“もはや心霊スポットな実家”から出たいと思わなかったワケ エッセイ漫画「霊感一家のふしぎな実話」インタビュー

信じるか信じないかはあなた次第です……けど、怖くないのか気になる。

» 2019年09月11日 20時30分 公開
[ましろねとらぼ]

 幽霊は存在すると思いますか――。科学では証明しがたい“見えない世界”の問題なだけに「いる派」の方も、「いない派」の方もいるかと思いますが、今回ご紹介したいのは「同じ家の中で、家族が同じ心霊現象を体験していた」というエッセイ漫画「霊感一家のふしぎな実話」。

 “幽霊が300体もいる心霊スポットのような実家”での生活とはどんなものなのか。著者・りかさんにインタビューしました。漫画本編もあわせて掲載します。(聞き手:ましろ



漫画『霊感一家のふしぎな実話』とは?

 著者のりかさんをはじめ、姉、そして母親までも小さい頃から不思議なことや、怖い思いを経験してきた霊感一家(父親は霊感なし)。そもそも実家自体が夏でも冷房いらずの寒さで、入れない部屋、眠れない部屋、廊下にレギュラーで出て来る謎の白い影などなど、オカルティックな事件が満載。

 それもそのはず、調べてみたら、なんと実家に幽霊300体もいることが判明! 一家全員で、家系図を持ち出し、実家の浄化浄霊に踏み出す騒動を描いたホラーエッセイ漫画。

著者プロフィール:佐木りか(Twitter:@rikarika_sou

物心ついた頃からゆるっと霊感もち。母・姉も霊感持ちの女系霊感一家。現在は一児の母として育児の合間に怖い話や育児漫画を描いている。猫好き。


ベッドを叩く音は誰?









金縛りと笑い声









その他の一部エピソードはイースト・プレスによるWebメディア「MATOGROSSO」、購入先などは同社Webサイトにて掲載されています


心霊現象が起こってるけど「我慢すれば眠れる」

―― 第2章の「ベッドをたたく音は誰?」「金縛りと笑い声」では、子ども部屋(りかさん、姉が使用)で起きた心霊現象が描かれていますね

 当時使っていたのは木製の二段ベッドだったんですけど、ほぼ毎晩、ベッドの枠組を指でトントンってたたく音が枕元から聞こえてくるんです。すごく規則的ですし、文句を言ったり大きな音を立てたりすると止まったので、姉が鳴らしているのだと思っていました。

―― お姉さんはお姉さんで「妹(りかさん)が鳴らしている」と思っていたんですよね。けれど後日、どちらのせいでもなかったと判明する、という

 あのときはさすがに鳥肌がブワッと立ちましたね。

―― 幽霊の仕業と思いながら聞くのは、かなり怖いのでは?

 いえ、たたく音自体は不思議と怖くありませんでした。「ああ、また鳴ってるな」みたいな感じで。

―― それは、これまでにもっと怖い体験をされていたから?

 というより、生活音の1つになってたんだと思います。少しうるさいだけで、我慢すれば眠れる程度のものでしたし。

「実家はどこも心霊スポットのようなもの」

―― 他に、金縛りにもよくあわれていたとか

 金縛りは、中学生のころから月に3回くらいの頻度で起きていました。だから、金縛りを解くコツも分かってたつもりだったんですけど、一度だけ全然解けないときがあって。

 どうしてかなと思ってたら「キャッキャッ」って何人もの子どもの笑い声が聞こえてきました。これはまずいぞと思って、本腰入れて金縛りを解いて母の部屋に逃げ込みました。

―― 漫画にも描かれている、社会人2年目の夏の出来事ですね。それ以降も子どもの声はよく聞こえてきたんですか?

 笑い声を聞いたのは、そのとき1回だけです。さすがに身の危険を感じて、母にパワーストーンのブレスレットを作ってもらったりしました。それからは金縛り自体少なくなりましたし、笑い声も聞いていません。

―― 何度も心霊現象に遭遇して、部屋を変えてもらいたいとか、実家を出たいと考えたことはなかったのでしょうか

 いや、考えなかったですね。思いもしなかったです。実家はどこも心霊スポットのようなものだから、部屋を変えたところであまり意味がありませんし

 実際、大学時代はアパートで一人暮らしをしていたんですけど、そこでも金縛りとかいろいろ体験していたんです。だからむしろ、実家のほうが逃げ場所がある分、気持ち的には楽でした。

―― ポジティブですね。もし自分だったら、一度でもそんな体験をしたらもうその家にはいられないと思います……

 まあでも、さすがに金縛りとかがあった次の日は「やだなあ」って思いながら寝ますよ(笑)。やっぱり怖いものは怖いです。

 そもそも私たち姉妹の使っていた部屋は全然マシというか、雰囲気が良かったんです。漫画にも描きましたけど、床の間(※連載第1回を参照)が一番ヤバくて。確実に何か大勢いるなっていう感じがして、夜はもちろん昼間も絶対に入りたくなかったですね。

(続く)

本企画は全5本の連載記事となっています


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