いま「宅配ボックス」が増えているワケ 三種の神器(テレビ・冷蔵庫・洗濯機)に代わる必須アイテムを目指して

パナソニックの開発者に話を聞きました。

» 2019年01月31日 10時30分 公開
[戸部マミヤPR/ねとらぼ]
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 「宅配ボックス」をご存知でしょうか? マンションのエントランスなどでよく見かける設備で、家主が不在のときでも宅配物を受け取ってくれるステキな箱です。

 家にいながら買い物ができるオンラインショッピングは便利ですが、荷物の受け取りに時間を割かれてしまっては本末転倒。「配達があるから休日外へ出られない……」なんてことになったら目も当てられません。そんな悲しい事故を未然に防いでくれるのが宅配ボックスで、近年は戸建てのお宅に設置されるケースも増えています。


宅配ボックス 戸建て用の宅配ボックス

 また2017年には「宅配クライシス」という言葉を耳にするようになりました。Amazonや楽天が大躍進を遂げる裏で、宅配業者が労働者不足に陥っているというのです。オンラインショッピング文化がますます発展していく以上、無駄な再配達を減らす宅配ボックスの普及は未来に向けた課題のひとつといえるでしょう。

 私たちの未来を担う宅配ボックスのことをもっと知りたい! というわけで実際に使っている人と宅配ボックスを作った人にそれぞれ話を聞いてきました。

宅配ボックスが家族に笑顔を

 じつは現在、パナソニックは世田谷区で実証実験の真っ最中。なかなか荷物を受け取れない「共働き家族」に宅配ボックスを配布し、それによって生活がどう変化するか検証しているんです。


宅配ボックス 荷物を受け取れない「ウケトレネーゼ」を救いたい

 そこで今回は参加者の一組である三田家にお邪魔し、実際に使ってみた感想をお聞きしました。


宅配ボックス ご協力いただいた三田さん

―― 本日はよろしくお願いいたします! そもそも、なぜ実験への参加を決めたのでしょうか?


夫も私も働いていますから、家を留守にしがちで……。それに家にいても受け取るのが難しい場合もありますから。「こんなにステキなものがあるならぜひ!」と二つ返事でした。



―― 受け取るのが難しい場合というのは……?


家事をしているとインターホンに気づかないことが多いんです。屋上でお洗濯物を干していると、急いで玄関まで降りても間に合わなかったりしますし。



―― なるほど。掃除機の音で聞こえないなんてこともありそうです。


子どもから目を離したくないタイミングもありますね。宿題に集中させてるときにピンポンが鳴ると「あ〜、今いいところだったのに」って。せっかく来てもらって申し訳ないんですが。



―― 子育てあるあるですね。そうした煩わしさは、宅配ボックスの設置で解消されましたか?


解消されました! これまではネットでお買い物するのにちょっとだけ抵抗があったんですよ。「受け取れなかったらどうしよう」みたいなモヤモヤを抱えていて。でも、今はこの子(宅配ボックス)がお留守番していてくれるから、とっても気が楽ですね。


―― 受け取りのことを考えずに注文できるようになったんですね。


そうです。宅配のお兄さんも「今度からこの箱に入れちゃっていいんですか!?」って満面の笑みで喜んでいて。すごく印象的でした。



―― 他に生活で変わったことはありますか?


宅配ボックスを置く以前は、日曜に宅配便が来ると家族でバチバチしちゃうことがあったんです(笑)。お休みの日の午前中ってピンポンが鳴っても出たくないんですよ。パジャマだしお化粧もしてないから。でも旦那や子どもも動かないし……。


―― 「誰か行ってよ〜」みたいな空気が。


でも今はそんなことないから。みんなニッコリ。



―― 宅配ボックスが家族に平和を!



宅配ボックス ヒーローなのか

―― 逆に要望はありますか? ここをこうしたらもっと良くなるのに、みたいな。


欲を言うなら複数の荷物を受け取れるようにして欲しいです(笑)。一度にひとつの荷物しか入れられないから。うちは上の子もネットで買い物するので、たまにバッティングしてしまうことがあるんですよね。そうすると、後から届いた荷物は普通に再配達になっちゃう。


―― 現状だと、新しくもう一台設置するしかないですからね。


でも、それだけ頼りにしてるってことです! 想像していたよりもずっと便利でした。




宅配ボックス 両手で抱える大きさのダンボール(27cm×38cm×29cm)が余裕で入りました

宅配ボックス 判子(シヤチハタ)をセットしておけば捺印までしてくれます

 三田さんは宅配ボックスの便利さにかなり満足しているようでした。続いて宅配ボックスを作った人にも話を聞いてみましょう。パナソニック ハウジングシステム事業部の藤野さんです。

三種の神器(テレビ・冷蔵庫・洗濯機)に代わる必須アイテムに


宅配ボックス パナソニック ハウジングシステム事業部 藤野光久さん

―― 実際問題、宅配ボックスの設置率はどれくらいなのでしょうか?


