コラム
» 2018年11月30日 11時00分 公開

「色覚検査の攻略本」「本当は効かない色弱治療」はなぜ存在したのか 進学・就職制限を受けてきた「色弱」の歴史とこれから(2/3 ページ)

[ねとらぼ]

 例えば、白色と黒色とは対照的な色で、色の距離的に言うと「遠い色」ということになります。反対に、赤色とオレンジ色は似ているので「近い色」といえます。

 では、赤色と黒色はどうでしょうか。一般的には遠い色とされていますが、色の感じ方には個人差があります。つまり、色の距離は誰にとっても同じというわけではありません。例えば、「赤色が見えない」という人の場合、「黒色・赤色」の距離が「黒色・こげ茶色」くらいになっていて、近い色に見えたりするんですね

―― 「見えない」というよりは、「他の色と似て見える」という感じでしょうか

 そうですね。ただし、識別しにくい色やその識別しにくさは人によって違うので、先の「赤色・黒色」はあくまでも一例です。CUDOでは、色弱を「P型(強/弱)」「D型(強/弱)」「T型」「A型」と分類しているのですが、タイプが異なる人同士では色の見え方がかなり違いますよ。

“色覚検査攻略マニュアル”が存在した理由

―― 色弱という視覚の特性は、これまでどのように捉えられてきたのでしょうか

 「色の見え方が他の人と違う」という事例が論文化されたのは、今から約200年前。18世紀末に、英国のジョン・ダルトンという色弱の科学者が、自身の体験談などを発表しています。

 そして、約150年前、ある鉄道事故がきっかけの1つになり、色弱が社会的な問題として扱われる流れが生まれました。

 かつてヨーロッパには「白色・赤色」を使った鉄道の信号機がありました。照明自体は白色で、そこに、赤いガラスを入れたり外したりして切り替える仕組みです。ですが、この手法だとガラスが割れたとき、白色しか出せなくなるんですね。

 これは危険だということで、「赤色・緑色(ガラスが割れると白色が出る)」の組み合わせが使われるようになりました。その信号機を使った線路で鉄道事故が発生したとき、「運転手が色弱だと信号機の色が見分けられない。運転させてはいけない」という風潮になり、検査の結果、色弱と判断された運転手たちが解雇されたそうです。

―― 「色弱でも見やすいように、信号の色を変える」という方向には向かわなかったのでしょうか

 「『色弱者には見にくい色の組み合わせなのではないか』という指摘はあったが、受け止められなかった」とか「技術的な問題から、色変更が難しかった」とか諸説聞いたことがありますが、確かなことは分かりません。とにもかくにも信号機ではなく、運転手という集団に手を加える形で事故防止を図ったわけです。

 近年の資料を見ても、色弱が「先天性の病気」とされていることがあります。例えば、1998年ごろまで日本には“色弱の治療”を行うグループがあったんですよ。

―― どんな“治療”を行うのでしょうか

 頭に電極をつないだ状態で、「石原色覚検査表(略称:石原表)」を数時間かけて見せたりするんですね。すると、色弱では分からないように描かれている数字が見えるようになる……とうたっていました。

 このグループを担ぎ上げて本を出す新聞社、製品を作るメーカーなんかもあって。子どもの色弱を治そうと、高額な費用を支払う親御さんも多かったようです。


「色を見分ける力を訓練して向上させる」「専門医師の指導のもとに安心して訓練できます」とうたう機械の広告

―― 頭に電極をつないでも、網膜の視細胞には影響しなさそうですが……

 ええ、まがい治療だったと結論が出ています。でも、不思議なことに「これで治った」という人もいるんですよ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10

