「映画プリキュアスーパースターズ!」 僕が思う“ただ1つ”の残念な点と、それでもこの映画が最高な理由【ネタバレあり】:サラリーマン、プリキュアを語る(2/3 ページ)
<中盤:各キャラクターの個性が光る>
ただ、そんな重いストーリーも物語中盤でピンクプリキュア3人以外のプリキュアたちが、とある場所で繰り広げるコント劇(?)でかなり中和されます。
もうね。この中盤のコント劇が良くできているのです。
「各シリーズのプリキュアの特徴」を見事にとらえた珠玉の出来なのです。
まだ新人っぽく真面目さが抜けきらない「HUGっと!プリキュア」。
家族のようなきずなで結ばれていて、お互いを信頼し合う「魔法つかいプリキュア!」
個性的でマイペースな「キラキラ☆プリキュアアラモード」。
特に「どんなときでも日常を大切」にする「キラキラ☆プリキュアアラモード」のキャラ描写はこの映画の1つの見どころだと思います。
ゆかりさんは相変わらずゆかりさんですし、あきらさんも相変わらずあきらさんでした。
中学生組(ひまり、あおい、シエル)とHUGっと!プリキュアのほまれちゃんの絡みも最高です。
また、魔法つかいプリキュア!の「魔法」をあるアイデアで使いピンチを脱する様は、絵の面白さも相まって劇場の子どもたちにも大ウケしていました。
<終盤:王道の「プリキュアオールスターズ!」>
ラストバトルの前に今回のキーキャラクターであるクローバーとのお話がありますが、僕は唯一そこに不満があるのです(ネタバレ含むので後述)。
ラストは恒例のプリキュア全員そろっての一大バトルです。
巨大な敵にプリキュア全員で立ち向かう様は、プリキュアオールスターズ映画の華とも呼べるシーンですよね。
キラキラ☆プリキュアアラモードの6人も、肉弾戦を封印しながらもクリームエネルギーでうまく立ち回っていました。
プリキュアシリーズがずっと紡ぎつづけてきた「手をつなぐ」ことに意味を持たせ、作品テーマの「約束」を交わし、最高の決め技でラスボスを倒します。
まさに「王道」。
どんなピンチに陥っても、子どもたちのミラクルライトの応援があればプリキュアはどんな困難だって乗り越えるのです。
ラストは、ちょっと切なく、それでいて明るい未来を予感させる終わり方。
宮本佳那子さんの歌うエンディング「七色の世界」がまた素晴らしいのです。
スタッフロールの余韻に浸っていると衝撃の秋映画の発表。
「映画HUGっと!プリキュア(ハート)ふたりはプリキュア」??
え? 初代「ふたりはプリキュア」の2人が出てくるの!?
これは期待したいですよね。
<個人的な見どころと疑問点>
「映画プリキュアスーパースターズ!」にはたくさんの見どころがありました。
<個人的な見どころ>
- ハリーが開始3分で、イケメンっぷりを発揮
- 「はーちゃん先輩」といわれて喜ぶはーちゃん
- あきらさんが2017年のゆいちゃんに続きはなちゃん、さあやちゃんもナチュラル接近
- ゆかりさんのマイペースっぷりがすてき
- みらいとリコが数秒のアイコンタクトで全てを理解しあうところが素晴らしい
- 先輩プリキュアが先輩らしくて頼もしい
- 各シリーズの「個性」を完全に生かし切った描写の数々
- クローバーの花言葉をうまく使用したお話
……などなどたくさんありました。
<個人的な疑問点>
ただ、どうしても1つだけ言わせてほしい点があるのです。
もちろん個人的な見解なので、間違った解釈をしている可能性もあるのですが、今回のキーキャラクター、クローバーに関連することです。
野乃はなちゃんが子どものころに「約束を果たせなかった」ため、闇の鬼火にそそのかされて怪物化したクローバー。「プリキュアが約束を(不可抗力とはいえ)守れなかったために、怪物となる」。そんな難題を今回どうやって解決したかというと「過去に戻って謝る」という選択でした。いや、「過去」じゃなくて「今の」クローバーに謝って解決してほしかったのです。例えば現実の子どもがお友達との約束を破ってしまって謝らないといけない、ってときに「過去に戻って」今を無かったことにして謝ることはできないわけじゃないですか。プリキュアだからこそ、そういった「過去に戻って都合の悪い現実を無かったことする」のではなく、「今」と向き合いクローバーと対峙する道を子どもたちに示してほしかったな、と思います。
あ、あともう1つちょっとした疑問が……。
序盤、魔法つかいプリキュア!のみらいとリコが「手をつながずにパっと変身するシーン」があったのですよ。省略変身シーンとはいえ、「手をつないで変身」するのは魔法つかいプリキュア!のアイデンティティーの1つだと思うので、そこを省くのはどうなのかな、って思いました。個人的には一瞬でも手をつなぐシーンがあった方が魔法つかいプリキュアっぽくて好きです。
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