やしろあずきの調査―― ネット上で女性を演じる「ネカマ」って何なの!? 昔自分をだましたネカマと直接対決してみた(後編)(2/5 ページ)
悪のネカマの『手口』
「悪のネカマがマジでヤバイ集団だってことはよく分かったんだけど、なんというかこう……うまく男性プレイヤーをだます方法っていうのは確立されてるものなの? そういうマニュアルでもあるの?」
「あー、悪いネカマが純粋な童貞をだますときに使う手口ですか」
「言い方が邪悪すぎる」
「マニュアル……みたいなのは僕は聞いたことないんですが、程度は違えど大体皆似たような方法を使ってると思うんですよね。僕の知識の範疇(はんちゅう)だけで申し訳ないんですが……」
「いいよ。教えてよ。もうだまされたくないから。二度と」
「強い意思を感じる」
「……まあ、簡単に言ってしまうと『相手に好きになってもらう』ことが最も重要なんですよね。こちらから一方的に相手にベタついても相手がその気じゃなければそれはホストに恋をする女性そのものなので」
「『ウシジマくん』にめちゃくちゃ出てきそう」
「なので、普通に会話していく中で相手に女性だと思わせつつもしっかり守ってあげたくなる、俺がいないとコイツはダメなんだ、と勘違いさせる行動や発言……『かわいく、か弱く、甲斐甲斐(かいがい)しく』……これを狙った相手に徹底するんです。僕のコミュニティーではこれが三大原則でした。『悪のネカマ3Kの法則』ですね」
「悪のネカマ3Kの法則」
「もちろん、即効で3Kの法則をぶっこんでいってもダメです。ちゃんと相手と会話を重ね、距離を詰め、相手のことをしっかり分かった上で3Kを使えば大体の相手は落ちます」
「なるほど……」
「童貞なら100%落ちます」
「童貞に恨みでもあるの? ……うーん、じゃあ悪のネカマのだます手法って、ただ単純に相手をほれさせるように計算しながら仲良くするってこと?」
「そうですよ。本当にそれだけです。相手をほれさせさえすれば後はもう勝手に全自動貢ぎマシンになりますから」
「全国のネカマ被害者の方、聞きましたか? 全自動貢ぎマシンですよ。心を持たない機械」
「あ、ただほれさせるように仲良くなるって言ってもそんな単純なことじゃないんですよ。ちゃんと相手の情報を入手しなければならないですからね。相手が好きな食べ物やアイテム、武器、住んでいる地域だったり趣味だったり……会話しながらしっかりとその辺りを押さえてメモしておくことで、だんだんと相手の心を開き、相手からも『この娘、俺に興味持ってくれてるんだな〜』って思ってもらえるようになります」
「ネカマ関係なくただの恋愛講座みたいになってる……」
「あと、悪のネカマって大体複数人の男性をだましていることが多いので混乱しちゃうことも多いんですよね。Aが好きな話を間違えてBにしちゃう……とか自殺行為ですし」
「それ誰の話だ!? まさかお前別に男が!?ってなるわけか。昼ドラかよ」
「そうです。童貞は味方だと相当利用しやすいですが、敵にしたら最強に面倒な相手になりますからね。なので情報が混同しないように自分にほれている男をしっかりと管理することが重要なんです」
「だから童貞に何の恨みがあるの? ……なるほどね、しっかり相手の情報を管理して自分につなぎとめておく努力が必要なのか」
「僕は番号をつけてExcelで管理してました」
「ディストピアかよ」
「あと、ゲーム内にリアル恋人がいる人とかも狙い目です」
「どういうこと?」
「リアル恋人がいる人に接触して、色目を使うんです。相手も童貞じゃないから割とガードが硬くて難しいんですが、まあネット上のフリー素材を使ってでも女性であるということをアピールしていって、ちょっとエッチな会話とかにまで持ち込めれば勝ちです」
「チャH的な」
「チャHまでいければ完璧ですね! そしたらそのログをSS(スクリーンショット)に撮って、ネタばらしです。ネカマでしたーって。そして恋人にログを見せられたくなかったら……って少し脅せば半永久的に金銭を貢いでくれるbotの誕生です」
「うん、普通に法律で裁かれてほしい」
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