緊急事態宣言直後に職を失ったトラックドライバーの苦悩

迅速な給付を行うためにはどうすればいいのか。

» 2020年04月15日 13時00分 公開
[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月13日放送)にアセットマネジメントOneエコノミストの村上尚己が出演。現在各地で起きている新型コロナウイルスの経済的な影響について解説した。

フォト 大型スクリーンで、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するため協力を呼びかける小池都知事=2020年4月7日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

リスナーの方に訊く「いま起きていること」

新型コロナウイルス対策として、5月6日まで一都三県に緊急事態宣言が出ている。経済活動の休止によるさまざまな影響が懸念されるなか、ここではリスナーの方の身の回りに起きている現状を取り上げる。

フォト 【新型コロナウイルス】閑散とした繁華街=2020年4月1日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

個人事業主であるトラックドライバーの実情

飯田)こんなメッセージをいただいています。埼玉県志木市の50歳“50ドライバー”さんからいただきました。「私は飲食店へ食材を運んでいる個人事業主のドライバーです。私の取引先には私同様に、個人事業主のドライバーが12人働いていました。緊急事態宣言の後、取引先から7名が契約打ち切り、いわゆる「クビ」になりました。残った5人も契約金額5割カットが2人、残りの3人は契約金額2割カットです。クビの7人は13日から収入のめどがないようです。残った5人もいつクビの対象になるのか不安です。これが現場の生の声です。コロナのバカヤロー!」といただきました。個人事業主で、契約で入っているという形ですよね。こういう方々には、失業保険などの提供は難しいのでしょうか?

村上)そうですね。非正規やフリーランスでやられている方は、失業保険の対象ではない方もいらっしゃると思います。しかし、こういう非常事態なので、漏れなく幅広いところに当面の生活資金を渡すというスキームを、早急につくらなければいけない局面だと思います。

飯田)個人事業主の方だと持続化給付金ということで、前年の5割以上の収入が減ったことを証明できれば、上限100万円が支給されることがあります。

村上)そういう対象になる方はご利用されればいいと思うのですが、証明しなければいけません。書類を書いて役所へ持って行くだけでも手間になりますし、オンライン化されていないことも問題です。そして、新たに事業を始めようとしている方は対象になっていない場合があるではないですか。前年から比較もできないという方も含めて、給付の対象を広げる必要があると思います。

フォト 年度末日、日経平均の終値は19000円を割った=2020年3月31日午後、東京・日本橋兜町 写真提供:産経新聞社

迅速な給付を行うためにはどうすればいいのか

飯田)工夫の仕方次第で日本でもできると言われていましたが、村上さんご自身はどうすれば行き渡ると思いますか?

村上)単純に、全世帯に対して市町村や区が窓口になって、銀行口座を指定して振り込みを申請できるようにするのがいちばん簡単だと思います。

飯田)行政全体で見れば、私は子どもがまだ小さいので子育て給付金が入る口座があって、それが既に把握されています。

村上)子ども手当はそうですよね。一応確認は来ますが、親の銀行口座に入るし、これは個人よりも世帯です。年金で暮らしている方は働いていらっしゃらないので、確認の必要はないですよね。そのように行政のなかでルールを決めて、判断できる部分はあると思います。

フォト 新型コロナウイルス感染者が拡大し、マスクを着用して通勤する人ら=2020年3月5日午前、大阪市北区 写真提供:産経新聞社

まずは国債を発行して経済を安定させるべき

飯田)いまある仕組みをうまく使えば、いくらでもやりようがあるということですね。あとは予算の部分でいつも出て来るのが、「財政が赤字になる」という議論ですよね。

村上)その議論は20年繰り返されて、私は間違っていたと投資家目線で見ています。財政破綻ははっきり言って、日本では起きないのです。インフレにならないデフレの状況になれば、政府が国債を発行して、それで何の問題もないわけです。特に緊急事態においてGDPの10%規模、50兆円の経済が縮小しているなかで、それに対応できるくらいの大規模な国債の発行によって、税金で徴収した分のお金をとりあえず戻すということは全然問題ありません。むしろ、そうすることで経済が早期に戻り、税収も安定して財政収支も安定すると思います。リーマンショックのときには対応されませんでしたが、経済が落ち込むと財政赤字は簡単に膨らみます。要は、経済を悪くし過ぎれば、財政赤字が増えてしまうのが大前提です。まずはそれを何とかしなければいけないということです。

radikoのタイムフリーを聴く

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた