「アイデアは質より数だよ兄貴」が正解らしい 結果的に良いアイデアが出てくるという研究結果
「そんなのアイデアしか出せないのか」と怒るような上司がいる場はダメだろうなという話です。
仕事でも趣味でもアイデアは大切なものですが、そう簡単に「これだ!」というものは浮かんできません。良いアイデアを生むにはどうすればいいか──最近発表された米大学の研究がヒントになるかもしれません。
テキサス大学オースティン校の研究者らによると、「アイデアの良し悪しではなく、アイデアの数に対して報酬を与えられた人は、無報酬であったり、アイデアの質に応じて報酬を与えられた人に比べ、結果的に創造的なアイデアを多く生み出すことができた」といいます。
研究者らは実験で参加者に対し、言葉を使ったパズル(リバスパズル、rebus puzzle)を作るように依頼しました。その際、(1)アイデアの数に応じて報酬を支払う、(2)一定の質を満たしたアイデアに対して報酬を支払うという成果報酬の2グループと、(3)アイデアの数や質に関係なく定額の報酬を支払うグループの計3グループに分け、出てきたアイデアの創造性を第三者に評価してもらいました。
実験の当初は、定額報酬のグループに比べ、成果報酬の2グループのアイデアはいまいちだったといいます。ですが、10日間のインターバルを経て再度取り組んでもらったところ、アイデアの数に応じた成果報酬グループが最も質と数で優れた結果を出したとのことです。
別の実験で、定額報酬グループと、数に応じた成果報酬グループとで取り組んでもらったところ、やはり当初、成果報酬グループは定額報酬グループに及びませんでしたが、静かな大学キャンパス内を20分間散歩してから再開すると、数に応じた成果報酬グループが質も数も優れた結果を出すことができたと報告しています。
まとめると、
- アイデアへの質ではなく、量に対して報酬を与えたほうが結果的に良いアイデアをたくさん生むことができた
- その際、間に休憩を挟むことが大切。「休憩をして、自分自身を切り離す必要がある。それがたとえ20分であっても」と研究者はコメント。
たった1つの優れたアイデアを出すためにのたうちまわるより、気軽な思いつきをポンポンと出していくほうが結果的に良いアイデアにたどりつけるということかもしれません。ただし、休憩を忘れずに。
グループでアイデアを出し合う「ブレインストーミング」も、「量より質」「人のアイデアへの批判は厳禁」などがルールになっています。これに「しばらくアイデアを出したら、しばらく休憩する」を取り入れてもいいかもしれません。
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