全ての原画をたった1人で 「キラキラ☆プリキュアアラモード」第36話を支えた青山充という伝説サラリーマン、プリキュアを語る(1/4 ページ)

あきらさんが頭なでなでされる姿、かわいかったです!!

» 2017年10月19日 18時00分 公開
[kasumiねとらぼ]

 キラキラ☆プリキュアアラモードも約5分の3が終わり、10月は最終決戦に向けて6人のプリキュアの心の交流を描いているところですよね。この時期のプリキュアは10月末から「秋の映画」も始まりますし、来年の新作(?)の準備なんかもあったりで、製作する方もスケジュールが大変かと思われます。

 そんなとき、プリキュアには強い味方がいるのです。たった1人で原画を描く「青山充」というレジェンドが。

キラキラ☆プリキュアアラモード 「映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!」2017年10月28日公開

 青山充さんの伝説は後ほど語るとして、その青山さんが1人原画を手掛けた第36話は「いちか」と「あきら」のお話でした。前々回が「シエル」と「ゆかり」、前回は「あおい」と「ひまり」を取り上げていましたが、今回は残りの2人「いちか」と「あきら」の心の成長を描きました。

 とはいえ、いちかちゃんに大きな心の変化はなく、主に「剣城あきら」というキャラクターにスポットを当てたストーリーになりました。

kasumi プロフィール

プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。



第36話 いちかとあきら!いちご坂大運動会!


キラキラ☆プリキュアアラモード 「プリキュア今、どこまで進んでいるの?」メーター

 さて、今回のお話の舞台は「町内対抗大運動会」。いちかちゃんとあきらさんは家がお隣同士なので同じチームになります。スポーツ万能のあきらさんはみんなの期待を背負いますが、当日風邪をひいてしまいます。

 体調が悪いのを隠して参加していたあきらさんでしたが、いちかちゃんに看破されて午後の競技を休むことになりました。今回のお話ではその場面での展開が秀逸だったと思います。

 熱が出てしまい運動会に行けない妹、みくをあきらさんが説得するこのシーンは、

キラキラ☆プリキュアアラモード

いちかちゃんがあきらさんを説得するこのシーンのための布石。

キラキラ☆プリキュアアラモード

 「無理をしてはいけない」と妹みくを諭した以上、自分も「無理をしてはいけない」のですよね。

 あきらがみくを諭すシーンと、いちかがあきらを諭すシーン。

 この立場の逆転を「頭をなでる」という行為で統一したお見事な構成だったですよね。

 かつて第30話「狙われた学園祭!ショコラ・イン・ワンダーランド!」であきらさんは敵、エリシオの攻撃によって「町の人々」か「妹」のどちらを取るか? という選択を迫られます(これはつまり“公”をとるか“私”をとるか、という選択だったのですよね)。

 そのときは、「自分の身を削ってでも、どちらも取る」というある意味反則的な解答を導き出しました。当時は「そんな解答ありか?」と思っていたのですけど、それは今回の布石だったのですよね。

 第30話の時点ではまだ「とにかく1人でなんとかする」という思いだったあきらさんが、この第36話では、いちかに諭され、そして町の人々のに暖かさに触れ、「他人に頼ることも良いことであり、自分の周りにはこんなにもステキな人たちがたくさんいる」と認識したのです。

 そして「暖かい町の人の笑顔を守る」ために戦うことを選択するのです。

 剣城あきらは、1人ではない。剣城あきらの周りには、ステキな人たちがいる。

 それをあきらさんに気付かせてくれたのが「宇佐美いちか」というキャラクターだった、というのも面白い演出ですよね。

 今回ディアブルの闇の力で動けなくなった6人のプリキュア。その呪縛を解いたのも「キュアホイップ、宇佐美いちか」でした。

キラキラ☆プリキュアアラモード

 「がんばってくれたんだ。風邪をひいてもあきらさんは、あんなにがんばってくれたんだ。だから私だって、闇くらいなんだーーー」

 その言葉は全く理論的ではありません。一見稚拙な根性論に聞こえるかもしれませんが、これはつまり「心の闇の呪縛」は、こころ次第で振り払える、ということを示唆している気がするのです。

 この先、プリキュアが人々からの負の感情を浴びて身動きが取れなくなっても、宇佐美いちかの心が闇を振り払う。キラキラ☆プリキュアアラモードの、この先の展開を示唆する戦闘シーンだったように思えます。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/18/news145.jpg “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  3. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. /nl/articles/2412/17/news197.jpg 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  6. /nl/articles/2412/17/news078.jpg 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  7. /nl/articles/2412/18/news059.jpg 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開【大谷翔平激動の2024年 「妻の登場」話題呼ぶ】
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2411/25/news189.jpg 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
  10. /nl/articles/2412/18/news056.jpg 日本人ならなぜか読めちゃう“四角形”に脳がバグりそう…… 「なんで読めるん?」と1000万表示
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」