なぜ最近のヨーグルトはフタの裏にくっつかないのか?
お手元のヨーグルトを食べながらご覧ください。
カップのヨーグルトを食べるときの悩み第1位といえば、「ヨーグルトがフタの裏についてしまうこと」ではないでしょうか。フタの裏のヨーグルトをスプーンで取ろうとしても取り切れず「もったいないなあ」と思った経験、ありませんか?
一方で、「昔に比べて、最近はフタの裏のヨーグルトを気にすることが減った」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
その通り、最近のヨーグルトはフタの裏にくっつかないものが多くなっています。これは一体どういうことなのでしょうか?
ヨーグルトがつきにくくなる加工「ロータス効果」
最近のヨーグルトのフタは、「ロータス効果」と呼ばれる効果を利用し、裏にヨーグルトがつきにくくなっています。
このタイプのフタを触ってみると、なんだかザラザラしているのが分かると思います。表面を見てみると、細かい凹凸がつけられているのも分かります。
この細かい凹凸が空気の層を作り出すことにより、フタに付着したヨーグルトも玉のようになって簡単にフタから流れ落ちるようになっています。このような現象が「ロータス効果」です。
「ロータス」とは「ハス」のこと
ところで、「ロータス効果」の「ロータス」とは英語で「ハス」を意味します。
ハスの葉の表面についた水滴は、玉のようになってきれいに転がり落ちます。
これは、ハスの葉の表面にびっしりと生えた繊毛が細かい凹凸を作っているためです。そして、この構造にヒントを得て開発されたものこそが、今回取り上げたヨーグルトのフタに利用されている加工です。
このヨーグルトのフタの加工は、生物が持つ優れた構造を人工的に再現し、新しい技術を作り出した一つの例といえます。
登場からはや7年
この技術を業界で初めて採用したのは、森永乳業です。
同社のサイトによると、東洋アルミニウム社と共同で製品化に取り組み、初めてこのタイプのフタの製品を売り出したのは2011年10月。そして、そこから他社のヨーグルトにも広まっていきました。
ということは、このフタが登場してからもう7年以上がたっているということになります。地味な変化かもしれませんが、こうして世界はちょっとずつ良くなっていくと思うと感慨深いですね……。
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