レトロなハンバーガー自販機を引き取って修理 実際に稼働させるまでを描いた同人誌がドラマティック:司書みさきの同人誌レビューノート
ハンバーガー片手に読みたい。
日暮れから夜までの時間がほんの少し涼しくなったと思ったら、もう夕闇のそこここから虫の音が聞こえてきました。暑かった盛夏から晩夏へ、そして秋の近づきもささやかに感じます。
2019年の夏はどこかお出かけされましたか? おいしいものを召し上がられましたか? 今回ご紹介する同人誌は、思い出の食べ物をきっかけに、レトロな自動販売機を引き取り、復活までなされた奮戦記です。
今回紹介する同人誌
『レトロ自販機を引き取ってみた。~蘇るハンバーガー自販機~』 A5 28ページ 表紙・本文カラー
『レトロ自販機を引き取ってみた。2ハンバーガー自販機よもやま話』 A5 28ページ 表紙・本文カラー
『レトロ自販機を引き取ってみた。3目指せ自販機復活!クラウドファンディング大作戦』 A5 24ページ 表紙カラー、本文モノクロ
作者:嵯峨拓也
目指せハンバーガー自販機の復活!
子どものころ、サービスエリアの自動販売機で買ってもらった食べ物、それはそれはおいしく感じられて。そんな出会いを持つ作者さん。自動調理で食品を提供する自動販売機は、いまでは珍しいものとなりました。思い出を懐かしんで、地元のドライブインにレトロな自販機を訪ねたりしたこともあったとか。けれどそれはあくまでお客さんとしての訪問です。しかしその「地元ドライブインが閉鎖する」という情報を目にしたとき、事態は大きく動きました。
「地元、富山でハンバーガーの自動販売機を稼働させたい」という思いから、なんと作者さんは自販機の引き取りに名乗りを上げ、ついには本当にハンバーガー自販機を所有することになります。ただ譲り受けるわけではありません。修理し、地域の人たちに食べてもらえるようにと……壮大なドラマのスタートです。
ボタン1つでおいしいハンバーガーを出し続けるために日々奔走
まずは自動販売機のお引っ越しからスタートです。設置して、修理して、とやることが次々に湧いてくる状況が、写真と文章でつづられます。機械のメンテナンスが完了したかと思ったら、中に入れるハンバーガーはどこから調達してくる? どのくらい仕入れる? と解決すべき問題はぞくぞくと。でもそれらが順を追って語られていくのをたどるのは、なんとわくわくすることでしょうか。
1日限りのイベントとしての復活ではなく、毎日ハンバーガーが自動販売機で作られるようにと願われ、レトロ自販機とのお付き合いは日常的に行われます。文章の運びも日々の出来事を知らせる穏やかな語り口です。それでも、作者さんが暮らしのなかでレトロ自販機の復活に力を注いでいること、おいしい思い出の味をこれからもみんなと楽しみたいとあれこれと試しておられる姿は、やっぱり特別な面白さがにじみ出ています。「定番のチーズバーガーのほかに、タルタルミート&ベーコンバーガーも納入してもらえた!」なんてエピソードは、ほんわかするし、ハンバーガーも食べてみたくなってしまいます!
1巻と2巻は本文もカラーなので自動販売機が復活していく様子や、特徴的なバンズのしわしわも伝わります。3巻は全てモノクロですが、写真多めなので読み進めやすいですよ。
行動、そして記録を公開してその先へ……
3冊を読み終えて感じるのは、思い立ったら動く作者さんのその行動力のすごさ。さらに感嘆してしまうのは、その一つ一つを写真に撮り、出来事を文章にし、そして本にまでされたことです。実はこれって簡単なことではないと思うんです。「こんな変わった出来事があったよー!」という事件に遭遇したとしても、写真を撮り、時系列に並べ、文章を書くのにも意外と時間がかかりますよね。一度限りでなくそれを継続し、みんなに伝えることで楽しいことをつなげていくそのやり方は、まさに自動販売機を復活させた手腕と重なります。
最新刊の3巻では、レトロ自販機を安定して稼働させるために、クラウドファンディングに挑戦されたことがまとめられています。同人誌を作り即売会に出たり、Twitterでのアピールに加え、地元でもトークイベントに登壇してPRしたりと、ここでも「伝える」力を発揮されています。
「ほかほかの自販機ハンバーガーをぱくっとしてみたい!」という気持ちになってくるのはもちろん、楽しいことは特別な一瞬だけでなく、日々の頑張りも面白く、それをまだ見ぬ人に伝えることで大きな成果になっていくということも感じるご本でした。
今週の余談
残暑を感じつつ、少しだけ風が涼しくなって、ハンバーガーのみならず梨や葡萄がおいしくなる時期ですね。おいしいものを食べに行く旅なんていうのもいいですねー
みさき紹介文
図書館司書。公共図書館などを経て、現在は専門図書館に勤務。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えたあたりで数えるのをやめました」と語る。
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