教室のシーンは「すごく明るく見せたかった」 映画「惡の華」伊藤健太郎、玉城ティナ、飯豊まりえインタビュー

「学校が爆発しないかなって結構思うじゃない」と話す玉城さんに、「え、うそ(笑)」と驚く飯豊さん。

» 2019年09月24日 18時00分 公開
[宮澤諒ねとらぼ]

 押見修造さんの人気漫画を原作とした実写映画「惡の華」の全国公開が9月27日に迫っています。

 同作は、鬱屈した息苦しい毎日を生きる中学2年生の春日高男と、クラスメイトの問題児である仲村佐和を中心に繰り広げられる、どろどろとした青春と思春期のダークな面が渦巻く物語。

惡の華 押見修三 伊藤健太郎 玉城ティナ 飯豊まりえ 映画

 春日役に、ドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)での活躍も記憶に新しい俳優の伊藤健太郎さん。春日を翻弄(ほんろう)する仲村役に、以前から原作を愛読していたというモデルで女優の玉城ティナさん。春日の高校時代の同級生で、高校編のヒロインでもある常磐文役に、映画「いなくなれ、群青」でヒロインを務めたモデルで女優の飯豊まりえさんと、人気の若手俳優たちが映画を彩ります。

 ねとらぼでは、伊藤さん、玉城さん、飯豊さんの3人にインタビュー。原作者の押見さんや押見作品の大ファンだという井口昇監督をはじめ、周りのスタッフたちの「惡の華」愛に突き動かされるようにして、この大作に立ち向かっていった3人の素直な言葉をお届けします。


プレッシャーよりもわくわく

惡の華 押見修三 伊藤健太郎 玉城ティナ 飯豊まりえ 映画 左から飯豊まりえさん、伊藤健太郎さん、玉城ティナさん

―― 「惡の華」の実写化。かなり高いハードルだったのではないかと推察しますが、出演が決まったときはどのような思いでしたか?

伊藤 出演が決まってから、監督とプロデューサーさんと自分とで話す機会があって。そのときに「『惡の華』の映画化は8年間ぐらい温めてきた話で、やっと決まってうれしいんです」と、すごく熱量のある話をしていただいたんです。そんな作品に主人公として自分を呼んでくださったのが、すごくうれしかったし、それに応えたいと思いました。春日はやったことのないタイプの役柄だったので挑戦でしたが、そのプレッシャーよりも、頑張らないととか感謝の気持ちの方が強かったです。

玉城 私は学生時代に原作の『惡の華』を読んでいたというのもあって、仲村役の話が来たときに、すぐにイメージが沸きました。押見先生の映像化作品も見ていたのですが、やっぱりやるなら仲村が面白そうだなと思っていたので、プレッシャーよりはわくわくの方が強かったです。

飯豊 まず、この作品に衝撃を受けて。私、思春期を通っていないんですよ。

玉城 思春期を通らないことってあるの?(笑)

飯豊 あれ、なんか変なこと言ってる?(笑)。反抗期がなかったの。だから、この作品に出演するのがすごく不安でした。でも周りに熱意や愛を持ってこの作品に携わっている人たちがいたこと、そして自分が演じる常磐さんの切ない部分がすごく好きだったので、この作品を愛しながら演じることができました。

―― 役作りはどのようにやっていきましたか? 伊藤さんは、春日を理解するのに苦しんで吐き気を催すほどだったとお聞きしています。

惡の華 押見修三 伊藤健太郎 玉城ティナ 飯豊まりえ 映画 ブルマを履かされる衝撃シーンも

伊藤 春日になりきる前に、思春期の14、15歳の男の子を理解しなきゃいけなかったので、まずそこに集中しました。自分と向き合って、自分の内面的な部分を中学生の時期に戻して、そこから春日を作り上げていきました。この作業が一番大変でした。

玉城 私の場合は、仲村というものがキャラクターとして確立されていましたし、ファンが付いているというのもあったので、求められている以上のものを出さなきゃいけないという気持ちがありました。役作りには原作をかなり参考にしていて、漫画の中から自分のアンテナに引っ掛かったコマを写真に撮って保存していました。あとは立ち姿とか、仲村の異質な感じをどういう風にしたら表現できるのかというのを自分なりに考えていました。

