教えて、賢い人! 論文、特許から考える「缶入りコーンポタージュをコーン残さず飲みきる方法」

あのモヤモヤ感のない缶コンポタが飲みたい。

» 2019年02月02日 12時00分 公開
[ねとらぼ]

 自販機で売られている缶入りのコーンポタージュは手軽に飲めるけれど、つぶつぶのコーンが中に残ってしまう点が悩みどころ。誰もが一度は、飲み口をのぞきこんで、もう少しで出そう(だけど出ない)なコーンにヤキモキした経験があるのでは?

 何とかして、コーンまで残さず飲むことはできないのでしょうか。今回は論文などの情報をもとに「賢い人たちが考えた“最強の缶入りコーンポタージュの飲み方”」をご紹介します。

コーンが出ないなら、飲み口の段差をなくせばいいじゃない

 2016年、新潟国際情報大学では「缶入りコーンポタージュの粒コーン飲み干しに関する研究」という論文が発表されました。同大学経営情報学部の教授・上西園武良氏らによるもので、内容はタイトル通り、「どうしたらコーンを残さず飲み干せるのか、実験で明らかにしよう」というものです。

 コーンポタージュの粘性などを再現した透明な液体などを用いて、以下の2パターンの飲み方をシミュレーションしています。

  • A:缶を大きく傾けて、少ない回数で飲みきる
  • B:缶をあまり傾けず、多い回数で飲みきる

 Aで残ったコーンが平均8.4個だったのに対し、Bは平均12.6個。この差について「(Bのように傾ける角度が小さいと)流速が小さくなってしまい、粒コーンが飲み口の段差で引っ掛かりやすい」と考察しています。

 しかし、視点を変えると、これは「流速が違ったとしても、そもそも飲み口の段差が無ければコーンは出てくる」ということ。飲み口の段差を削った缶を使うと、A、Bともに残ったコーンの個数は平均1個強まで減ったといいます。なーんだ、缶の形状をちょっと変えるだけで解決するんじゃないですか。


画像 「飲み口の段差をなくせば、飲み方が違ってもコーンがほとんど残らない」という結果に(「缶入りコーンポタージュの粒コーン飲み干しに関する研究」より)

 ただし、同論文によると、あのコーンが引っ掛かる飲み口の段差部分は「缶の上と側面の接合部となっているため、完全に無くすことは難しい」とのこと。そのため、飲み口ではなく缶の側面を加工して「実質的に段差がない状態」を作るべきだと結論づけています。

飲み口の段差が邪魔なら、缶の内側に出っ張りを付ければいいじゃない

 では、「側面の加工により、飲み口の段差が“実質的にない”缶」とは、どのようなものなのか。上西園氏の論文が公開される約10年前、坂根環境デザイン事務所(広島県)は、まさにこのアイデアを実現したかのような特許を出願しています。

 公開特許公報によると「缶の飲み口付近の内側に出っ張りを設ける」という仕掛け。こうすることで「(コーンなどが)段差に引っ掛からないで飲食できる、飲みやすい飲料水缶」が実現できるとしています。


画像 該当の特許情報(特開2007-153441)

 確かに特殊な構造の缶を使えば、コーンが残らないコーンポタージュは作れるかもしれません。では、何となく自販機で購入したものが、普通の缶だったらどうすればいいのでしょうか。実はそんなときに役立ちそうなライフハックが、2012年にネット上で話題を集めたことがあります。

「内側に凸」が必要なら「外側から凹」でいいじゃない

 話題になったツイートは「飲み口の下を少しつぶしておくと、コーンまで残さず飲める」というもの。投稿者は、ある流体力学の先生の話を又聞きしてチャレンジしたそうですが、本当に効果があったとのこと。ねとらぼ編集部でも検証を行ったところ、コーンは一粒も残りませんでした。

 先に取り上げた論文や特許を踏まえるなら、このやり方は「段差を無効化する『内側の出っ張り』を作るために、『外側からへこませる』アプローチ」ということができそうです。


画像 ツイートが注目を集めた2012年、ねとらぼ編集部もやってみました


画像 飲み口の下をベコッ


画像 飲み終わったところ。一粒も残ってない!

 もうちょっとで飲めそうなんだけど……と飲み口に引っ掛かったコーンとにらめっこする、あのモヤモヤ感を味わいたくないときは、試してみる価値がありそうです。

主要参考文献


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた