「コイツさえ倒せば、俺が世界一だ」 快進撃を続けるプロ格闘ゲーマー・GO1は”全米史上最高の天才”をどうやって倒したのか(1/2 ページ)
悟空とベジータのようなライバル関係。
「次はソニックフォックス、お前だ」――2018年2月24日、大阪を拠点に活動するプロゲーマー「GO1(ゴーイチ)」の発言が世界中の格闘ゲームコミュニティーで大きな注目を集めた。

GO1のこの発言は、当時発売したばかりだった格闘ゲーム「ドラゴンボール ファイターズ」の国内イベントで優勝した際に残されたもの。そしてこの“宣戦布告”の矛先は、アメリカの格闘ゲーム界で目覚ましい活躍を続け“全米格闘ゲーム史上最高の天才”とも評されるプレイヤー「ソニックフォックス」に向けられていた。この2人はこれ以降何度となく激突し、そのライバル関係は今も続いている。
格闘ゲーム界において最も権威のある大会「Evolution」(EVO)では2年連続で決勝で戦うなど、2人のライバル関係は「ドラゴンボール ファイターズ」の人気の原動力ともなっているが、GO1はソニックフォックスとのライバル関係と彼の非凡な才能をどう捉えているのか。「ドラゴンボール ファイターズ」の公式世界大会を2月8日に控えた今、GO1本人に話を聞きながら2人のライバル関係をひもといていく。

ソニックフォックス(Sonic Fox):現在21歳。アメリカで活動し、EVOで5度の優勝をはじめ数々の実績を残しているプロゲーマー。ディフェンス力が特徴的なGO1とは対照的に、リスクを恐れない大胆な攻めが持ち味。楽しんでゲームをプレイする姿や人間性の素晴らしさから、今では日本国内でもファンが多い。The Game Awards 2018ではベストeスポーツプレイヤーに選ばれた。
「コイツさえ倒せば、俺が世界一だ」
――GO1さんは「ドラゴンボール ファイターズ」の発売以降、現在に至るまで大活躍を続けていますね。
GO1: そうですね。「ドラゴンボール ファイターズ」が2018年2月に発売されてから、5月末まで負け無しでした。ただ、それ以降もTOP8には常に入れていたんですけど、優勝できないことが少しずつ増えていったんです。そのころは、トップに立つための成長とトップに居続けるための成長の違いを理解できてなかったので、取り組み方に問題があったと考えています。2019年は優勝し続けていても常に上を目指すよう心掛けていたので、良い成績を残すことができましたね。
――GO1さんが注目を集めるきっかけになったのは、2018年に大阪のイベントで優勝した際に残した「次はソニックフォックス、お前だ」という発言だと思いますが、なぜこの発言を?
GO1: 僕は発売直後からこのゲームで「日本最強」と言われていたんですが、アメリカではソニックフォックスが色んな大会で勝ち続けていて「アメリカ最強」という状況でした。そのころ「GO1とソニックフォックスはどっちが強いんだ?」とネットでも言われていたので、「こっちからプロレスを仕掛けてやるか」と思って言ったんです。そしたら向こうも配信上で「GO1、お前はもう死んでいる」と言ってくれて、乗ってくれましたね(笑)。実際かなり意識してたんですよ。「コイツさえ倒せば、俺が世界一だろう」と。
――その発言をきっかけにライバル関係が続いていくわけですが、ソニックフォックス選手のキャリアの中でもEVO2019の結果は素晴らしかったですね。「ドラゴンボール ファイターズ」部門ではGO1さんに決勝で破れて2位でしたが、「Mortal kombat 11」では優勝していて、あわや2冠だったわけで。
GO1: 実は僕も「Mortal kombat 11」をやってみたんですけど、当然そんなに簡単に勝てるゲーム性じゃないんですよ。攻略も進んでいますし強いプレイヤーもたくさんいるのに、それでも彼は「ドラゴンボール ファイターズ」や他のゲームでも結果を出しながら勝ち続けている。それに、ソニックフォックスは学生で勉強もちゃんとしているので、専業プロゲーマーとは違いますからね。
――何度も戦ってきたGO1さんにあえて聞きたいのですが、ソニックフォックスの強みはどういったところにあると思いますか?
GO1: そうですね……ちょっと説明が難しいんですけど、例えばじゃんけんで2回連続でグーを出されたら「3回目はもう一度グーなのか、変えてくるのか」と考えるじゃないですか。格闘ゲームではそういう「相手が対応してくるかどうか」という基本的な駆け引きがあるんですけど、彼と戦うとそこから一歩先を読まれているような感覚があるんですよ。同時にアメリカンスタイルというか、大雑把なプレイをする大胆さもありますし、フィジカル面も強い。色んな人と戦ってきましたけど、今までに見たことがないプレイスタイルなんですよね。
――直近の2人の対決で言うと、GO1さんは大会11連覇中だったところを2019年11月の「Red Bull Dragon Ball FighterZ Spain Saga」でソニックフォックスに破れました。どこに敗因がありましたか?
GO1: まず、ソニックフォックスはそれまでは上位プレイヤーが使うことがほとんどなかった「黒ベジータ」というキャラクターを使用してきたんです。キャラ変更をしたということは知っていたので、一応技を調べたりもしたんですけど、実際に戦ってみると想像以上に強かった。彼は本当にキャラクターのポテンシャルを見抜く力があるんだなと実感しました。しかも、ソニックフォックスは大会で戦う前に黒ベジータの強さをプレゼンしてくれたんですよ。「このキャラクターマジで強いんだよ!」って(笑)。


