コラム
» 2018年07月26日 11時00分 公開

「予想を超える売れ行き」からの「販売休止」はなぜ起こる? スポーツドリンクメーカーに聞く「猛暑と西日本豪雨の影響」

どうして「増産→需要に応える」が難しいのか。

[ねとらぼ]

 製品が予想を超える売れ行きで、販売停止状態に―― 時折、ニュースなどで目にする現象ですが、よく考えると不思議な話。売上アップのチャンスなのですから、「予想を超える売れ行きで、増産などの対応をした結果、販売数が増えた」の方が自然に感じるかもしれません。

 記録的な猛暑でスポーツドリンクの需要が高まっているなか、「アクエリアス」では、一部製品が販売できない状態に(関連記事)。また、「ポカリスエット」でも納品遅延が発生していることが発表されています。

 こういった事態を受け、ネット上には「生産数なんてすぐに増加できるだろう」「品薄商法ではないか」といった書き込みが現れていますが、実際はどうなのでしょうか。「需要が増えて、販売できない」現象はなぜ起こったのか、両製品のメーカーに取材しました。


時系列まとめ。画像はクリックで拡大します

一時休売の「アクエリアス冷凍ペット490ミリリットル」(日本コカ・コーラ)


公式サイトのお知らせ


一時休売発表が行われたのは、アクエリアス各製品の1つ。冷凍するタイプのもの(アクエリアス公式サイトより)

―― どうして「アクエリアス冷凍ペット490ミリリットル」は、販売できない状態に?

 製造計画は、夏場に需要が伸びることを想定したうえで立てています。しかし、早い梅雨明け、記録的な猛暑により、その想定を上回る販売数になってしまったたため、製造が追いつかない状態になりました。

 お客さまのことを考えると避けるべき事態なのですが、諸事情が重なるとこうなってしまうことがあり、申し訳なく思っています。

―― 休売している現在は、何をしているのですか?

 現在は製造を続けつつ、追加製造に向けて動いているところです。

―― 「速やかに増産して、需要を満たす」というのは難しいものなのですか?

 製造完了した後も商品の安全性の確認、配送などに時間がかかります。増産さえすれば、すぐに販売できるというわけではありません。

 なお、ネット上では「通常のアクエリアスも売り切れている」という声が散見されますが、これについては生産数の問題ではなく、「おそらく自販機や小売店に配送するペースを越えて、すぐに売り切れてしまう状態になっているのでは」とのこと。

一部配送遅延が発生した「ポカリスエット」(大塚製薬)

 大塚製薬は、公式通販サイトで各種ポカリスエットの注文が8月上旬まで受け付けられないと発表。これにはどのような理由があるのでしょうか。


公式通販サイト「オオツカ・プラスワン」で「納品遅延のお詫び


対象商品一覧。持ち運びしやすいペットボトル入りの製品が中心(大塚製薬の発表より)

―― どうして公式通販サイトで、ポカリスエットが取り扱えない状態になったのですか?

 ポカリスエットの製造計画は、猛暑の場合も想定したうえで立てています。例年にない暑さで需要が増していますが、生産数に関しては工場をフル稼働させて対応しています。

 しかし、物流では注文数の多さに加え、西日本の豪雨がもたらした全国的な影響、お中元シーズンであることが公式通販サイトの納品遅延につながりました。

―― 同通販サイト以外での納品状況は、いかがですか?

 「のどが乾いたときにスポーツドリンクを手に取る場所」ということで、まずは小売店を中心に商品を届けています。一部遅れている店舗もあるかもしれませんが、なるべく需要に応えられるように進めています。


 両メーカーの話を総合すると、スポーツドリンクで発生した「需要が増えて、販売できない」現象は以下のようにまとめることができそうです。

  • 夏場の需要増大自体は想定の範囲内。しかし、イレギュラーな気象状況、季節のイベントなどさまざまな要因が重なった
  • 商品が販売されるまでには計画立案、製造、配送といった工程があり、「生産数を増やせばすぐに解決」というわけではない
  • 需要に応えられるように対応を図っているが、これらの事情から一部で販売が難しい状況に

 熱中症対策の必要性が叫ばれている現在、スポーツドリンク製品が自由に手に入らないというのは、消費者にとって厳しいところ。しかし、ここ1カ月間は例年にない早い梅雨明け、西日本豪雨、記録的な猛暑と異例の気象状況が続いており、大手メーカーも対応に苦心しているのかもしれません。



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