今夜最終回「ラジエーションハウス」未回収の伏線はどうなる? 唯織(窪田正孝)はついに医師をカミングアウトするか(1/2 ページ)

「ずっと一緒に働けますように」の願いはかなうのか?

» 2019年06月17日 11時45分 公開
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 6月10日に放送された「ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜」(フジテレビ系)の第10話。五十嵐唯織(窪田正孝)以外の“もう1人の天才”の登場が予告されていたが、その天才とは身近な存在だった。


ラジエーションハウス 今夜最終回。杏(本田翼)と唯織(窪田正孝)の道は分かれてしまうのか? イラスト/まつもとりえこ

第10話あらすじ「読影で鏑木の右に出る者はいない」

 ラジエーションハウスに甘春杏(本田翼)の父親で、元院長の正一(佐戸井けん太)が突然現れる。正一がうつ病の状態だと知る小野寺俊夫(遠藤憲一)らは、努めて明るく彼を出迎えた。その後、待合室に正一がいると、鏑木安富(浅野和之)が通り掛かる。気付いて立ち上がった正一は、突然頭痛に襲われて倒れてしまった。

 同じ頃、嶋田茜(西原亜希)の1歳8カ月になる息子・光が診察を受けに来ていた。骨折の疑いで光のレントゲンをすることになったが、黒羽たまき(山口紗弥加)は3カ月前にも右上腕骨骨折の疑いで光の検査をしたことを思い出す。虐待の疑いも考えられたが……。

 カルテを見た唯織は、光のO脚が目立っていることが気になった。改めて光の大腿骨を中心にレントゲンし、光の「くる病」が明らかになる。そして病院を後にした光だったが、今度は意識を失って緊急搬送されてきた。光を小児専門病院へ搬送しようとする鏑木らに、唯織は「神経芽腫を発症しているかもしれない。すぐに検査をして腫瘍の場所を突き止めるべきだ」と主張した。

 CT検査を行うと腫瘍が脊髄に進展している可能性があると判明。手術は難しいと杏と辻村駿太郎(鈴木伸之)は判断。そこに現れた鏑木は、唯織が撮影した画像をもとに脊髄と腫瘍の間にわずかな隙間があることを見抜き、これなら問題なく手術はできると告げる。鏑木の実力を知り、驚く技師たち。小野寺は「1日に100件近く読影しそれを30年以上続けている鏑木の右に出る者はいない」と話す。手術は無事に成功した。

 正一のことが気になった唯織は、改めてMRI画像を見ていた。唯織は正一が自転車に追突された事実を知って「うつ病ではなく、正一には別の病気が隠れているかもしれない」と説明した。


ラジエーションハウス 10話の見どころ。もう1人の天才はこんな近くにいた! 鏑木安富(浅野和之)もまた、患者に向き合う医師だった イラスト/まつもとりえこ

“邪魔者”鏑木は、実はいつも患者最優先

 10話のタイトルは「もう1人の天才、現れる!?」。予告では“もう1人の天才”らしき人物の足元だけを映していた。新キャラが登場するのかと思いきや、何のことはない。天才とは鏑木のことだった

 原作ではそれほど意地悪ではなく、唯織と敵対しない鏑木だが、ドラマでは邪魔者として描かれ続けた。しかも、いいところをいつも唯織に持っていかれる格好の噛ませ犬。だからこそ、ベテランの技を見せた10話はギャップが激しかったのだ。まあ、今までも患者優先な行動を見せていたし、医師としてまっとうな言動は貫いていた鏑木(6話では美女と牡蠣の誘惑を振り切った)。今回の「専門病院に連れて行け」という指示も、患者を第一に思ってのこと。急なキャラ変ではないし、決して唐突じゃない

 曲者ぞろいの甘春総合病院。しかし、深く掘り下げると各々の隠れた能力や真摯な部分が明らかになる。そこがこのドラマの特徴だ。それも、今回の鏑木で一巡した(憎めない敵役を演じる浅野和之はいつも最高!)。

 「技師が正確な写真を撮り、放射線科医が正確な診断を下す。土台となるその2つがしっかりと機能し、病院全体を支え、動かす歯車となれれば、医者は必ず最善の治療を行える」(大森渚院長)

 鏑木が技師への態度を変えたきっかけが技師の確かな腕だったのは大きい。放射線科の医師と技師が1つになり、チームとして屈強な状態で最終話へと突き進む。

幼児への日光の必要性

 あまり知られていない病気を取り上げ、対策法を周知させる役割を「ラジエーションハウス」は担ってきた。3話ではデンスブレストを啓発し、5話はAiを周知させた

 10話は、骨折しにくいはずの赤ちゃんが短期間で骨折を繰り返す事例だった。原因は「くる病」。あまり知られていない病気だと思う。また、知っていても“昔の病気”と認識されることが多い。十分な栄養を子どもに与えられない家庭が多い時代のもの、というイメージが大きいからだ。

 実は今、増えている。子どものためを思っての紫外線予防が逆に仇になるケースがあるのだ。ママにとって、これはつらい。だからこそ、世に広まる認識に待ったをかけた10話。「日光には適度に当たる必要がある」という情報を提供する今作は、やはり意義があると思う。

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