新築のマンションにはほぼ必ず設置されるようになりましたが、戸建て住宅への普及はまだまだこれからで、全国的な設置率は2%程度にとどまっています。「一家に一台」を目指して頑張っている状況です。



―― やはり「宅配ボックスのある建物に住んで初めて存在を知る」という方が多いのでしょうか?


そうですね。戸建て用の宅配ボックスを検討してくださるのも、過去にマンションで宅配ボックスを利用していた方が多いです。ですが「宅配クライシス」以降はテレビで宅配ボックスを取り上げていただいたりもして、認知度は上がってきているように思います。年間売上もここ3年で10倍近くまで伸びました。


宅配ボックス カラーバリエーションも豊富に

―― 10倍! 宅配ボックスは使ってみれば便利さがわかるんですが、どうやって知ってもらうかという課題が大きいのかもしれませんね。


本当にそう思います。利用者向けに実施したアンケートでは「(宅配ボックスを使うまでは)再配達を頼むたびに申し訳ない気持ちになっていた」「受け取り日を気にしなくていいからオンラインショッピングが楽しくなった」のような心理的なメリットを挙げている方も多くて。こうした効果は自分で使ってみないとなかなか実感できませんから。


―― 自分は宅配ボックスのあるマンションに住んでみて、Amazonで安心してゲームソフトを予約できるようになったのがうれしかったです。もしも再配達になっちゃうと、翌日まで悶々と過ごさなきゃいけなかったので。「早く遊ばせてくれ〜!」って。


オンラインショッピングを使う理由も人それぞれですから、さまざまな需要に応えられるのが宅配ボックスの魅力だと思います。子育て中のお母さんからは「家にいても授乳中だと受け取れない」といった声が上がっていますし、玄関まで歩くことすらままならないご年配の方もいらっしゃいます。お留守番中のお子様や一人暮らしの女性の場合、そもそも玄関の扉を開けたくないという方もいるでしょう。


―― 全方位完璧だ……。そういった利点を知ってもらうための取り組みは行っているのでしょうか?


自治体や宅配業者と協力しながら、一般のご家庭やアパート向けに実証実験を行ってきました。地域の宅配業者さんも含めて、参加者の皆さんには喜んでいただけていますね。



宅配ボックス 忙しい学生の多い京都で、アパートに宅配ボックスが配布された

―― 実験の結果をふまえて、宅配ボックスの機能を改良したりも……?


箱自体の改良というわけではないのですが、お客様ご自身で宅配ボックスを設置するための「取り付け金具」を販売するようになりました。それまでは専用の工事を依頼していただく必要があったのですが、お客様ご自身での設置を可能とすることで設置に対するハードルを下げました。



宅配ボックス 購入してすぐ自分で設置できるように

―― あっ、宅配ボックスも金具もAmazonで買えるんですね。「30分程度で設置できる」って書いてある。



作業量的には組み立て式の家具を作るような感覚ですね。電源も不要なのでお好きな場所に設置いただけます。



―― えっ……。そんなに簡単に設置できて、防犯とか大丈夫なんでしょうか? 箱ごと盗まれたりとか。


コンクリートの土台に設置していただければ、成人男性の力でもまず持ち上げられないかと。箱自体も相当な重さと大きさですし……。さらに地面に固定するためのアンカーも同梱しています。



―― 本気で盗もうとしたらまあ目立ちますよね。通報されます。


ちなみに耐久性に関してはお客様に安心してお使い頂ける様しっかりテストを行っています。雨や風はもちろん、ある程度の地震にも耐えられる設計です。



―― 利便性も安全性もバッチリで、宅配業者の方にも喜んでもらえる。いいことしか無いじゃないですか。


しかも配達には車を使うので、再配達が無くなれば排気ガスの削減にもつながります。環境にもいいんです。



―― いいこと、まだありましたか。


本当に宅配ボックスはお客様も宅配業者さんもメーカーも笑顔になる「三方よし」の商品なんです。ですから我々としては、本当に「一家に一台」があたりまえになるくらい普及させたい。1950年代にはテレビ・冷蔵庫・洗濯機の必須家電を指して「三種の神器」と呼んだりしました。今では宅配ボックスこそが、日本の新しいライフスタイルに必要な「新・三種の神器」だと思っています!


がんばれ、宅配ボックス!

 漠然と「最近増えて便利だな〜」くらいに捉えていた宅配ボックスですが、その裏には社会問題への危機感と、普及に向けた関係者の努力がありました。

 「自分で受け取れるから大丈夫」「面倒だけど再配達を使えばいいや」、そんな声ももちろんあるでしょう。ですが宅配ボックスはマイナスをゼロにするに留まらず、「家族の笑顔」「楽しい買い物」というプラスの状態まで引き上げてくれる可能性を秘めています。一家に一台への道は長いかもしれませんが、がんばれ。宅配ボックス!

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アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2019年2月6日