――レアなキャラクターは相手の意表を突くことが可能なはずですが、逆に大会前に手の内を明かしたってことですか?
GO1: そうなんです。全てを明かした上で「これでお前を倒すから」とか言われて(笑)。ソニックフォックスは本当にゲームを楽しんでいるだけで、何も隠さないんですよ。普通は逆ですけど、彼の場合は「全部教えた上で楽しく戦って、そして勝つ」ということができてしまう。
――他の競技でもそうですが、格闘ゲームにおいても「天才」と呼ばれるプレイヤーは存在します。お話を聞いていると、ソニックフォックスは誰もがうらやむような才能を持っているんだとあらためて感じますが、格闘ゲームで活躍するために才能は必要だと思いますか?
GO1: ある程度の才能は必要かもしれませんが、最終的に重要なのはやはり努力だと思いますよ。例えば、格闘ゲームでは強いプレイヤーの条件として「天性の反応速度をもっているかどうか」が語られがちですが、反応速度はそこまで重要じゃないと思うんですよね。結局は人と人との戦いなので読み合いや経験が結果につながっていますし、そういう部分は経験を積むことで身についてくる。結局、楽しんで続けることができれば自然と強さはついてくるんです。
僕も負けると悔しいですし気持ちが折れてしまいそうになるので、それを乗り越えられるようなモチベーションを維持する努力をしています。もちろん、必要な努力はそれだけではないですけどね。
――なるほど。しかし、ずっと続けているのに強くなれないプレイヤーもいますよね。
GO1: それは向上心の差です。「自分はここまでで大丈夫」とか「身内の中では強いからこのくらいでいいか」とか思ってしまうプレイヤーも居ますけど、そういった人は「世界一を目指す」と思っている人には絶対にかなわないですからね。
――「効率的に努力するべき」という話はさまざまな分野で聞かれますが、GO1さんもソニックフォックスもそれを体現しているのかもしれませんね。
GO1: そうですね。ただ、僕は彼と最初に戦った時かなりの大差で勝てましたが、一週間後にやったら負け越すことになったんです。彼の場合はさまざまなタイトルで活躍しているところからも分かりますけど、攻略スピードも尋常じゃないのでシンプルに頭が良いのかもしれないですね(笑)。もちろん、努力もしているはずですが。
――ただ、ソニックフォックスの場合は直近のEVOでほぼ毎年優勝していますし、努力でどうこうできるレベルじゃないような気もしますね……。
GO1: まぁ……彼に限っては天才ですね(笑)。あの戦績はちょっと異常だと思うんですよね、はっきり言って勝ちすぎです。
※ソニックフォックスの戦績:まだ21歳という若さでありながら、年々レベルが上がっている近年のEVOで5回優勝(2014年、2015年、2016年、2018年、2019年)。EVO以外の国際大会でも「Injustice」「DEAD OR ALIVE」「MARVEL VS. CAPCOM」「スカルガールズ」「ソウルキャリバー」「UNDER NIGHT IN-BIRTH」など数多くのタイトルで優勝経験があり、「鉄拳」「ストリートファイター」でも好成績を残している。(参考:格ゲープレイヤーwiki)
マルチタイトルで活躍するリスク
――GO1さんは複数タイトルで活躍する「マルチ格闘ゲーマー」としても有名でしたが、「ドラゴンボール ファイターズ」のリリース以降はほぼこの1本に絞って活動していますよね。今も他のゲームをプレイすることはあるんですか?
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