「アーーーーー」は監督のアドリブだった!? (たぶん)世界に1人だけの実写版デビルマン研究家にインタビュー(1/2 ページ)

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» 2019年09月11日 12時30分 公開
[山下ラジ男ねとらぼ]
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 「実写版デビルマンよりもひどかった」インターネットをしているとそんな感想を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。永井豪原作の漫画『デビルマン』を那須博之監督が2004年に実写映画化したのが実写版「デビルマン」。

 公開直後から酷評が相次ぎ、現在でもクソ映画の代名詞として語り継がれるなど、何かと悪い意味で話題になりがちな「邦画の実写版」というジャンルの中でも群を抜いて悪名高いこの作品ですが、実写版デビルマンをきちんと最後まで見たことのある人、そしてその中でも「実写版デビルマンとはなんなのか」「なぜあのような映画が作られたのか」「あの描写の意味は? その根拠は?」という部分まで掘り下げて考えている人は意外と少ないのではないでしょうか?

 そこで、今回は実写版デビルマンについて研究をしているというグレイト斎藤さんにインタビューしました。


実デビの“地位”は揺るがない

――最近では映画の「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」が「実写版デビルマンよりひどい」などといわれていました。このように、ネットなどですぐに「デビルマン級」となる風潮についてはどう思いますか?

 実デビ(実写版デビルマン)に限らず、安易な雑語りは世の常なので仕方がないな、と思ってます。ただ、そうやって安易な雑語りをされ続ける限り、日本の最も有名なクソ映画としての実デビの“地位”は揺るがないでしょうね。実デビが最もひどいクソ映画とも、クソ映画の筆頭であり続けてほしいとも思っていません。ですが「クソ映画=実デビ」という大衆の認識を塗り替えてしまうような超ド級のクソ映画が作られていいわけがないですから……。


――実写版デビルマンとはどうやって出会いましたか?

 簡単に言うと「クソ映画との評判を聞いて興味を持った」のが最初です。

 2013年に「HUNTER×HUNTER 緋色の幻影」という映画が公開されたのですが、これがハンターファンにとってはひどい出来で劇場で見てぼうぜんとしたんです。でも当時は映画を見る習慣がなかったので、この作品がどの位ひどい出来なのか、何が悪かったのかをうまく言語化できなかったんです。そこで比較対象として、インターネット上でとりわけ評判の悪かった実デビに興味を持った……というのがきっかけですね。


――最初に見た時の感想は?

 「評判になるだけの事はあるひどい出来」と思いましたね。実写版を見る直前に予習として原作を読んでいたこともあって、その落差も大きかったです。ただ、手を抜いているとか原作を軽んじているとは思えず「各々が全力を尽くして作った」事は感じられたので、さほど悪印象はありませんでした。


――では、なぜそこから研究を始めることに?

 あまり深い理由はないです。偶然ヤフオクで映画の台本を見つけたのが最初のきっかけでしょうか。当時は実デビに大して興味があった訳ではなく、単に「珍品」を衝動買いしただけでした。ただ、入手した台本を読んで情報をまとめていると、ネット上には実デビの「感想や評判」はあっても「作品そのもののまとまった情報」が無いなって思ったんです。

 それならば、今ちょうど手元に“第一級の資料”があるし、今後他の誰かがそんな研究をするとも思えないから、自分のやれる範囲でやってみようか……と思って研究を始めました。大学時代は歴史学を専攻していたので、その時の研究手法を思い出しながら続けていたら今の状態になっていました。


――実写版デビルマンがここまで酷評されることになった理由について、どう考えていますか?

 そうですね……、あくまで仮説になってしまいますが……。

  • 原作は老若男女に広く知られているタイトルであり、コアなファンも多いのでもともと話題性はあった点。
  • TVCMもかなりの本数が打たれていたため、映画自体の認知度もそれなりに高かった点。
  • 監督、脚本、キャスト、演技、アクション、などダメな要素が非常に多岐にわたっているため、説明しようにも一言で言い表わせない=たくさん語る必要があり、実デビ本編だけでなく「実デビについて語る事」が話題として存在感を持ってしまったという点。
  • 原作漫画のストーリーを終始ちゃんとなぞっているため「タイトルと設定を借りただけの別物」と切り捨てることもできなかった(特に終盤のアルマゲドンを映像化したのは実デビが初なので、デビルマン史を語る上でも決して無視できない存在になってしまった)という点。

 これらの点が相互に作用して、酷評が酷評を呼ぶような形で「すごいクソ映画」のイメージが定着してしまったのではないかと個人的に考えています。


――デビルマンといえばNetflix版の「DEVILMAN crybaby」が制作されて話題になりましたが、こちらはご覧になりましたか?

 実はまだ見ていません。実デビとのつながりがある作品だと聞いてはいるのですが、気後れしてしまって視聴に踏み切れない状態が続いています。

――気後れ、というと?

 うまく言えないのですが……、影響されやすい人間なのでcrybabyを見たら実デビの解釈や評価もそちらに引きずられてしまいそうな気がするんです。

 それと、自分の調査研究は「実デビはどのようにして生まれたか」に集中しているので、実デビが後世に与えた影響……のような“実デビ以後”関しては優先順位が低いというのもあります。


――研究に使う資料集めに費やした時間、金額はどのくらいですか?

 最初の台本を入手したのが2年前なので、足かけ2年になります。金額は10万くらいでしょうか。国会図書館への遠征費用が一番大きかったです。


最近もう1冊台本(最終版)が加わった

――実写版デビルマンの情報は現時点で何%ほどまとめられたと考えていますか?

 本編に関する情報なら、7割くらいは集まったんじゃないかな、と思います。これ以上の情報となると当時の関係者にインタビューする必要があるので、現状で頭打ちの状態になっていますね……。

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