「店員さんが来ると黙るカラオケ」「謎に年の離れた友達」オタクの楽しさあるあるとは? 『トクサツガガガ』丹羽庭×劇団雌猫対談(3/3 ページ)

» 2019年04月10日 20時00分 公開
[青柳美帆子ねとらぼ]
前のページへ 1|2|3       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

オタ趣味をオープンにするのか問題

ユッケ 『ガガガ』の仲村さんは、会社ではオタクであることを隠している“隠れオタ”。オタクであることをオープンにするしないは人によって分かれますが、丹羽先生はどちらですか?

丹羽 必要でなければ言わない派です。チャラ彦(仲村の同僚。明るいチャラい男だが、やや無神経な面がある)のように、悪い人間ではないけれど、相手の趣味を気にせずに誰にでもしゃべってしまう人もいるので、人によって自分のオタ趣味の公開レベルは変えたいと思いますね。オタク友達の友達に会うときも、事前に「ここまではお互いオタの話をしてOK」と打ち合わせをします。逆に「この人二度と会わないだろうな」という人にはベラベラしゃべります。

もぐもぐ なるほど、今後も付き合いがある人のほうが慎重になるんですね。私はオタクになったのが遅かったので、「これハマったので教えてください!」という意味でどんどん明かしてました。でも、会社ではそんなに触れないかなあ。オタ趣味のある人が多い業種ですけど、みんながみんなビミョーな機微をわかるわけじゃない。「もぐもぐさん詳しいよね? これについてコメントしてよ」みたいに言われるのがイヤだなって。

丹羽 なんでも話したいわけじゃないんですよね。例えば嵐ファンの人も、「嵐活動休止するんでしょ?」と職場で世間話としてコメントをとられたいわけじゃないと思うんです。「今は! その話は! しないで!」みたいなのがある。ただ、それが伝わらない人は少なくないですし、「好き」と公言しているとストップをかけづらいので、先に明かす人は絞っておきたいという気持ちです。

丹羽庭×劇団雌猫 親しい人を除き、自分のオタ趣味を隠している仲村。6話(1巻収録)では、同僚にオタ趣味がバレかけるエピソードが
丹羽庭×劇団雌猫 仲村さんのオタバレは回避できたものの……
丹羽庭×劇団雌猫 吉田さんの携帯画面がチャラ彦に見られてしまいます
丹羽庭×劇団雌猫 チャラ彦は悪いやつではないものの、リア充ゆえに2人の「隠したさ」に気付けないのです

もぐもぐ 特撮オタが予期せぬ形でバレるとつらいことってありましたか?

丹羽 「特撮好きなんだ、じゃあどのイケメンが好き?」と聞かれるのはちょっと……。私はどちらかというと怪人が好きなんですけど、勝手にイケメンが好きと決めた上で、「女の子はもっと怪人とかの方を見ないといけないよね〜」と言われると、完全に黙りますね。

もぐもぐ そういえば、「電王」が好きな子は、「電王ね〜(笑)」と言われるので好きなことを言いづらいと言っていた。特撮界における「好きな漫画は『ONE PIECE』」みたいな感じですかね。「はいはい、そういう感じね」と話す前からナメられがちという……。

ユッケ 好きにさせてくれよ〜! 私はジャニーズ好きを会社でもわりとオープンにしていたんですが、「イケメン好きなんでしょ?」「イケメンとの恋愛を妄想してるんでしょ」と言われるのはイヤでした。「私はグループ内の人間関係を自分から離れたところから楽しんでいる派なのでガチ恋じゃないしジャニーズと付き合うことなんて考えてないです(早口)」みたいな説明をしなきゃいけないのも面倒で。

丹羽 「なんでライダーよりも戦隊が好きなの? 戦隊は子ども向けじゃん」と言ってくる人もいました……!

ユッケ 原作14巻の「年を重ねるごとに好きなものが増えていく」というエピソードが私はすごく響いて。大人になっても特撮やアニメが好きだと「子どもっぽい」と言われるけれど、小6で難しい漢字を習っても小1で習った簡単な漢字を忘れないように、年を重ねるごとに好きなものが増えていっていい――という。どんどん節操なくいろいろなものを好きになっていきたいと思いました。

もぐもぐ 子どもと一緒に見ていたのをきっかけに特撮にハマった人が、子どもよりもハマる話、よく聞きますもんね。

丹羽 「ヒーローショー行きたいよー!」の発言者が、いつのまにか親子で入れ替わっているんですよね(笑)。

もぐもぐ そういうのって、いい“扉の開き方”だと思います。

ユッケ 何がきっかけで新しい世界の扉を開くのかわからない。おばあちゃんになった自分が楽しみです!