  1. /nl/articles/2112/06/news163.jpg 「普通に頭おかしい」 朝倉未来、一般人のジム乱入に困惑 週刊誌記者をかたっての不可解な訪問へ「マジ迷惑」
  2. /nl/articles/2112/06/news149.jpg 47都道府県の「県章」を仮面ライダーにアレンジ 各地の特色を宿した空想ヒーローに全国特撮ファン大盛り上がり
  3. /nl/articles/2112/06/news136.jpg ファミチキの“袋”の写真だけを淡々とツイートするアカウント「ファミチキへの怒り」が人気 気持ちは確かに分かる
  4. /nl/articles/2112/07/news122.jpg 「美賀君に会えました」大島優子、川栄李奈との2ショットを披露 大河ドラマ共演にファン「すごくないか?」
  5. /nl/articles/2112/06/news140.jpg どういう展開なんだ フワちゃん、有吉弘行からの贈り物で母が懐柔「宝物にする(ハート)」→「娘さんから僕が守ります!」
  6. /nl/articles/2112/06/news141.jpg 柴咲コウ、ヘアドネーションでロングへアから大胆イメチェン クールなショートカット姿に「美人が引き立ちます」
  7. /nl/articles/2112/06/news053.jpg 「竹とトラって、最高に似合っててカッコイイ」 ヘソ天で爆睡するトラに「思ってたのと違う」とツッコミ殺到
  8. /nl/articles/2112/06/news033.jpg 隣人が執拗に「引っ越せ」と嫌がらせをしてくる理由は? その「真実」を描いた漫画に切ない気持ちになる
  9. /nl/articles/2112/06/news051.jpg お風呂に呼ぶ父に息子が「行けるわけなかろーもん」 猫さまとラブラブな光景に「息子さん正しい」と賛同の声
  10. /nl/articles/2112/07/news028.jpg 柴犬の肉厚ほっぺをもんで、手を離すと……? “冬毛のコブ”ができた姿に「ハムスター?」「形状記憶ほっぺ」の声

先週の総合アクセスTOP10

  1. 東大王・鈴木光、“お別れの笑顔”で司法試験合格を報告「本当にありがとうございました」 SNS閉鎖に涙のエール続々
  2. 高嶋ちさ子、ダウン症の姉とさだまさしのコンサートへ 笑顔あふれる3ショットに「姉妹で素敵」「癒やされました」の声
  3. 「キレッキレ!」「何回見ても笑えるwww」 白柴犬の激しすぎる後ろ足の動きに国内外から大反響
  4. 45キロ減のゆりやんレトリィバァ、劇的変化の“割れたおなか”に驚きの声 「努力の賜物」「昔を思い出せない」
  5. 46歳と18歳の内田有紀、“2人そろって”『STORY』表紙へ 「自分の妹と撮影しているみたい」
  6. ダレノガレ明美、“痩せすぎ”指摘する声に「体絞っていました」 現在は4キロの増量 「ご安心ください」
  7. 渡辺美奈代、公開した自宅リビングが広すぎて“お姫様のお部屋” ゴージャスな部屋へファン「センスまで抜群」
  8. アイドルが「虚偽の発言」「繋がり行為」など複数の違反行為 ファンのため“卒業”を提案するもブロック→解雇へ
  9. 「美男美女の一言」「これぞベストカップル」 高橋英樹&小林亜紀子、“48年前の夫婦ショット”が絵になりすぎる
  10. ゴマキの弟・後藤祐樹、服役中に死去した“母との約束” 「1000万円企画」朝倉未来の計らいで首のタトゥー除去

先月の総合アクセスTOP10

  1. 池田エライザ、 “お腹が出ている”体形を指摘する声へ「気にしていません」 1年前には体重58キロ公表も
  2. 「前歯を取られ歯茎を削られ」 広田レオナ、19歳デビュー作で“整形手術”を強制された恐怖体験
  3. ゴマキの弟・後藤祐樹、朝倉未来とのストリートファイトで45秒負け 左目腫らした姿を自ら公開し「もっと立って闘いたかった」
  4. 清原和博の元妻・亜希、16歳次男のレアショットを公開し反響 「スタイル抜群」「さすがモデルの遺伝子」
  5. 小林麻耶、おいっ子・めいっ子とのハロウィーン3ショットに反響 元気な姿に安堵の声が続々「幸せそうでなにより!」
  6. カエルに普段の50倍のエサをあげた結果…… 100点満点のリアクションに「想像以上で笑った」「癒やされました」
  7. 「左手は…どこ?」「片腕が消えてる」 中川翔子、謎が深まる“心霊疑惑”ショットにファン騒然
  8. 「家ではまともに歩けてない」 広田レオナ、左股関節に原因不明の“炎症” 夫から「凄い老けたと言われてます」
  9. 小林麻耶、髪ばっさりショートボブに「とても軽いです!」 ファンも反応「似合います」「気分も変わりますよね!」
  10. キンタロー。浅田舞の社交ダンス挑戦を受け体格差に驚がく 「手足が長い!!」「神様のイタズラがすぎるぞ!!」