あたしこのパイ苦手なのよね……怖すぎる「ニシンのパイ」の本当の姿

「あたしこのパイ苦手なのよね」も納得。

» 2018年05月21日 12時00分 公開
[てんもんたまごねとらぼ]
「魔女の宅急便」のメニューを再現した「ニシンのパイ」

 「あたしこのパイ苦手なのよね」

 映画「魔女の宅急便」でおなじみの「ニシンのパイ」を見て、「えー、おいしそうなのになあ」と思ったことはありませんか?

 イギリスの郷土料理として実在するニシンのパイは、あの女の子のセリフも納得のものだったのです。

本場の「星を見上げるパイ」

 このフィッシュパイは実在するイギリスの家庭料理です。料理名は「Stargazy pie(星を見上げるパイ)」というロマンチックなもの。ではさっそく本場イギリスの「星を見上げるパイ」をご覧いただきましょう!


…!? アバンギャルドすぎる「Stargazy pie(星を見上げるパイ)」(「A Stargazy pie」 by Krista

 「星を見上げるパイ」とはズバリ、「魚が星を見上げているパイ」のことだったのです。

 ちなみに、伝統的なレシピではピルチャードというニシン科のイワシ類が使われますが、もともとはニシンを含む7種類の魚で作られるもので、現在でも代用品としてニシンを使うことがあります。



エピソードはかっこよかった!

 見た目こそ前衛的なパイですが、「スターゲイジーパイ」は、イギリスのコーンウォールの伝統的な料理であり、発祥の地であるマウゼル村を救ったいわれもあるんですよ。

 むかしむかし、港村であるマウゼルでは、冬の嵐に船を出せなくなってしまいました。クリスマスも近かったのに、村中の人々が空きっ腹を抱えて苦しんでいたのです。


クリスマス前だというのに、船を出せない港村は餓死寸前の大ピンチ

 そのとき一人の勇敢な漁師トム・バーコックが嵐の中ひとり海へと漕ぎ出していきました。村人が彼を心配する中、彼は嵐に荒れ狂う波を乗り越え、村中に配れるほどの魚を抱えて帰ってきたのです!

 その時彼はとれた魚を全てパイに入れ、魚の頭部をパイから突き出す形にしました。彼の尽力と魚のパイが、マウゼル村を飢餓から救ったのです。以後、トム・バーコックの勇気をたたえ、毎年12月23日にこの「スターゲイジーパイ」を作る伝統となりました。いい話だ……。


トムの勇気とスターゲイジーパイで村は飢餓から救われた! ちなみに実際に作られたパイはニシンだけでなく7種類の魚が入っていました

主要参考文献


他にもある! こんな雑学

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