「燃えプロ」の「バントでホームラン」は剛速球に当てれば実現できる? 物理エンジンでざっくり検証した結果……
「ドカベン」の岩鬼じゃないとたぶん無理。
強打者ならばバントでもホームランが打てるという、独特すぎる現象で伝説化したファミコンの野球ゲーム「燃えろ!!プロ野球」(1987年、ジャレコ)。この「バントホームラン」は実現できるのか、物理エンジンを用いて検証した動画がniconicoに登場しました。常識で考えたら無理ですが、現実にはありえない剛速球を打ち返せばもしや……?
同作では各チームに1人ずつ絶対的な強打者が存在し、彼らはバントもしくはハーフスイングで止めたバットを投球に当てさえすれば、ほぼホームランにすることが可能でした。動画投稿者のこーじさんは、速い球を打ち返せば同じ現象が起きると仮定し検証を開始。まず東京ドームと同じ広さのグラウンドから作っていきます。
硬球とバットの反発係数を設定したのち、打球が上方45度で打ち上がるよう調整。打者とバットは固定されており、投球を棒に当てたときの跳ね返り具合を測定するような実験環境です。まずは小学生並の時速80キロと、日本ハム大谷翔平選手並となる時速160キロの球で試してみますが、いずれも打球は内野を越えずに終わりました。
現実的に投げられる速球では無理と証明されたところで、球速を時速300キロに上げるこーじさんでしたが、打球がフェンス手前に落ちる惜しい結果に。そこで時速350キロまで上げ角度を微調整したところ、ついに打球がスタンドに入りました。すごいや! バントホームランは本当にあったんだ!(ありません)
もっともこの実験、バットの強度も空気抵抗も計算外。仮に時速350キロの速球を投げられる投手と、対応できるバットと打者が存在したとしても、計算通りにはならなさそうです。ただ、メジャーリーグには時速140キロ台の速球をプッシュバントで打ち返し、内野手の頭を越えるヒットにした例があります。もしかすると打者の技術と球速次第では、外野へのクリーンヒットなら現実に打てるかもしれません。
(沓澤真二)
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