「こち亀」を読んでまだ見ぬ東京に憧れていたあの頃
頭の中にあった浅草。
» 2018年04月14日 11時00分 公開
[斎藤充博,ねとらぼ]
ライター:斎藤充博
記事を書くことがどうしてもやめられない指圧師です。「ふしぎ指圧」を運営中。
連載:マイクロメモリーズ
1982年生まれの筆者が、人生を通じて出会ってきた物たちの「みょうに細かい超個人的な思い出」をマンガで振り返ります。
『少年週刊ジャンプ』で40年間連載された『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、こち亀)には東京の下町エピソードがときどき掲載されていました。「東京」を知らない地方の子どもだった僕は、こうしたマンガから「東京」への知識を蓄えていました。
『こち亀』の舞台は葛飾区の亀有。主人公の両さんの実家は台東区の浅草。そのあたりが話の舞台になることが多かったです。特に両さんの子ども時代は「ちょっといい話」が多い。「下町には人情がある」と作中で登場人物たちも言っていることがありました。
当然僕も「下町は良いところ」「将来住むなら絶対に東京の下町」と思っていたものです。栃木の田舎に住んでいるのに……。
もう1つ、マンガには書きませんでしたが、思い出深いマンガがあります。それは『ろくでなしBLUES』。吉祥寺、渋谷、池袋などで不良達がケンカをしまくるマンガです。特に池袋には葛西という恐ろしい男がいて、僕は勝手に「池袋は恐ろしいところだ……」と思い込んでいました。
今マンガの舞台を巡る「聖地巡礼」がはやっていますが、あの気持ちはよく分かります。マンガで読んでいると思い入れが(思い込みも)強くなりますよね。
これまでのマイクロメモリーズ
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