「これが私の答えだ」 オリラジ中田、転売撲滅のための新システムを提唱

「全ての人は救えない。しかしこれなら、キャパシティ1000以下のライブを救うことができる」

» 2017年04月26日 11時59分 公開
[宮澤諒ねとらぼ]

 チケット転売屋との徹底抗戦の姿勢を示しているオリエンタルラジオの中田敦彦さんが4月25日、現在構想中の転売撲滅のためのシステムをブログで公開しました。

中田敦彦さんのブログ 転売撲滅のためのシステムを解説(中田敦彦さんのブログから)

 4月16日に自身のブログで「オリラジ中田、チケット転売屋と大乱闘!」と題したエントリを公開し、「次のライブは、絶対に転売屋が介入できない仕組みを作る」と公言していた中田さん。今回のエントリでは、誰がなぜ損しているのかという基本的なところから、自らの考えを織り交ぜつつ説明しています。

 中田さんによると、転売問題に絡むプレイヤーは主催者・出演者・転売者・来場者の4者に分けられ、そのうち損しているのは出演者と来場者の2者。来場者は転売屋が介入することでチケットが手に入りづらくなり、それでもライブに行きたい場合は定価より高い金額を支払わなければなりません。また出演者にとっても、転売屋がチケットを売り残すことで来るはずだったファンを取りこぼすことになるだけでなく、次回の会場のキャパシティーを決めるためのデータが取れないといった問題もでてくるといいます。

 さらに中田さんは、純粋なファンだった来場者が転売屋になってしまう可能性も指摘。転売屋によってチケットの購入を阻害されたファンの中には、ファンクラブの口数を増やしてでも購入しようとして結果的に複数枚のチケットを手にしてしまい、元手回収のために定価で転売する人もいるとのこと。そういった人の中から、定価以上でも手に入れたいファンがいることに気付き、利益を求めて転売するようになる人がでてくると、図を提示しながら説明しています。

中田敦彦さんのブログ ファンが転売屋になる構造(中田敦彦さんのブログから)

 転売屋の温床となっているような販売サイトでは、こういった「ファンであり転売屋でもある人」と「転売を専業にしている人」の境界があやふやで区別がつかないことから、「表向きは区別がつかないということを隠れ蓑にして多くの高額転売を放置している可能性が高い」といいます。

 これらの問題から、来場者は「ルールを守り、転売屋からは購入しない」「どうしても行きたい場合は高額で購入することになる」という、どちらに転んでも損する状態に陥っているだけでなく、主催者の転売屋対策の1つである「本人確認」が、来場者の負荷を高めているとも。また、定価譲渡を目的とした再販サービスについても、サービスを利用するインセンティブが、高額で売りたいというインセンティブに劣ってしまっていると指摘します。

 以上の問題に対して中田さんは、チケット数に制限を設けない「ジャスト・キャパシティ・システム」という案を提唱。これは会場のキャパを決めずにチケットを販売するというもので、事前にキャパの異なる会場をキャンセル料なしという条件でいくつか仮押さえした上で、初動を見てから会場を決める方法。会場が決まれば、来場者のために会場のエリアを発表し、最終段階で座席数を確定、詳細な場所を伝えます。さらに、チケットのキャンセルを不可とし、行けなくなった人のために再販制度(「再販は1000円引きまでオーケー」とのこと)を導入することで、転売屋が損する構造を作り出すといいます。「チケットが買えない人を作らないことで転売屋を撲滅する。行けなくなった人がチケットを売る仕組みもある。空席を作らないことでライブを盛り上げる」(中田さん)。

中田敦彦さんのブログ 「ジャスト・キャパシティ・システム」の仕組み(中田敦彦さんのブログから)

 最後に中田さんは、次回のライブ会場のエリアを「舞浜」と発表。「全ての人は救えない。しかしこれなら、キャパシティ1000以下のライブを救うことができる。これが私の答えだ」と宣言し、転売屋撲滅への第一歩を踏み出しました。次回のライブは5月27日に開催されます。

 チケット転売については、2016年8月に、楽業界4団体、アーティスト116組、イベント24団体が大規模な共同声明を発表しています(関連記事)。中田さんは前回のエントリでこの取り組みについて触れ、「お笑い業界はその存在すら知らない丸腰状態。そして、チケット後進国お笑い業界に転売屋が流入してきたという経緯だ」と説明。警鐘を鳴らしていました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/18/news071.jpg 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  2. /nl/articles/2503/20/news115.jpg 「いつの間に……」 大谷翔平、試合後の「ひざの状態」にファンに衝撃 「ボロボロ」「すごさを物語っている」
  3. /nl/articles/2503/20/news026.jpg プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが550万再生「凄すぎて笑うしかないw」「チーズが、、、」 話題になった作者に話を聞いた
  4. /nl/articles/2503/19/news126.jpg 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  5. /nl/articles/2503/19/news030.jpg 19万8000円で購入した超高級魚を、4年間育てたら…… ド肝を抜く“大変化”に「どんどん色が」「すごい」
  6. /nl/articles/2503/20/news046.jpg 【ワークマン】一体なんだこれは…… 衝撃的な“1500円Tシャツ”に反響 「すごく良い」「発想が面白い」
  7. /nl/articles/2503/19/news019.jpg 水族館のイカに“指でハート”をしてみたら… “まさかのお返し”が190万表示「こ、こんなことあるのか」
  8. /nl/articles/2503/20/news112.jpg 「なんでこれ使った」 ドジャース公式が“日本人3選手”の勇姿を投稿→よく見ると…… まさかの「違和感」に「誰かわからんかった」
  9. /nl/articles/2503/20/news009.jpg 「もうこりごりだ〜」 財布に新紙幣を入れたら…… “まさかのビジュアル”に爆笑 「昭和アニメのオチかな?」 投稿者に話を聞いた
  10. /nl/articles/2503/17/news040.jpg 毎日庭に来るインコから、ある日渡された“贈り物”とは…… 「号泣した」まさかの正体に「まるで何かの物語のよう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  2. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  3. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  4. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】
  5. ペットのカエルを土に埋め、約半年間放置→掘り返してみたら…… 「すげぇ」予想外の結末に「ほんと不思議」
  6. 「絶対当たったわこれ」→「は?」 ガリガリ君の棒に書かれていた“衝撃の文章”に「そうはならんやろ」 投稿者に当時の思いを聞いた
  7. コメダ珈琲店で「軽い食事」を注文 → 出てきた“まさかの実物”に思わず大仰天 「逆詐欺ですね」「軽食という名の主食」
  8. 最恐雑草“ヤブガラシ”根元をハサミでチョキッと切ると…… “驚愕の結末”に「すごい」「知りませんでした」
  9. 「笑い過ぎて涙が」 小学生次男、宿題で先生に不正を疑われる→まさかの原因が530万表示 「じわじわくる」 投稿者に話を聞いた
  10. 大阪梅田駅で撮影された“奇跡のような光景”に「今まで見たことない」「本当に贅沢な眺めだ」 全ホームにマルーンカラーが整列
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に