幸せを運ぶ魔法使い、メリー・ポピンズが戻ってきた! 「メリー・ポピンズ リターンズ」主演女優を前に童心に返ってみた
スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス!
1964年に公開された映画「メリー・ポピンズ」は、実写とアニメーションが織り交ぜられた革新的な映像と、印象的な音楽やダンスで今なお愛されている作品です。
55年前、メリー・ポピンズにたくさんの夢をもらったジェーンとマイケルでしたが、大人となりすっかりメリー・ポピンズの存在や、子どものころの夢を忘れてしまいました。2019年、そんな彼らのもとに、幸せを運ぶ魔法使い、メリー・ポピンズが戻ってきます。
2月1日から全国公開となった「メリー・ポピンズ リターンズ」で、主人公のメリー・ポピンズを演じたエミリー・ブラントが初来日。彼女が「メリー・ポピンズ」に抱く思い出や、今作への思いを聞きました。
―― 「すぐ戻ってきてね」から半世紀以上がたちましたが、私たちは再びメリー・ポピンズに会うことができました。前作のメリー・ポピンズ像をどう捉えていましたか。また、前回を特に生かした点、もしアレンジした点があれば教えてください。
エミリー・ブラント(以下、エミリー) そう、50年もたってしまったのよ。皆さんも、そして私もまた会いたかったメリー・ポピンズは、前作でジュリー(ジュリー・アンドリュース)があれだけの光り輝く演技を見せてくれたおかげで、今回、私がメリー・ポピンズを演じることができたのだと思っています。
ただ、幼い頃にオリジナルを見たことはありましたが、今回キャスティングが決まってからは、あえて見ないようにしていました。というのも、まねをするのではなく、私なりのメリー・ポピンズを演じたかったから。それは周りのキャストやスタッフも同じ気持ちで、オリジナルを大切には思っていましたが、模索する勇気が必要だったんです。
―― では、子どもの頃に見た「メリー・ポピンズ」の思い出を教えてください。
エミリー 私が最初に見た作品は「王様の剣」で、次に見たのが「ライオンキング」。この2作品を含めた多くのディズニー作品が全て大好きだったけれど、中でもやはり「メリー・ポピンズ」は特別でした。子ども心に、空を飛べるのは本当に憧れていましたし、ディズニー作品の中でもしなれるなら、やっぱり私はメリー・ポピンズになりたいと答えます。
―― ディズニー作品は特別なものが多いのですね。
エミリー ええ。なぜディズニー作品に特別な気持ちを抱くかというと、ディズニーが子どもたちを見くびらないから。魔法のような世界に連れて行ってくれると同時に、その中心には深遠なテーマがあるからで、それは「メリー・ポピンズ」も同様だと思います。
―― ぜひ“メリー・ポピンズとして”お伺いしたいのですが、大人になって、すっかり夢を忘れてしまったバンクス家の子どもたち――ジェーンとマイケル――との再会はどうでしたか?
エミリー とても楽しかったしうれしかったです。ジェーンとマイケルはすっかり大人になっていたのに、私は相変わらず彼らを子ども扱いしていて。でもそれは、当時から現在にいたるまで、彼らに深い愛情を持っていたから。「もう大丈夫ね」と思って別の家族の下に行ったのに、戻ってきたら家はぐちゃぐちゃで、マイケルの子どもたちは好きにやっていて、全く大丈夫じゃなくて驚いたの。そこで、この家にまた秩序をもたらさなきゃという使命と、マイケルが失ってしまった童心を取り戻させようと決めたんです。
―― 「メリー・ポピンズ」の代名詞である空から現れるシーンや、アニメと実写が合成されるシーンなど、前回から踏襲し、さらに現在の技術だからこそできる表現力にあふれたシーンがありました。あなたが一番好きなシーンを撮影時の裏話も含めて教えてください。
エミリー バスタブのシーンはとても楽しかったです。あのシーン、実際には泡だけで水は入っていなくて、バスタブには穴が空いていて、すべり台のように下に滑っていけるようになっていて。だから、子どもたちはあのシーンの撮影中、大興奮だったの!
