに成功しました。この報告に対しネット上では好意的な意見も多く見られましたが、中には「大家の許可が取れたことと法律上問題がないかは別」といった意見も。現在は指摘を受けて、ボックスを撤去済みです。

再配達予防のため宅配ボックスを自作した人が登場 ナイスアイデアなのですが、中には批判意見も

 賛否両論を呼ぶ結果にはなりましたが、再配達を減らそうという試み自体はすばらしいもの。そこで、こうしたボックスを設置する上での注意点について、関係する省庁と、ヤマト運輸、日本郵便に話を聞いてみました。

再配達予防のため宅配ボックスを自作した人が登場 普段は折りたためる形状でした

 ねとらぼ編集部ではまず、“消防法上の問題はあるのか?”という疑問を総務省消防庁に質問しました。すると意外にも、「共用スペースの避難経路にものを設置してはいけないとする条文は消防法上にはなく、管轄となるのは建築基準法を扱う国土交通省になるのではないか」との回答が。さっそく国土交通省建築指導課にも同じ質問をしたところ、「宅配ボックス設置を禁じる文言は建築基準法上にはなく、また建築物はひとつひとつ違うので一概には言えない」という説明を受けました。

 建築基準法では3階建て以上の「共同住宅」などでは廊下の幅が1.2メートル以上必要とされています(両側に居室がある廊下の場合は1.6メートル必要)。配達ボックスの設置により、廊下の歩ける幅が1.2メートルを下回る場合は“建築基準法上問題がある”状態とされる可能性がありそうです。うーむ……。


 また、日本郵便に宅配ボックスでの受け取りが可能かを問い合わせたところ、「事前に最寄りの郵便局に申請をすれば、宅配ボックスでの受け取りは可能」との回答でした。事前申請が必要な理由としては、「配達員がボックスの場所を発見できない可能性があるため」とのこと。

 ヤマト運輸は残念ながら対面での受け渡しにしか対応しておらず、そもそも「宅配ボックスへの配達は不可」との回答でした。なお、佐川急便にも取材中ですが、現時点では回答が得られていません。

 配達業者が宅配ボックスに対応しているとは限らないため、一概におすすめすることはできませんが、対応している場合にはとても合理的な手段。マンションの共用スペースへの設置は問題となる可能性がありますが、一戸建ての住宅では自作宅配ボックスを検討してみるのもアリかもしれません。ただし、ボックスごと盗難されてしまっては元も子もないので、ワイヤーで固定するなどの工夫は必要かと思われます。

画像提供:能登たわしさん

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/01/news003.jpg パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. /nl/articles/2412/01/news031.jpg 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. /nl/articles/2412/03/news082.jpg 「ほ、本人……?」 日本に“寒い国”から飛行機到着→降りてきた“超人気者”に「そんなことあるw?」「衝撃の移動手段」の声
  4. /nl/articles/2412/03/news111.jpg 才賀紀左衛門、娘とのディズニーシー訪問に“見知らぬ女性の影” 同伴シーンに「家族を大切にしてくれない人とは仲良くできない」
  5. /nl/articles/2412/02/news009.jpg 【今日の難読漢字】「誰何」←何と読む?
  6. /nl/articles/2412/05/news006.jpg 「今やらないと春に大後悔します」 凶悪な雑草“チガヤ”の大繁殖を阻止する、知らないと困る対策法に注目が集まる
  7. /nl/articles/2412/03/news148.jpg 武豊騎手が2024年に「武豊駅に来た」→実は35年前「歴史に残る」“意外な繋がり”が…… 街を訪問し懐古
  8. /nl/articles/2412/03/news092.jpg 大谷翔平、“有名日本人シェフ”とのショット 上目遣いの愛犬デコピンも…… 「びっくりした!!」「嬉しすぎる」
  9. /nl/articles/2412/03/news055.jpg ハローマックのガチャに挑戦! →“とんでもない偏り”に同情の声 「かわいそう」「人の心とかないんか」
  10. /nl/articles/2412/03/news034.jpg 古着屋で“インパクト大”なブランケットをリメイクすると…… 劇的な仕上がりに386万再生「これはいいね、欲しい!」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  2. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  3. 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
  4. 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
  5. 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
  6. パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
  7. アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
  8. 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  9. 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
  10. PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」