映画「童貞。をプロデュース」の“性行為強要”問題で監督と配給会社が謝罪 「撮影を強引に進めてしまった」
監督と配給会社代表が謝罪しました。
映画「童貞。をプロデュース」の撮影を巡り、出演者の加賀賢三さんが「性行為を強要された」と被害を訴えていた問題で、松江哲明監督は12月13日、配給会社スポッテッドプロダクションズ公式サイト上で謝罪コメントを掲載しました。
松江監督はサイト上で「加賀賢三さん、そして『童貞。をプロデュース』の件において不快な思いをされた方へ」と題したメッセージにおいて、撮影を強引に進めた部分があったことを認めた上で、「加賀さんの気持ちを無視して、作品の完成、展開を優先してしまったことを、深く反省しています。申し訳ありませんでした」と謝罪しました。
また、スポッテッドプロダクションズの直井卓俊代表も「2017年8月31日に松江監督と本作品の配給である弊社の連名で出した公式声明において、事実と異なる内容を発信してしまっていたことを厳粛に受け止め、心よりお詫び申し上げます」と謝罪しています。
「童貞。をプロデュース」は2007年に公開されたドキュメンタリー形式の作品。加賀さんは長らくブログ等で被害について発信しており、同作はDVD化や大規模な上映が行われない状態が続いていました。そんな中、10周年を記念する上映が2017年8月に池袋シネマ・ロサで行われた際に、舞台あいさつに登壇した加賀さんが壇上で松江監督に詰め寄り、あらためて性行為の強要について謝罪を求める騒動が発生しました。
加賀さんは壇上で下半身を露出し、松江監督に謝らないのなら「あのとき俺にやったみたいに(性行為を)やれよ」と迫り、客席から撮影された動画がSNSや動画サイトで拡散するなど、話題となりました。
当初松江監督と配給会社側は、加賀さんが下半身を露出したことや、壇上で松江監督に暴力を振るったことを批判。傷害等を理由に法的措置を取るつもりはなく、和解を目指していくとしつつも、「加賀氏が強要を受けたと主張するシーンについても、加賀氏は一貫して撮影に協力的でした」と、加賀さんの主張を否定していました。
その後表立った進展はありませんでしたが、「ガジェット通信」が2019年12月5日に加賀さんのロングインタビューを掲載。これにより、事件への感心が再び高まっていました。
なお、今回の松江監督と配給側の謝罪で気になるのは、謝罪範囲が漠然としており、具体性に欠ける点。特に配給側の謝罪では、2017年8月31日の声明に「事実と異なる内容」があったとしていますが、それが具体的にどの部分を指すかについては言及がありません。ちなみに、2017年8月31日の声明には2000文字以上を費やしているのに対し、今回の謝罪声明は松江監督と直井代表のコメントを合わせても300文字程度となっています。
今回の謝罪に対し加賀さんは、「俺はあなたたちと直接話がしたいです。公開を前提として」「嘘を吐いた時はあんだけ声高にやったんだから、訂正する時だけ小声になるのはなしでお願いします」と、Twitter上で不満を表明しています。
2019年12月13日に配給会社公式サイトに掲載された謝罪声明
この度、松江哲明監督からのメッセージを掲載させて頂きます。
加賀賢三さん、そして「童貞。をプロデュース」の件において不快な思いをされた方へ
最近の加賀さんのインタビューを読んで、私が製作した「童貞。をプロデュース」の撮影、その後の上映を強引に進めてしまっていたことを改めて実感しました。
加賀さんの気持ちを無視して、作品の完成、展開を優先してしまったことを、深く反省しています。
申し訳ありませんでした。
2019年12月13日
松江哲明
また、上記を受けまして、2017年8月31日に松江監督と本作品の配給である弊社の連名で出した公式声明において、事実と異なる内容を発信してしまっていたことを厳粛に受け止め、心よりお詫び申し上げます。
株式会社スポッテッドプロダクションズ
代表取締役 直井卓俊
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