でも、監督から「エミリーは背中向きで入ってね」と言われて、頭を打ったらどうしようと思って、最初のテイクはスタントウーマンにお願いしたのですが、見ていたら楽しそうで、最終的には自分で演じることにしたんです。
このシーンを気に入っているもう一つの理由は、それまで子どもたちに厳しく接していたメリー・ポピンズが、初めて喜びをあふれるような顔を見せたから。そのときの彼女の表情は、私自身とっても印象的でした。
―― とはいえ、基本的には、メリー・ポピンズは感情に流されない人物だと思っています。でも、今回も旅立つシーンがあり、そのときはとても絶妙な、寂しそうだけれども、一見すると分からないような感情を表現しているように感じました。そのときの思い出はありますか?
エミリー 私自身、感情に抑制を効かせた演技がとても好きです。もともと、彼女は去らなくてはならない前提があるから、人間関係に距離を置くようにしている。でも、彼女は家族が大好きだから、本当はとってもつらい。あなたが感じたように、彼女のそうした繊細な感情が伝えられたのならすごくうれしいです。でも、彼女が去るシーンは、見ている方もすごくつらいと思う。そうしたチャーミングでミステリアスな雰囲気が、彼女の魅力なんですけどね。
―― メリーを表現する上で、歌ったり踊ったり、自転車に乗ったり、空を飛んだりしていましたが、一番大変だったシーンは?
エミリー ダンスね。ダンス自体の経験はありましたけど、ハリウッド的な大がかりなダンスは初めてだったので。初日に監督から帽子とつえを渡されて、最初のシーンのリハーサルを9週間ずっとやっていたのは大変でした(笑)。でも、それも俳優の楽しみだと思うから、すごくいい経験でした。
―― 共演した他の俳優についてもお聞かせください。さまざまな名優が出演していますが、とりわけ前作にも出演しているドース・ジュニア役のディック・ヴァン・ダイクは93歳とは思えない軽やかな演技でした。現場ではどうだったのでしょうか。
エミリー 彼は本当にマジカルな……まるでユニコーンのような奇跡の存在でした。生命力とユーモアにあふれていて、それでいてすごくシャープ。デスクに飛び乗ってタップダンスをするシーンでは、私と、ジャック役のリン=マニュエル・ミランダが手伝おうとしたのに、彼はそれを必要とせずに、いきなり自分で机に飛び乗って。あまりにも軽やかだったから、一瞬「幻かな?」と思ったくらい(笑)。でも、そのくらい特別な役者である彼と時間を分かち合えたのはとてもいい時間でした。
―― 原作小説はシリーズとして8冊出ていますが、今後またエミリーのメリー・ポピンズが子どもたち、そして大人たちのもとへ来てくれることはあるのでしょうか。
エミリー もちろんまた演じたいし、私もまた彼女に会いたいと思っています。クランクアップ後、もう彼女を演じられないことがずっと悲しくて仕方なくて。皆さんが今回のマイケルのように童心を忘れてしまったら、また会いに来たいと思います。
―― いつかまたメリー・ポピンズが空から降りてきてくれるのを楽しみに生きます!
(C)2019 Disney. All Rights Reserved.
関連記事
- ディズニーを”聖なるもの”として扱わなくてもいい――風刺やネット文化を詰め込んだ「シュガー・ラッシュ:オンライン」を監督2人が語る
ザンギエフの声を当てたリッチ・ムーア監督「僕のロシアなまりは最悪だろ(笑)」。 - ディズニープリンセスは主役なのに脇役男性よりせりふ少ない 米言語学者のディズニー映画研究が話題に
主役でも、男性脇役よりせりふが少ないプリンセスは、回りから外見を褒められてばかり? - ディズニーやってくれたな! 映画「ライオン・キング」最新映像が公開、もふもふシンバが実写並のクオリティー
シンバかわええええ! - 絶対泣いちゃうやつだこれ! ティム・バートンが実写映画化した「ダンボ」の日本版本予告が公開
“空を飛ぶ才能”開花シーンも。 - アミ・トンプソンはいかにして20代でディズニー「シュガー・ラッシュ:オンライン」のアート・ディレクターとなったのか
リッチ・ムーア監督が「間違いなくスーパースター」と絶賛する才能の塊に聞きました。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
-
「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
-
“ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
-
高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
-
「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
-
「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
-
「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
-
“歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
-
黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
-
走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
- 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
- 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
- ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
- 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
- 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
- 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
- フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
- 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
- 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
- ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
- 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
- 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた