欅坂46「不協和音」「サイマジョ」はどうやって誕生したのか 作曲家「バグベア」に聞く“ヒットの裏側”(1/3 ページ)
「サイレントマジョリティー」「不協和音」などの作品で知られる「バグベア」に「作曲家になる方法」などを聞きました。
欅坂46やAKB48、ラストアイドルなどに楽曲提供をする売れっ子作曲家ユニット「バグベア」を取材。「サイレントマジョリティー」「不協和音」といった人気曲の制作秘話や、ユニットを組んだ意外な理由、作曲家として活動するためにはどうすればいいのかなどをうかがいました。
「バグベア」が語る作曲家の仕事
「バグベア」は、メロディーの作曲を全般的に担当する「こぎみいい」さんと、トラック(歌がないインストゥルメンタル)制作やアレンジを担当する「ここみらい」さんによる2人組ユニット。作曲だけにとどまらず、作詞や編曲などマルチに活動し、2018年にはアイドルグループ「Sha☆in」が歌う西日本豪雨岡山復興支援チャリティーソング「僕は君を全力で笑顔にする」の楽曲提供を行っています。
――「音楽は進化するときが来た」をキーワードに活動されている「バグベア」のお2人ですが、出会いはどんな感じだったのでしょうか。
こぎみいい:僕とここみらいは高校生のときにやっていた音楽系の部活動の先輩後輩で、ここみらいについては「すごく音楽的センスがいい人だな」と思って注目していたんです。その後お互いに大学へ行ったり、就職をしたりしたのですが、ある日ここみらいから「栄養士として働いているんだけど、今の職場は酷くて……」という相談を受けたんです。それで話を聞いたらあまり良くない環境だと分かったので、「そんな目に遭う必要はないんじゃないの」という話をして、ここみらいの上司に連絡をしたんですよ。
――上司に連絡ですか、すごい……!
こぎみいい:結局ファミリーレストランで、僕とここみらいと、その上司と話し合いをして好条件でここみらいを退職させてもらうことになりました。最終的にそんな感じの職場をやめられたのは良かったのですが、僕が話し合いをして辞めさせてしまったので「責任取らなきゃ」と思って、「2人で音楽をやってみないか」と打診したのがはじまりです。僕の中では2人でやったら絶対いける、という確信があったんですよね。
――ドラマチックですね。そもそも作曲家というお仕事について、何となく分かっているような分かっていないようなところがあるのですが、どうやったら作曲家になれるのでしょうか。
こぎみいい:必ずというわけではないのですが、大体は「作曲家事務所」というものに所属する必要があります。
ここみらい:今は作曲家事務所自体がとても多いのですが、デモテープを送ったり、オーディションを受けたりして、お返事がもらえたら所属が決まります。作曲家事務所に所属すると、その後は各レコード会社などがやっているコンペに参加できるので、勝ち抜けば楽曲提供をすることができます。
――楽曲提供が決まった後、編曲などはまた作曲家が行うんでしょうか。
こぎみいい:コンペにもよりますが、基本的にはアレンジャーさんという方々がアレンジしてくださったりします。僕たちの場合はトラックメーカーのここみらいがいるので、あまりイメージが変わるということはないですね。
――イメージが変わって良くなった曲はありますか。
こぎみいい:ラストアイドルの「愛しか武器がない」は当初ごりごりのEDM系で結構重たい曲だったのですが、ラストアイドルに沿った感じにアレンジしてもらったなと思います。ストリングスなどが加わったので、ジャンルが変わった感じがしてよくなりましたね。
――お2人はどうやって作曲家のお仕事を知ったのでしょうか。
こぎみいい:もともとはアーティストを目指していたのですが、早稲田大学の文化祭で偶然「SCS」というアカペラサークルに所属していた杉山勝彦さん(※)のステージを見たんです。そこで杉山さんが「今年から作曲家になりました。嵐に楽曲提供します」とお話しされているのを聞いて、「作曲家という仕事があるのか!」と衝撃を受けました。作曲家になるきっかけを作ってくださったのは間違いなく杉山さんです。
(※)杉山勝彦さん……嵐「冬を抱きしめて」、乃木坂46「制服のマネキン」「サヨナラの意味」、家入レオ「ずっと、ふたりで」などを手掛ける作家。作詞・作曲・編曲などを手掛けながら、上田和寛さんとのフォークデュオ「TANEBI」のギタリストとしても活動している。
――バグベアのお2人は年間何曲ぐらい作曲されるのでしょうか。
こぎみいい:これまでは年間200曲以上作っていましたが、最近はクオリティー重視なので、100曲ぐらいでしょうか。100曲書いて、その中から選んで、仕上げてコンペに出すという感じです。
ここみらい:Aメロ〜Bメロ〜サビまでのワンコーラス(90秒ぐらいのもの)を作っていきます。
――作業工程はどんな感じなのでしょうか。
こぎみいい:流れとしては、ここみらいが作ったトラックをもらって、それに僕が歌詞やメロディーをつけていくという形になります。「どんなトラックにするのか」については、はじめにかなり時間をかけてミーティングをするようにしていて、そのなかで「こういうコード進行にしよう」とか「こんなイメージにしよう」と決まったものをここみらいが作ります。
ここみらい:トラックとは歌がないインストゥルメンタルのことで、カラオケ音源をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。まずは1パターン作ってみて、「イメージと違う」と言われたら直してという感じで作業していきます。
こぎみいい:それを聞いて後はインスピレーションでメロディーをつけていくのですが、ここみらいのトラックって結構予想外のものが出来上がってくることが多いんですよ。あえて外してくるっていうよりは発注通りできないみたいで(笑)
ここみらい:逆にこぎみが合わせてくれるよね(笑)。
こぎみいい:でもそれがここみらいの個性で良いところだなと思っていて、ここみらいの感性に自分の音楽を掛け合わせると、さらに上がるような感じになったりするんです。最初に思っていたのとは違って予想外のものができるから、化学反応的な何かが起きるというか、面白くなるんですよね。
――作曲家さんの1日ってどんな感じなのですか。
こぎみいい:お互いすごく近くに住んでいるのですが、僕の自宅にスタジオがあるので、ここみらいが出勤してきます。夜から来てもらって朝まで作業し続けるときもありますし、本当に寝に帰るだけという感じのときも多いので、漫画家のアシスタントさんみたいな生活ですね。
メチャカリのCMで流れる「サイレントマジョリティー」を聞いて号泣
――曲を作るのにはやっぱりかなり時間がかかるんでしょうか。
こぎみいい:いや、僕たちはかなり早い方だと思います。最短だと……3分でできた曲がありますね。そのときは本当に時間がなくて、ここみらいに適当なトラックを流してもらってそこに曲を1発でつけて録ってという感じでした。僕たちはコンペに出す仕事が多いのですが、打率が高いのはそういう1発でできた曲ですね。逆に時間がかかったのは、「僕戦(ぼくせん)」かなぁ。
――欅坂46(FIVE CARDS)の「僕たちの戦争」ですか。あの曲良いですよね……!
こぎみいい:すごく気合を入れて作った曲なので良かったです(笑)。「僕戦」はAメロBメロで転調するという変わった構成にしているのですが、そういうギミック的なところで苦労しました。坂道AKBGだとサビで転調する曲はあっても、ABメロで転調する曲って珍しいと思うんですよね。そのあたりはかなり工夫して作っています。
――コンペのお話が出てきたので、気になっていたことを聞いてみたいと思うんですが、坂道AKBGの曲って秋元康さんの作詞がマストですよね。あの詞ってコンペの段階でもうできているものなのですか。
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