マジック界に現れた超新星! 中学生マジシャン「MH」が創り出す“不可能を可能にする”仕掛け(1/2 ページ)
おそろしいまでの才能。
まずは、この動画を見てください。
まるでCGのようです。わたし自身、初めてMHさんの動画をみたとき、動画編集をしてるのかと思いました。
しかし、このマジックはそういった映像のトリックではありません。なぜそう言い切れるのか? それは、目の前でMHさんが起こす魔法の数々を見てきたからです。
厳選! MHさんの超絶マジック
このマジックは、北海道の中学生・MH(@MHMHMHMagic)さんの演技です。
見渡せば、将棋には藤井七段、フィギュアスケートは紀平選手、卓球には張本選手と、十代半ばの才能が多く輝いています。そして、マジックの世界にもMHさんというすばらしい才能をもったひとが現れました。
MHさんはTwitterやInstagramで積極的に作品を発表しています。これまでに発表された動画は、Twitterに限定しても数十本、しかもほぼ全て、ちがう演技です。
マジックの分類はその基準もさまざまですが、そのうちのひとつに「技術(スライト)」と「仕掛け(ギミック)」があります。つまり、不思議な現象をみせるときに、背後にあるのがひとの技術か機械的な仕掛けか(そして、その両方を使うか)ということです。MHさんの動画を見ると仕掛けが多いように思われますが、あらためて全ての動画を見ると、技術もかなり高いことが分かります。
時間がある方は、MHさんのTwitterアカウントにアクセスして、最初から全ての動画を見てください。ここでは、わたしの選んだ4点を紹介します。
1.水平に交差するカード
「貫通」はマジックの現象でもポピュラーですが、多いのは垂直方向です。紙幣にペンを刺したのに、ペンを抜いたあとも紙幣に穴が空いてない、なんていうトリックを見たことはありませんか?
このように、「貫通」を現象とするマジックは、垂直方向の動きになることが多いのです。
しかし、MHさんの演技では、水平方向に見せています。まるでカードが部分的に混ざりあっているかのようです。
2.連続で色の変化するカード
トランプの裏側が変化する現象も、例えばマジックの世界大会であるFISMの2000年大会で優勝したHenry Evansが"Modern Times"という商品を発表しています。
その後も類似現象はいくつか発表されています。しかし、MHさんのような多段現象は、わたしはほとんど見たことがありません。
3.マークが移動するカード
これも、カードの表面が変化する現象としては、マークが移動するものもカードが一瞬で変化するものも、前例があります。ただ、これをひとつの道具で行うタイプは類例が少ないはずです。さらに、マークが移動する現象についても、これだけ複雑に変化するものは見たことがありません。
4.枠から現れるカード
これに至っては、何を見せられたのか、一瞬では理解できませんでした。まさに「ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」みたいな気持ちになります。
マジックの世界に降り立った超新星
去る2018年12月、マジックに関するNPO法人であるJCMAが主催するコンテストが行われました。事前にMHさんが出場するという話を聞いていたため、現地で演技を見てきました。
演技は、息継ぎをする間もなく、不思議なことが矢継ぎ早に起きるものでした。期待以上のすばらしさです。この「不思議」を作り出すのはどんなひとなのか。興味を抑えきれなかったので、MHさんに連絡をとり、お話を伺うことにしました。
――現在は中学生ということですが、何年生ですか?
MHさん:中学3年生、15歳です。
――マジックを始めた年齢ときっかけを教えてください。
13歳なので、2年前になります。テレビで見たセロ氏の演技の動画を見て、自分でもできるかもしれないと思い、ボトルにキャップが貫通するマジックを自作したのがきっかけです。
――そこで「自分でもできるかもしれない」と考えなかったら、今のMHさんはないかもしれませんね。この2年でたくさんの作品を発表されてます。ひとつの演技を作るときに、どれくらいの時間をかけますか?
ふと思い付いてから作るまでは、早くて10分ほど、長くて5時間くらい費やします。
――10分! 作品を作るとき、「どういう現象を起こすか」を先に考えるんですか? それとも「どういう仕組みを使うか」を先に考えるんですか?
現象を先に考えます。思った現象を実現する形です。
――それにしても、不思議な作品が多いです。動画を見たひとも「すごい!」と思ったあと、「これ、どうやって作ってるんだろう?」と考えるように思います。
私は現象として考えるのが苦手なので、とりあえずできる範囲で不可能なことを起こせるようにしています。
仕組みの面では、基本的に既存の仕組みを応用したものや、それらを組み合わせたもの、自然に起こる現象を都合よく組み合わせて構成します。
――「できる範囲」が広すぎる気もします。どういうときに思い付くんでしょうか? また、影響をうけたひとや、作品があったら教えてください。
突然思い付くので、時と場所はあまり関係ありません。ただ、何となくトランプを切ってみたり、手品のことを考えているときは閃きやすいです。
実際に作成時間として当てているのは学校から帰ってきて寝るまでの間です。気が向いたときに学校の課題や勉強をすることもありますが、それ以外はほとんどマジックに費やしています。学校でもつまらないときや暇なときは、仕掛けを想像しています。(笑)。
マジックを始めるにあたって影響を受けた方はセロ氏です。「ビジュアル」という点もここから来ていると思います。マジックの世界に入ってからはSansMindsのいろいろな作品に影響されてますますビジュアルなものに夢中になっていき、それからはNicholas Lowrence氏の現象にかなり影響を受けました。
――わたしも、そんな風に思い付くようになりたい……。作品を公開しようと思ったのは、なぜでしょう?
働くことができない年齢のため、「小遣い」として得ているものでは材料も道具も十分にそろえることができないので、自分で資金を作ればいいのではないかと考えたからです。
――マジックって意外にお金がかかるんですよね。非手品人には「トランプが一組あればいいんでしょ?」と思われがちですが。実際、トランプ一組でもいろいろできるんですが、それだけじゃないんですよね。作品を発表したあと、まわりはどういう反応ですか?
マジックを中心にしているのでもちろん、身内からは良い目で見られることはありませんが、(動画を見たひとからは)良い評価をもらうことができているようです。
ただ、僕が目標にしている「ビジュアル」「CGのような」に関心がない方も大勢居られることも分かりました。かなり反応が分かれるようですね。
――何かを作る才能のあるひとは、作ったものを世に出して、さらに新しい作品の糧にしてほしいなと、切に思います。肯定的であれ批判的であれ、反応があるということは、それだけひとの心を動かす力を持っていることの証明でしょう。お時間をいただきまして、ありがとうございました。
おわりに
わたしはマジックに触れ始めて20年近く経つので、当然、中学生のMHさんよりも長くマジックに関わってきたはずです。が、彼ほどの技術はありませんし、仕掛けについても知識がありません。もちろん、発想力も。
ただ、これはわたしだけではなく、20年30年とマジックに触れてきたひとであっても、同様ではないかと思います。まさに、マジック界に突如あらわれた超新星です。
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