「デビューまで半年から数年」を「最短即日デビュー」に短縮 マンガ家デビューへの道のりが変わる、LINEマンガの新たな取り組みとは

運営メンバーが魅力を感じた作品には「最短即日」でスカウトメールが届く、とのことです。

» 2019年10月23日 19時40分 公開
[たけしな竜美ねとらぼ]

 スマホマンガアプリ「LINEマンガ」にて、これまでにない新たな漫画家デビュープログラム「フロンティアデビュープログラム」が、9月24日より始まっています。

 これに伴い、LINEオフィスで10月19日、フロンティアデビュープログラム開始記念イベント「Manga Meetup 〜明日マンガ家になれる方法〜」が開催されました。


即日デビューも可能……フロンティアデビュープログラムとは?


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 フロンティアデビュープログラムは、これまでの「出版社に作品を持ち込み、担当者が興味を持った後、編集会議へ持ち込まれ、半年から数年を経てから雑誌への連載が決定する」という一般的な漫画家デビューへの道のりを簡略化、スピーディーにしたものです。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 「作品を面白いと感じるか否かは人によって千差万別。トップダウンや多数決で決めるべきものではない」という意向のもと、フロンティアデビュープログラムでは「運営メンバーの1人でも魅力的に感じたらスカウト可能」という方針を取っています。

 つまり運営メンバーの誰かの琴線にさえ触れれば、漫画をアップロードしたその日にスカウトメールが来るかもしれない、ということです。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 スカウトを受け契約を結んだ後は、16週間の「トライアル連載」が始まります。この時点から原稿料(1ページ8000円以上/モノクロの場合)、課金売上、広告収益の分配金などの支払いが発生します。

 トライアル連載中に条件や目標を達成すれば、晴れて本連載へと移行できます。

 残念ながらトライアルで終了してしまったとしても、作品の全権利はすぐに作者へ返されるため、即座に他社への持ち込みやSNSなどでの公開が可能です。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 従来の「デビューまで時間がかかる上、その間に収入が得られない。連載に至らなかったとしても、作品権利がなかなか戻らない」という問題を払拭。「最短即日でデビュー可能、トライアル中は原稿料などの収入が得られ、本連載に至らなかった場合は作品権利が即座に返還される」という、スピーディーかつ収入面・権利面の双方からも安心して創作に取り組める内容となっています。


トークショーやライブドローイングも

 イベントは二部構成となっており、第1部では先述したフロンティアデビュープログラムについての解説が行われ、第2部では「明日マンガ家になれる方法」をテーマとしたトークショーが行われました。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 まずは「こぐまのケーキ屋さん」でおなじみの漫画家、カメントツさんが登壇。漫画家を目指すにあたっての重要なポイントを解説しました。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 カメントツさん独自の理論「五大満力(ごだいまんりき)」を軸にした内容です。

 漫画制作者の特徴を「レゴ(紙の上で遊ぶタイプ)、企画、ネーム、キャラ、作画」の5タイプに分類。作画(絵の上手さ)も大切だがそれよりも、相乗効果を持つ他の属性を大きく伸ばすのに注力すべき、とのことでした。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 カメントツさんの解説が終わると、新たにLINEマンガ編集長の中野崇さんが登壇。フロンティアデビュープログラム立ち上げ責任者の小室稔樹さん、カメントツさん、中野崇さんの3人によるトークショーが始まります。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 限られた時間ながらもトークの内容は多岐に渡り、漫画家デビューに関わる事からカメントツさんのデビュー秘話、現状の出版不況はむしろ雑誌離れであるなど、幅広い物事に触れるものでした。話をしっかり実行に移せば、本当に明日にでも漫画家になれそうな気がします。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 特に「二桁ページ以上の作品を描いて投稿、というシステムには疑問あり。ほとんどの人は挫折する。それなら4ページ程度の短編を10本作ってSNSに上げたほうが、バズるチャンスが10回になるしお得。それにSNSでは、数多くの出版社が血なまこになって新人を探しているのだから、そのアンテナに引っかかろう」「会場に集まった漫画家志望者でも、定期的に雑誌を買っている人は数名しかいない。一般読者なら尚更その傾向が強い。各種データの分析から見ても、漫画の発表媒体は紙からアプリへ移りつつあるのだろう」という話には、漫画業界の現状が詰め込まれているでしょう。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 最後にイベントの締めとして、カメントツさんによるライブドローイングが行われました。この原稿は掲載される実物へのペン入れ、とのことで、来場者にとっても出演者にとっても貴重な体験です。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 ポスカの黒と白、ドライヤーを駆使し、解説や質問に答えなどもしながら、あっという間に店長さんが出来上がりました。基本的にキャラはコマの横に描き、パソコンへ取り込んだ後にトリミング、コマに合わせて拡大縮小を行うとのことです。


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 カメラを通さない実物の原稿の横には、アイデア帳らしきノートも置かれていました。


漫画好きにも見逃せない?


LINE LINEマンガ 漫画 フロンティアデビュープログラム

 LINEマンガのフロンティアデビュープログラムは、漫画家志望者へデビューへの新しい道のりを示したのみならず、一般読者にとってもいわゆる青田買い、「デビューしたての面白い作品と作者を探す」という、新たな楽しみ方を提示したと言えるでしょう。

 Instagram、Twitter、YouTubeなどを見ても明らかですが、「これから発展する未開の地をいち早く見付け、そこで一番早く活動を始めること」は非常に重要です。フロンティアデビュープログラムが、漫画家志望者にとっての「フロンティア」になれるかどうか、今後の展開に期待しましょう。

 ちなみに、LINEマンガは全てのジャンルを積極的に開拓していきたい、とのことでしたが、特に女性ユーザーが多いことから「恋愛漫画」に注力しているそうです。


たけしな竜美


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2407/24/news014.jpg 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  2. /nl/articles/2407/25/news017.jpg 「これが生えたら庭終了」 プロも降参する“何をやっても全部ムダな最恐雑草”の正体が400万再生「ほんとこれ厄介」「土ごと変えないと不可能」
  3. /nl/articles/2407/26/news151.jpg イトーヨーカドー春日部店が閉店へ 「クレヨンしんちゃん」に登場するスーパーのモデル 「残念」「寂しい」惜しむ声
  4. /nl/articles/2407/25/news012.jpg 夜、山中の側溝をのぞいてみたら…… 思わず声がもれる“あらぬ生物”の姿に「ヤバいw」「生で見てみたい」
  5. /nl/articles/2407/25/news007.jpg 水槽の中で卵を発見→慎重に見守って1カ月後…… 小さな命の誕生に飼い主も視聴者もメロメロ「まじで可愛すぎるほんとに可愛い」
  6. /nl/articles/2407/25/news138.jpg 「お父さんはママのオタクだった」 母親が「元・おニャン子」のタレント、アイドルとオタクが“つながっちゃいけない理由”を問いかける
  7. /nl/articles/2407/25/news050.jpg 「立体的に円柱を描きなさい」 中1の“斜め上の解答”に「この発想は天才」「先生の優しさも感じます」
  8. /nl/articles/2401/26/news015.jpg スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
  9. /nl/articles/2407/26/news119.jpg 工藤静香、15歳の愛犬が天国へ 感謝の言葉つづるも……「泣いてばかり」「心が追いつかない」と悲痛な思い
  10. /nl/articles/2407/26/news008.jpg 外国人が来日して“3年後”…… マクドナルドの“オーダーの変化”に「胃袋が日本人のそれなんよw」とツッコミ
先週の総合アクセスTOP10
  1. プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが360万再生「凄すぎて笑うしかないww」「チーズが、、、」
  2. 6年間外につながれっぱなしだったワンコ、保護準備をするため帰ろうとすると…… 思いが伝わるラストに涙が止まらない
  3. 「お釣りで新紙幣来た!!!!!と思ったら……」 “まさかの正体”に「吹き出してしまった」「逆に……」
  4. 赤いカブトムシを7年間、厳選交配し続けたら…… 爆誕した“ウルトラレッド”の姿に「フェラーリみたい」「カッコ良すぎる」
  5. ダイソーで買った330円の「石」を磨いたら……? 吸い込まれそうな美しさが40万回表示の人気 「夏休みの自由研究にもいいのでは?」
  6. 「これ最初に考えた人、まじ天才」 ダイソーグッズの“じゃない”使い方が「目から鱗すぎ」と反響
  7. もう笑うしかない Windowsのブルースクリーン多発でオフィス中“真っ青”になった海外の光景がもはや楽しそう
  8. アジサイを挿し木から育て、4年後…… 息を飲む圧巻の花付きに「何回見ても素晴らしい」「こんな風に育ててみたい!」
  9. スズメの首は、実は……? 「心臓止まりそうでした」「これは……びっくり!」“真実の姿”に驚愕の声
  10. 【今日の計算】「8×8÷8÷8」を計算せよ
先月の総合アクセスTOP10
  1. 18÷0=? 小3の算数プリントが不可解な出題で物議「割れませんよね?」「“答えなし”では?」
  2. 日本人ならなぜかスラスラ読めてしまう字が“300万再生超え” 「輪ゴム」みたいなのに「カメラが引いたら一気に分かる」と感動の声
  3. 「最初から最後まで全ての瞬間がアウト」 Mrs. GREEN APPLE、コカ・コーラとのタイアップ曲に物議 「誰かこれを止める人いなかったのか」
  4. 「値段を三度見くらいした」 ハードオフに38万5000円で売っていた“予想外の商品”に思わず目を疑う
  5. 「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
  6. かわいすぎる卓球女子の最新ショットが730万回表示の大反響 「だれや……この透明感あふれる卓球天使は」「AIじゃん」
  7. 「これはさすがに……」 キャッシュレス推進“ピクトグラム”コンクールに疑問の声相次ぐ…… 主催者の見解は
  8. 天皇皇后両陛下の英国訪問、カミラ王妃の“日本製バッグ”に注目 皇后陛下が贈ったもの
  9. 「この家おかしい」と投稿された“家の図面”が111万表示 本当ならばおそろしい“状態”に「パッと見だと気付けない」「なにこれ……」
  10. 和菓子屋の店主、バイトに難題“はさみ菊”を切らせてみたら…… 282万表示を集めた衝撃のセンスに「すごすぎんか」「天才!?」