 「あるある〜!」と、「オタクって楽しい!」を思い出せる『トクサツガガガ』。4月27日にはドラマの全話一挙放送が決定(BSプレミアム)。また、最新16巻は5月30日発売予定です。

(C)丹羽庭/小学館ビッグコミックスピリッツ

関連書籍

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2501/11/news074.jpg 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”の家族に反響 ジュノンボーイの幼少期が香取慎吾似?【コンテスト特集2024】
  2. /nl/articles/2501/11/news011.jpg 「こんなおばあちゃんになりたい」 1人暮らしの93歳が作る“かんたん夕食”がすごい! 「憧れます」「見習わないといけませんね」
  3. /nl/articles/2501/12/news004.jpg 「やばいやばい」 ブックオフに990円で売っていた“まさかの掘り出し物”に大興奮 「ラッキーすぎる」
  4. /nl/articles/2501/10/news070.jpg 中2長女“書店で好きなだけ本を買う権”を行使した結果…… “驚愕のレシート”が1300万表示「大物になるぞ!!」「これやってみよう」
  5. /nl/articles/2501/11/news081.jpg 夫が“23歳年下”の51歳女性、パートナーのため“若々しく激変”した姿にスタジオ驚愕&絶賛の嵐 相手も「マジっすか!?」「めちゃめちゃキレイになって……」
  6. /nl/articles/2501/13/news061.jpg 西城秀樹さんの21歳長男、「微笑んだ顔がパパとそっくり」「若い頃のパパに似てきた」と話題【注目の“二世タレント”】
  7. /nl/articles/2501/12/news018.jpg 【ハードオフ】たった“1650円”のジャンク品を持ち帰ったら…… “まさかの結末”に仰天 「中古店は宝の山」
  8. /nl/articles/2501/12/news008.jpg 「ドラクエ3」を楽しみに帰宅した夫、玄関で見つけたのは…… 妻の粋な計らいに「惚れてまうやろおおおお」
  9. /nl/articles/2501/11/news014.jpg ドクダミを抜かずにハサミでカット→1週間後…… 思わぬ発見続々、驚きの結果オンパレードに「これは凄い」
  10. /nl/articles/2501/12/news036.jpg 犬を乗せてドライブ→病院を通り過ぎると……? “素直すぎる反応”に「かわいすぎるやろがい」「頭いいですね!」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ryuchellさん姉、母が亡くなったと報告 2024年春に病気発覚 「ママの向かった場所には世界一会いたかった人がいる」
  2. ハードオフに1650円で売られていた“まさかの掘り出し物”→修理すると…… 見事な復活劇に「相場が上がってしまうw」
  3. 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに……衝撃の経過報告に大反響 2024年に読まれた生き物記事トップ5
  4. 北海道の用水路で“巨大な外来魚”を捕獲→さばいてみると…… 中から出てきた“ヤバすぎる物体”に大興奮「ずっと釘付け」
  5. 【ハードオフ】2750円のジャンク品を持ち帰ったら…… まさかの展開に驚がく「これがジャンクの醍醐味のひとつ」
  6. 「脳がバグる」 ←昼間の夫婦の姿 夜の夫婦の姿→ あまりの激変ぶりと騙される姿に「三度見くらいした……」「まさか」
  7. 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は……斜め上のキュートな活用術に大反響 2024年に読まれた面白記事トップ5
  8. 米津玄師、紅白で“205万円衣装”着用? 星野源“1270万円ネックレス”も話題…… 「凄いお値段」「びっくりした」
  9. 【今日の難読漢字】「手水」←何と読む?
  10. サバの腹に「アニサキス発見ライト」を当てたら……? 衝撃の結果に「ゾワっとした」「泣きそう」と悲鳴 その後の展開を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  3. 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
  4. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  7. 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
  8. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  9. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  10. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」