大人気打ち切りマンガ『ポプテピピック』 ポプ子とピピ美のキュートさを見直したいあのキャラに花束を

ピュアな中学生の青春友情物語、かもしれない。

» 2017年06月18日 15時00分 公開
[たまごまごねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

画像 SECOND SEASONの表紙は赤ちゃん。

 スラップスティックナンセンス4コマ『ポプテピピック』大川ぶくぶ)。大人気です。版元の竹書房さんいわく、LINEスタンプは単行本より売れているという事実があるほどの人気っぷり(関連記事)。コラボカフェが開かれたり、グッズが販売されたり、アニメ化まで決定しました。でも「SECOND SEASON」は最終回を迎えました。

 今回は憎いあンちくしょうな2人組、ポプ子(丸い方)とピピ美(長い方)をご紹介。

「ポプテピピック」ってなんなん?

 「ポプテピピック」は、ネットとの相性がかなりいい。というのも、パロディーネタが多く、煽り力がとても高いからです。

 有名なのは、「NEW GAME!」の「今日も一日がんばるぞい」をまんまパクったネタ。


画像 ぞい(1巻P23)

 竹書房のコメントは「まさか身内からこんな恥知らずが出るとは」。1巻では「ラッスンゴレライ」や「うまるちゃん」などを、2巻では「ポケモンGO」「セクシーに塩をふる人」など新鮮なネタを、堂々と使用。なお「がんばるぞい」は相当ポプ子のお気に入りなのか、あらゆるバリエーションで何度も使っています。元の『NEW GAME!』は1回しか使ってないのに。

 この攻めの姿勢、スタンプ化したときの使い勝手が尋常じゃなく良い。「二度とやらんわこんなクソゲー」「そういうの一番きらい」「クソリプ」「君さぁ、プライドなさすぎちゃう?」これは押したくなる。基本全方向にケンカを売る、オラオラヤンキー感がたまりません。ぼくは主に、格ゲ―のオンライン対戦で煽るために使っています。

意外とさみしがりやのポプ子

 単純に見た目がかわいらしい2人。マンガが回を重ねるごとに、思ったより(失礼)人間っぽい部分があるのが見えてきます。

 まず、暴れん坊ポプ子。このマンガで最初にトンチキなことをやらかすのはこっち。パクリを我慢できないのもこっち。竹書房を破壊したのもこっち。

 そんな彼女、かなりのさみしがりや。ピピ美にかまってほしくてしかたない。


画像 今のジョブはこれ!(1巻P82)

 何かしらパロディーやギャグを言い出すのは彼女の方。1人の時でも大暴れする彼女ですが、2人いるときはピピ美とキャッチボールをするかのような信頼関係でトークを繰り広げます。

 なので、たまーにピピ美が話を聞いていない場合、ものすごくかまってちゃんになる。上のページの会話の仲の良さ、2人が14歳だったのを思い出させてくれます。


画像 流されたー(2巻P36)

 世の中のチャラチャラした風潮と「サブカルクソ女」が大嫌いなポプ子。ところがピピ美が肯定すると、するっと流されがち。どうやら「自分の好き嫌い<ピピ美」のよう。

 ポプ子のあらゆる罵倒は、ピピ美と楽しく過ごすための理由なんじゃないか、という気すらしてきます。子どもが母親に甘えているような。

 ピピ美に「私のほうが先に大人になっちゃったらどうするか考えといて」と言われたとき、ぼうぜん自失となる彼女。普通に幼くてかわいい。ピピ美をつついて笑わせて喜ぶポプ子なんて、本当に純な少女です。


画像 貴重な、たどたどしいポプ子(2巻P62)

 ピピ美になにかあると、かなり心配するポプ子。けがをしたとき、はぐれたとき。普段は(パロディーネタのプレッシャー以外は)不安を抱いた生活をしていないだけに、ピピ美に対してだけ心が揺らぐ彼女の姿は、印象に残ります。

母なる大地ピピ美

 一方ピピ美の安定感はちょっとすごいものがある。ピピ美は1巻最序盤で、ポプ子に「いっぱいちゅき」と告白済み。のんきなので、1巻最終回でも竹書房は壊していません。

 ポプ子がノリと勢いで動いているのに対し、かっちり考えて動くのがピピ美。ポプ子を喜ばせるだけのために、踊りやスモークなど登場演出を準備するほどの、生粋のエンターテイナーです。

 やんちゃにネタをふってくるポプ子の暴投気味な話題を、しれっと受け止めてさらに面白くさせる。何回か格闘ゲームの当身(餓狼のギースとGGのアクセル)ネタを彼女がやっているのは、彼女の性格そのもの。

 ポプ子のことはものすごくかわいがっており、彼女がちょっとでもバカにされようものなら、相手をぶっ殺しかねない一面も。一緒にいるときはいろいろ考えた上で、ポプ子(ピピ美はポプちんと呼ぶ)が喜ぶベストを選び続けています。


画像 エイサァァーイハラマスコーイ(1巻P110)

 ピピ美はポプ子以上に世間に辛辣。なんだけども、ポプ子を悲しませることだけはしない。もっともポプ子もタフなので、よっぽどのことがない限り文句言っても負けませんが、一線は踏まえている。

 「エイサイハラマスコイおどり」をポプ子が考えたとき、さすがに流行らないのはわかっていても、ピピ美は喜んでほしいから、肯定しました。まれにピピ美のツッコミでポプ子が泣くこともありますが、そこもきっちりフォローします。友人……母と子……いやおばあちゃんと孫みたいだ。


画像 2人の関係がものすごくよく出てるシーン(2巻P89)

 2人の性格がかなりはっきり出ているのが、第295回。「これしってる?」とネタフリをしてきたポプ子、彼女としてはオチとして「ロードローラーだッ」(「ジョジョの奇妙な冒険」のDIOのパロディー)をするつもりだった。ところがネタを言う前に、自分でネタに笑ってしまった。それを見たピピ美「かっわいい〜」。これが「割れ鍋に綴じ蓋」な関係なんだろうなあ。

 2人の友情青春物語としてみると、シュールなネタも、仲を深めるいいエッセンスなのではないかとすら思えてしまうのです。



たまごまご


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた