「理科の実験でおなじみのガスバーナー」って辞書で引けたのか! 意外と知らない“国語辞典の個性”(2/2 ページ)
回答
サンフランシスコ
- 答え:×
国名のほか主要な外国の都市名も載っているのですが、サンフランシスコは落選したようです。しかし、「サンフランシスコ平和条約」は立項されています。
坂本龍馬
- 答え:○
- さかもとりょうま〔坂本龍馬〕(一八三五 一八七六)幕末の政治家。土佐藩(高知県)郷士。脱藩して勝海舟に師事し、航海術を学んで商社海援隊を組織。〔以下略〕
人名を立項する辞書でも、文学者ではない人物名を項目に立てるかどうかは、判断が分かれています。「坂本龍馬」の場合、『旺国』『角川必携国語辞典』にはありますが、『新選国語辞典』『三省堂現代新国語辞典』にはありません。
ブンゼンバーナー
- 答え:○
- ブンゼン-バーナー《化》ガスに空気を混入して燃やす加熱装置。ブンゼン灯。[参考]ドイツの科学者ブンゼン(Bunsen)の考案。
理科の実験に用いられるガスバーナーの一種。他の同規模の辞書でも立項しているものは少ないのですが、学校の授業で扱うからか、しっかり載せています。しかも絵まで付いています。
カラマーゾフの兄弟
- 答え:○
- カラマーゾフのきょうだい〔カラマーゾフの兄弟〕 ロシアの作家ドストエフスキー最後の長編小説。一八七九―八〇年刊。カラマーゾフ家の三兄弟とその父親殺しの事件を中心に、神の存在や人間性の本質などを追究する。
外国の文学作品名でも、主要なものは立項されています。内容が短く解説されているので、手っ取り早く概要をつかむことができます。
二次方程式
- 答え:×
そもそも立項する辞書が少ないので、これが載っていないからといって「『旺国』は数学に弱い」と即断することはできませんが、やはり国語科の項目に比べれば手薄なようです。
小型国語辞書にしてはわりあいに幅広く百科的なことばを収めている『旺国』ですが、何より国語科の学習に主眼を置いて編まれているように見受けられます。活用語にその活用が示されているのも、そのあらわれの1つです。例えば、「要る」という項目を引くと、
い・る【要る】(自五)ラ(ロ)・リ(ツ)・ル・ル・ル・レ・レ 必要である。費用がかかる。〔以下略〕
このように、その活用語尾が示されており、「要る」が連用形で「要っ」とも活用する(「要った」のように言える)ことなどが一目瞭然です。
最新の第11版から加わった要素に、「中心義」「変遷」というものがあります。「中心義」欄では多義語の核となる語義が、「変遷」欄ではことばの意味や形の移り変わりが説明されています。複数の意味が(1)(2)……とバラバラに説明され、それぞれの意味のつながりが分かりにくくなりがちな辞書の欠点をカバーする試みといえ、一読の価値があります。
※辞書の引用に際しては、約物(記号)の一部を省略している場合があります
(ながさわ)
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