全ての原画をたった1人で 「キラキラ☆プリキュアアラモード」第36話を支えた青山充という伝説:サラリーマン、プリキュアを語る(2/4 ページ)
プリキュアが守りたいもの
今回のお話で終盤、キュアショコラはディアブルに対し「町中が1つになった笑顔の1日を守りたい」と啖呵(たんか)を切ります。
そう。今回プリキュアが守ろうとしたものは「笑顔の1日」なのです。
これはプリキュアがシリーズを通してずっと描いてきたことなのですよね。
プリキュアは「町を守る」のではないのです。「町で過ごす人々の笑顔を守る」のです。
それは、つまり人々の「日常」を守ることに他なりません。
プリキュアはいつだって「世界の」「人々の」「友達の」「自分たちの」日常を守るために戦っているのです。
だからこそ、プリキュアというアニメーションでは必ず楽しい日常生活が描かれます。
そして脅威を排除したプリキュアは変身を解き、自分たちも日常へと帰っていくのです。
日常に生き、日常を脅かすものを取り払い、日常へ帰る。
それこそがプリキュアというアニメーションの根幹なのではないかな、と僕は思っています。
ビブリーちゃんに出番があって良かった
ビブリーちゃん推しの自分としては、今回久しぶりにビブリーちゃんに出番があって良かったです。
いや別にビブリーちゃんを見たい、というだけではなく、こういうところで関係性をきっちりと描写しておくことで、後の重要な場面で生きてくると思うのです。
製作者が「かつて敵だったビブリーを仲間にする」という選択をした以上、ビブリーが後の重要なファクターとして機能する場面が必ずあると思います。そのときだけ「とってつけたように出てきても」意味が無いのです。
今のうちからビブリーとプリキュアとをきっちりと絡ませておくことで、後の物語の説得力が増すのです。
そういった意味でも、この何気ない日常の1シーンはとても重要なシーンであったと思います。
キラキラ☆プリキュアアラモード第36話「いちかとあきら!いちご坂大運動会!」。楽しい絵柄も満載で、6人のプリキュアがそれぞれ個性を発揮するシーンも過不足なく描かれ、きっと見ていたお子様も終始ニコニコだったのではないでしょうか。
「自分の周りにはステキな人がたくさんいる」ということを再確認したあきらさんですが、いちかちゃんに頭をなでられる姿はちょっとかわいかったです。
この先は少し余談ですが、プリキュアを語る上でも欠かせない青山充さんのお話です。
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