「オヨ〜」が口癖 宇宙人プリキュア“キュアミルキー”は2本の触覚かわいい 「スター☆トゥインクルプリキュア」2月を振り返る:サラリーマン、プリキュアを語る(2/2 ページ)
星奈ひかるもかわいい
ここまで羽衣ララのことを中心に書いてきましたが、実はピンクのプリキュア、キュアスターこと星奈ひかるも、カッコよく、そしてかわいいのです。
一見無邪気で何も考えずに行動するキャラクターに見えるのですけど、きちんと芯のある行動を取れる良い子なのです。
「なりたいならさ。なればいいんだよ、プリキュアに」。
「わたしは、わたしだし。ララちゃんは、ララちゃんだよ」。
「できないなんて、決めつけは無しだよ!」。
プリキュアを象徴するようなセリフが、たった3話の中でも星奈ひかるの口からたくさん発せられています。
星奈ひかる(キュアスター)というポジティブで明るく前向きな、いわば従来のプリキュアを象徴するような主人公タイプのプリキュア。
羽衣ララ(キュアミルキー)という、全く新しい価値観を持つ宇宙から来たプリキュア。
この文化の違う相反する2人が出会うところから「スター☆トゥインクルプリキュア」がスタートしたことは、15周年を終え新たな1歩を踏み出していくプリキュアシリーズを象徴しているようで面白いですよね。
異文化交流は食文化から
第2話で、星奈ひかるが羽衣ララに「おにぎり」を渡すシーンがありました。
少し話が変わるのですけど、自分「クレイジージャーニー」っていう世界中の変わった場所を紹介するテレビ番組が好きなのです。その中でも丸山ゴンザレスさんが世界中の危険なところに行っては、その土地の危ない文化を紹介する話があるのですよね。そのとき、とにかく現地の人に勧められた謎の食べ物とかを躊躇(ちゅうちょ)なく食べるのです。
確か「異文化交流の第一歩は『食文化』を受け入れることで、おいしそうに食べると現地の人が心を開いてくれる」みたいなことを言っていたと思います。
第2話では、星奈ひかるは、羽衣ララが持っていた宇宙人の食べ物「コスモグミ」をキラキラとした目で見つめ躊躇なくおいしそうに食べた上で、ララに日本の食べ物「おにぎり」を勧めました。
おにぎりに躊躇する羽衣ララに対し、言います。「何事も経験だって! 食べてないのに決めつけはなし!」。
(この「決めつけないこと」が、後のララがプリキュアになる伏線にもなっているのも面白いですよね)。
地球人と宇宙人の「異文化交流」を描く上で、最初に持ってきたエピソードが「食文化の交流」であったことは、本当に素晴らしいことだと思います。
プリキュアシリーズでは異文化交流の第一歩として食べ物が良く使われます。「いちごメロンパン」であったり「ドーナツ」であったり。異文化交流の第一歩は食文化から。相手の食を受け入れ、こちらの食を知ってもらう。
子どもたちが「自分とは違う存在」に出会ったとき、「まずは、ごはんを食べよう」というメッセージになっているのは、ものすごく良いことなのではないかと感心しました。
とにかく! このとってもかわいい「キュアスター(星奈ひかる)」と「キュアミルキー(羽衣ララ)」、2人で始まった「スター☆トゥインクルプリキュア」。この先残りの2人も加わってどんな展開が待ち受けているのでしょうか。とっても楽しみです。
あ。前作「HUGっと!プリキュア」最終回にも少し言いたいことがありました。
賛否を呼んだ「HUGっと!」最終回
前作「HUGっと!プリキュア」は多様性を前面に押し出した作風で大きな話題を呼びました。「初の男の子プリキュア」を始めとしたその多様性の主張は子どもたちに無限大の未来の可能性を提示し、たくさんの大人にも受け入れられ、また商業的にも大成功を納めました。しかし同時に、一部では「直接的すぎる一方的な主張」が苦手だ、という人も多数生んでいたようです。
「HUGっと!プリキュア」の最終回はかなりの賛否を巻き起こしました(自分の観測範囲内のお話ですけどね)。
(メイン視聴者の子どもたちのことは取りあえず置いておいて)プリキュアというシリーズはどんなにツラい展開があっても、最終的にはハッピーエンドが保証されてきたアニメです。どのプリキュアシリーズも「いろいろあったけど、最終的にはみんな幸せになって良かったね」で終わっていたのです。そしてそんな「ハッピーエンドの信頼」の基にプリキュアを見てきた(一部の)プリキュアファンは、(特にえみるとルールーや未来に帰っていったキャラ周りで)ハッピーエンドとも、そうともいえない曖昧に解釈される終わり方に対して、複雑な心境を抱いたようです。
全員を幸せにしてほしかったのです。どんな展開であれ「いろいろあったけど、まるっと全部解決して、出てきたキャラクター、みんな幸せになって良かったね」で終わってほしかったのだと思います(あくまで個人的な見解ですけど、自分もどちらかというとそちら寄りの考えです)。ややモヤモヤするえみるとルールー周りの終わり方はそれを感じずにはいられませんでした。
もちろんあの最終回で良かった、という方も数多くいるでしょうし、そちらの方が多数なのかもしれません。
プリキュアの最終回の展開が、ここまで賛否両論だったのは近年では珍しい出来事だったと思います。それほどまで、「HUGっと!プリキュア」はたくさんの人に愛されていたシリーズだったのだと思います。
スタプリで描く「当たり前」
一方、媒体でのインタビューなどを見ていると、「スター☆トゥインクルプリキュア」では、「多様性」は、子どもにとってはそこにあるのが当たり前なので、あえてそこを主張する必要もない、という考えのようです。
「子どもたち! 多様性を大事にしよう!!」ではなく、「子どもたちにとって多様性なんて普通にあるから、そんなことわざわざ描く必要はないよね。それよりも『自分と違う誰か』に出会ったとき、どんなことをして仲良くなる?」を1年間かけて描いていくようですね。楽しみです。
一方的な主張を押し付けるのではなく、相手のことを知ることから始める。
その相手のことを知るためにも「想像力」が大事、に展開していくのだと思います。
「見えない壁を作らないで」
「想像力から始まる」
をエンディングで子どもたちに向けて歌っている「スター☆トゥインクルプリキュア」。
2019年のプリキュアも、きっと子どもたちへの未来への道しるべになっていくのだと思います。この先も本当に楽しみです!!
見逃し配信もあります
「スター☆トゥインクルプリキュア」は、民放テレビ局が連携した公式テレビポータルサイト「TVer」による見逃し配信がスタートしています(プリキュアシリーズの見逃し配信はシリーズ初の試みです!!)。
見逃し放送の配信は、放送終了後から次回放送が始まるまでの1週間となっています。見逃してしまった方、この機会にぜひ!!
あと、オープニング、エンディングも配信開始しています。「80年代ポップ調のエンディング」は特にオススメです! ぜひ! 見てみて!
毎週日曜8時30分より
ABC・テレビ朝日系列にて放送中
(C)ABC-A・東映アニメーション
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