 あとビジュアルも少しでも近づけたかったので、髪の毛を少し赤く染めたり、カットも寄せたりして。自分の中で仲村と会話できるように役作りしていきました。

飯豊 常磐さんは自分よりも大人っぽい女の子だったので、そこを意識したのと、どこか仲村さんとリンクする部分を作りたいと思っていました。監督からも、「もしかしたら常磐さんは仲村さん以上の思春期を通ってきたかもしれない、というぐらいの思いで演じて」といわれて。あと、高校生時代はこれまでのことが報われる大切な場面なので、春日くんとの関係が切なく見えるように意識しました。


惡の華 押見修三 伊藤健太郎 玉城ティナ 飯豊まりえ 映画 飯豊さん演じる常磐文

教室を破壊したいと思う側、思わない側

―― 「惡の華」といえば、春日と仲村が夜の教室に忍び込むシーンが印象的です。玉城さん演じる仲村は、原作よりも積極的に暴れ回っていましたが、撮影を振り返ってみていかがでしょう。

伊藤 あのシーンはブロックごとに3、4日間に分けて撮影しました。夜遅かったというのもありますが、2人とも結構ハイテンションになっていたので、楽しかった思い出という感じですね。

惡の華 押見修三 伊藤健太郎 玉城ティナ 飯豊まりえ 映画

玉城 楽しかったですね。やっぱりああやって教室を破壊したり、学校が爆発しないかなみたいなことって結構思うじゃないですか。

飯豊 え、うそ、思わないよ(笑)。

玉城 思うんだよ(笑)。思う側の人と思わない側の人がいるんだけど、私は思う側の人だったから、あのシーンを見た人たちが「やった!」「この教室は報われたな」って春日と仲村みたいに思ってほしかったので、純粋に楽しもうと思いました。事件性があるというよりは、すごく明るく見せたかったんです。

惡の華 押見修三 伊藤健太郎 玉城ティナ 飯豊まりえ 映画

―― 最後に、公開を待つ人たちへメッセージをお願いします。

伊藤 原作者の押見先生をはじめ、監督や出演者が本当にすごい熱量、すごい愛で作り上げた映画です。原作ファンの方々にどう捉えてもらえるかは分からないですが、僕らはもちろんリスペクトを込めていますが、原作を飛び越えられたんじゃないかなと思っていますし、良い意味で裏切ることができる作品になったとも思っています。原作ファンの方々も、公開を楽しみにしていてほしいです。

玉城 全体を通して見てもらえば分かるんですけど、思春期は誰しもが通ってきた道であって、そこで人生が終わるわけではありません。いま思春期の方も、思春期を過ぎて大人になった方も、思春期に自分にとっての“仲村”に出会っていたとしたら、映画を通してそのときの感覚に陥ってもらえたらと思います。

飯豊 当時、この作品に出会っていたら私にも思春期が来たのかもしれない。

玉城 本当になかったの?

飯豊 ないねー。

伊藤 ないっていうか、そういう思春期だったんじゃない? いろんな形があると思うし。

飯豊 だったのかなー。もう2人がほとんど言ってくださったんですけど、これからの若い人たちに見てもらって、この作品を好きな人たちで一緒に盛り上げていってほしいなと思っています。よろしくお願いします。


プレゼントキャンペーン(※こちらのキャンペーンは終了しております)

ねとらぼエンタの公式Twitterをフォローし、プレゼント企画を告知するツイートをRTしてくださった方の中から抽選で1名に、飯豊まりえさんのサイン入りチェキをプレゼント。飯豊さんへの応援メッセージをリプライすると、当選確率がアップ!

Twitterキャンペーン応募方法

(1)ねとらぼエンタ公式Twitterアカウント(@itm_nlabenta)をフォロー

(2)告知ツイートをRTで応募完了

注意事項

  • 締切期限は10月9日正午
  • 当選者には編集部よりDMにてご連絡いたします。DMが解放されていない場合には当選無効となりますのでご注意ください
  • いただいた個人情報はプレゼントの発送のみに使用し、送付後は速やかに処分します
  • ご応募完了時点で、アイティメディアのプライバシーポリシーへご同意いただいたものと致します。応募前に必ずご確認ください


9月27日からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

配給:ファントム・フィルム

伊藤健太郎 玉城ティナ 秋田汐梨 / 飯豊まりえ

伊藤健太郎:ヘアメイク:島徹郎(juice)、スタイリスト:釘宮一彰(juice)

玉城ティナ:ヘアメイク :今井貴子、スタイリスト:松居瑠里

飯豊まりえ:ヘアメイク:本岡明浩、スタイリスト:有本祐輔(7回の裏)



(C)押見修造/講談社 (C)2019映画『惡の華』製作委員会 


写真:こた


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた